明日、九皐会「阿漕」映画「六つの顔」

2025年09月14日

「阿漕」御礼

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観世九皐会「阿漕」、無事に終わりました。
32度を超える猛烈な残暑の中、満員のお客様にお運びいただきましたこと、この場を借りて御礼申し上げます。

「阿漕」は、「善知鳥」「鵜飼」と共に三卑賎物と言われます。
能のシテは前半に老人姿で登場しても、実は神様だったり、在原業平や源義経などの歴史上の人物だったり、草木の精霊であったりするのですが、この三曲は実は卑賤な人物であるという変わった能です。

ただ能は、卑しい身分の人物だからといってボロボロの着物着てヨボヨボ出てきたりしません。
あくまでも、能としての美を能舞台で体現しなければなりません。

そういう意味では、存在自体が美しい貴婦人や美男子を演じるよりも、卑賎物はずっと難しい能と言えます。


この阿漕という能は、前半も後半も小道具の扱い方が難しく、その場面が大きな見せ場となっています。

前半は、釣り竿を持って登場します。
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暗闇の中、こっそり密猟をする役どころなので、全体的に暗い色使いの装束を選びました。

前場の最後には、激しい嵐の中で釣りをするシーンを見せます。
その時、釣り竿に糸を巻き付けるシーンが二度登場します。
ここが、なかなか難しいのです。

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もうちょっと巻き付けられれば良かったのですが・・・


後半は、網を持って登場します。
これを舞台に仕掛けて
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仕掛けた網に、魚を追い込んで網で魚を釣り上げるという面白い所作を見せます。
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これを、能面を着けて視界が狭い状態で自然に演じるのはたいへんに難しいのです。

手元は良く見えないので手探りでの作業になります。
そんな中、首尾よく出来たかなあと思います。

上の写真のように、手持ちの竿を左足の指で挟むのですが、これがなかなかうまくいきません。

この辺かなあと足を竿に乗っけたら、ちょっと上の方を踏んでしまいました。このままではうまく持ち上がりません。
手探りならぬ足探りで、足を指の間に竿が来るようにコソコソと動かしました。我ながら器用なことをしたものです。

網を引く糸も、引きやすいようにうまく束ねるのですが、これも手元が全く見えない状態で束ねました。

そんな風に細かな技を効かせながら、何とか網を持ち上げられました。
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前場の釣り竿に糸を巻くところと、この網を持ち上げる所作は、200以上ある能の演目の中で「阿漕」にしかない型です。

上手くできるように、事前に何度も練習しました。
首尾よく出来てホッとしています。

このように特別な型をしなければならないので、「阿漕」は演者にとって難しいですが、やりがいのある能だと思います。
実際に演じていて楽しかったです。


後場で使用した扇は「阿漕扇」という阿漕専用の扇です。
観世喜之師匠が、観世姓の能楽師として初めて能の最奥の秘曲「関寺小町」を演じた時に、観世宗家からお祝いにいただいた扇です。

お宝の扇を使用させていただいて、たいへんに光栄なことです。
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これが、「阿漕扇」です。


前場で、語りからロンギまで15分位座る場面があります。
左膝半月板損傷がまだ完治していないので不安でしたが、何とかなりました。

左膝の状態もだいぶん良くなってきました。
身体には気を付けつつも、これからも全力で良い舞台をつとめたいと思います。


kuwata_takashi at 22:30│Comments(0)

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