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2023年03月15日

2023シンガポール第2便 8

いよいよ、2023年ITI能楽コースの集大成の日です。
13期生から16期生たちの「Noh Presentation」がやってきました。

昨日の段階で、キチンと出来ていますので、今日の午前中の稽古は中止にしました。
不安そうにしている学生たちに、こう言いました。
「本番に向けてしっかり休息をとることも、役者として大事なことだよ」

昼過ぎに楽屋入りして、ゆっくりと準備を整えます。
学生たちが色々話しかけてきます。

本番前に、謡や型の最終チェックとして質問してくる者もいれば、他愛もない話をしてくる者もいます。
さあ、泣いても笑っても今日が最後です。
何だか、切なくなってきます。

14時半から、まずはドレスリハーサル(ゲネプロ)を行いました。
本番と同じ、タイムテーブルで、同じ手順で能面と能装束も着けて行います。

本番のための最終リハーサルでもあるし、関係者や報道の方へのお披露目でもあります。
また、仕舞では採点も行いました。

学生たちの対応力はたいしたものです。
一昨日、初めて劇場で通し稽古を行ったときは、問題が多かったのに、昨日・今日と日に日によくなってきます。
もう、発表会の成功に疑いはありません。

ドレスリハーサルの後、少し時間があります。
学生たちは、自主的に稽古しています。

シンガポール・マレーシア・フィリピン・インド・香港・マカオ・スウェーデン・オーストラリアの8か国から集まった24人の学生たちが、能の成功のために、懸命に取り組んでいます。

今年の学生たちも、また私を感動させてくれます。
何だか、始まる前から泣きたくなってきました。

ギリギリまで懸命に稽古する学生たち。
「もう大丈夫だから、そろそろ舞台にむけて心と体を準備しなさい」そう言って稽古をやめさせました。

皆で集まって、挨拶をして士気を高めます。
さあ、いよいよ始まります。


冒頭は、観世喜正師の「羽衣」です。
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集まったお客様に本物の能楽師による能の舞台を見せることも大事なのですが、学生たちに玄人の技をしっかり感じてもらいたいと思います。


そして、学生たちの仕舞です。
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堂々としたものです。

今回初めて演じさせた能「竹生島」
能らしい能です。
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能として見せるため、
「ただ立つ」「ただ歩く」「ただ座る」
この稽古をひたすら繰り返しました。


続いて能「邯鄲」
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劇的な展開の「邯鄲」は、毎回お客様の反応も良いようです。
学生たちが落ち着いて演じています。


最後に能「紅葉狩」
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いざ始まると、慌ただしい中あっという間に終わります。


24人の装束を入れ替わり立ち替わり着け続けて、私はクタクタです。
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首尾は上々でした。

最後にカーテンコール。
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私たちも呼ばれて、舞台に上がりました。

学生たちから万雷の拍手をもらってジーンときました。


ああ、今年も終わった。最高の舞台でした。
そして、最高の能クラスでした。


kuwata_takashi at 23:00│Comments(0)

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