2022年08月16日
親子3人の能奉納
今年は、3年ぶりに「深川八幡祭 能奉納」が行われました。
コロナ禍により、少人数の奉納行事を求められましたので、今年は私と、長男・潤之介(高校1年生)、次男・大志郎(中学3年生)と3人だけで奉納することにしました。
1人が舞い、残り2人が地謡を謡うというこじんまりとした舞台です。
息子2人にとっては、20年12月の観世九皐会「唐船」以来の舞台となりました。
「唐船」まではコンスタントに舞台があったので、日常的にお稽古をしておりました。
しかし最近は舞台がないので、息子たちのお稽古はしておりませんでした。
1年半ぶりのお稽古です。
その間に息子たちは大きくなり、色々難しい年齢になってきました。
もう以前のような、優しく楽しいお稽古という訳にはいきません。
そもそも、今回はお稽古がなかなか出来ませんでした。
7月中は、私は手術後の体調不良により、息子の稽古をする余裕はありませんでした。
夏休みになり、「さあこれから本腰入れて稽古するぞ」と意気込みましたが、息子たちは夏休みも忙しいのです。
部活だの夏期講習などに毎日出かけます。
私も手術前後にひと月近く社中のお稽古を休んだので、その振替えのお稽古で、連日忙しくしております。
なかなか息子たちの稽古時間が取れないので、時間があるときに、みっちり詰め込んで稽古しました。
小学生の頃は、長時間の稽古は出来ません。長くても30分くらいで終えていました。
子供に長い時間稽古しても飽きてしまって結局身につかないので、短時間の稽古をなるべく多くするように心掛けました。
しかし息子たちも16歳と15歳です。もう長時間の稽古にも耐えられるでしょう。
稽古できる回数が限られているので、一回の稽古は長くなります。2時間くらいぶっ通しで稽古した日もありました。
小学生の頃は、いつも2人一緒に稽古しました。
例えば長男が「船弁慶」の子方の稽古をしているときは、次男にも見させます。
すると、自然に覚えてしまうので、次男に「船弁慶」を稽古するときとても楽なのです。
また、子供は舞台の前に何が起こるかわかりません。
例えば、「インフルエンザになりました」なんて事態に陥った時、大人であればすぐに代役を立てられますが、子供の代役を急に探すのは大変です。
そういう事態の時に、すぐに代役が立てられるように必ず兄弟一緒に稽古しておりました。
今回は、なかなかそうはいきませんでした。とにかく、私とどちらかの息子が家にいる時を狙って集中的に稽古します。2人一緒の稽古にはこだわっていられません。
仕舞の稽古も、もう子供のようにはいきません。
ちっちゃい子供の時は、出てきただけで可愛らしいので、何やっても許されます。
でも、もうそういう時期は過ぎました。身体はすっかり大人なので、ある程度きちんと能の舞を舞わなければなりません。
今回は構え(立ち方)と運び(歩き方)もきちんと稽古しました。もう、大人の舞になっていなくてはなりません。
子供の時は結構適当だった舞の型や、足数などもキッチリ指導しました。
子供時分の悪いくせもけっこう残っているので、大人仕立ての舞になるように繰り返し指導しました。
実質一週間くらいの詰め込み稽古でしたが、息子2人はよく頑張ったと思います。
次男「敦盛」
長男「邯鄲」
次男は「敦盛」の「クセ」と「キリ」を続けて舞い、長男は「邯鄲」の「夢之舞」と「楽アト」を続けて舞いました。
仕舞2番分の分量でしたが、頑張って舞っていました。
手こずったのは、私の仕舞「天鼓」の地謡です。
息子2人で地謡を謡わせるのは大変です。
手こずりましたが、何とか止まらずに謡えるようになりました。
時間が充分にとれず、とにかく必死で覚えさせた稽古でした。
当日も、ミスなく終われるかヒヤヒヤし通しでした。
でも、親子3人での奉納が終わった今、しみじみと思いました。
「ああ、良い時間だったなあ」
こんなふうに、親子だけで舞台をつとめるなんて、もう無いかもしれません。
息子2人の地謡で舞うなんて、考えてみればなかなか幸せな時間です。
稽古は大変だったし、当日も慌ただしくてんてこ舞いでした。
でも、終わってみればとても印象に残る「深川八幡祭 能奉納」でした。
コロナ禍により、少人数の奉納行事を求められましたので、今年は私と、長男・潤之介(高校1年生)、次男・大志郎(中学3年生)と3人だけで奉納することにしました。
1人が舞い、残り2人が地謡を謡うというこじんまりとした舞台です。
息子2人にとっては、20年12月の観世九皐会「唐船」以来の舞台となりました。
「唐船」まではコンスタントに舞台があったので、日常的にお稽古をしておりました。
しかし最近は舞台がないので、息子たちのお稽古はしておりませんでした。
1年半ぶりのお稽古です。
その間に息子たちは大きくなり、色々難しい年齢になってきました。
もう以前のような、優しく楽しいお稽古という訳にはいきません。
そもそも、今回はお稽古がなかなか出来ませんでした。
7月中は、私は手術後の体調不良により、息子の稽古をする余裕はありませんでした。
夏休みになり、「さあこれから本腰入れて稽古するぞ」と意気込みましたが、息子たちは夏休みも忙しいのです。
部活だの夏期講習などに毎日出かけます。
私も手術前後にひと月近く社中のお稽古を休んだので、その振替えのお稽古で、連日忙しくしております。
なかなか息子たちの稽古時間が取れないので、時間があるときに、みっちり詰め込んで稽古しました。
小学生の頃は、長時間の稽古は出来ません。長くても30分くらいで終えていました。
子供に長い時間稽古しても飽きてしまって結局身につかないので、短時間の稽古をなるべく多くするように心掛けました。
しかし息子たちも16歳と15歳です。もう長時間の稽古にも耐えられるでしょう。
稽古できる回数が限られているので、一回の稽古は長くなります。2時間くらいぶっ通しで稽古した日もありました。
小学生の頃は、いつも2人一緒に稽古しました。
例えば長男が「船弁慶」の子方の稽古をしているときは、次男にも見させます。
すると、自然に覚えてしまうので、次男に「船弁慶」を稽古するときとても楽なのです。
また、子供は舞台の前に何が起こるかわかりません。
例えば、「インフルエンザになりました」なんて事態に陥った時、大人であればすぐに代役を立てられますが、子供の代役を急に探すのは大変です。
そういう事態の時に、すぐに代役が立てられるように必ず兄弟一緒に稽古しておりました。
今回は、なかなかそうはいきませんでした。とにかく、私とどちらかの息子が家にいる時を狙って集中的に稽古します。2人一緒の稽古にはこだわっていられません。
仕舞の稽古も、もう子供のようにはいきません。
ちっちゃい子供の時は、出てきただけで可愛らしいので、何やっても許されます。
でも、もうそういう時期は過ぎました。身体はすっかり大人なので、ある程度きちんと能の舞を舞わなければなりません。
今回は構え(立ち方)と運び(歩き方)もきちんと稽古しました。もう、大人の舞になっていなくてはなりません。
子供の時は結構適当だった舞の型や、足数などもキッチリ指導しました。
子供時分の悪いくせもけっこう残っているので、大人仕立ての舞になるように繰り返し指導しました。
実質一週間くらいの詰め込み稽古でしたが、息子2人はよく頑張ったと思います。
次男「敦盛」
長男「邯鄲」
次男は「敦盛」の「クセ」と「キリ」を続けて舞い、長男は「邯鄲」の「夢之舞」と「楽アト」を続けて舞いました。
仕舞2番分の分量でしたが、頑張って舞っていました。
手こずったのは、私の仕舞「天鼓」の地謡です。
息子2人で地謡を謡わせるのは大変です。
手こずりましたが、何とか止まらずに謡えるようになりました。
時間が充分にとれず、とにかく必死で覚えさせた稽古でした。
当日も、ミスなく終われるかヒヤヒヤし通しでした。
でも、親子3人での奉納が終わった今、しみじみと思いました。
「ああ、良い時間だったなあ」
こんなふうに、親子だけで舞台をつとめるなんて、もう無いかもしれません。
息子2人の地謡で舞うなんて、考えてみればなかなか幸せな時間です。
稽古は大変だったし、当日も慌ただしくてんてこ舞いでした。
でも、終わってみればとても印象に残る「深川八幡祭 能奉納」でした。
kuwata_takashi at 22:00│Comments(0)│