2018年08月14日
能奉納「海士」 御礼
毎年恒例の「深川八幡祭 能奉納」、10回目を迎えた今年は「海士」を奉納しました。
一昨日の二の宮神輿渡御の疲れが、身に沁みます。右肩はパンパンに腫れています。
連日の猛暑で身体は疲労していますが、お祭りの期間は不思議と元気です。
祭囃子を聞くと、元気になっていくのが不思議です。
今日も暑い日ですが、台風が近づいている影響で、けっこう風が吹いています。
太陽が落ちたらたぶん涼しくなるのでしょう。
ただ、残念ながら私たちの奉納は16時45分から。まだ、太陽はさんさんと照り続けます。
舞台の向きから、西日を直撃するなか、能奉納は始まりました。
前半は、私のお弟子さんたちの仕舞と連吟です。
仕舞の地謡を謡っていると、西日がまぶしくて目があけられません。
汗が目に入ります。
そんな猛暑の中ですが、お客様はたくさん集まってくださいました。
今年も立ち見のお客様であふれています。
このように多くのお客様の前で演じるのは、気分の良いものです。
特にお弟子さんにとっては良い経験となっているようです。
お客様も、普段の能楽堂と違って、ラフな格好で気楽な気持ちでご覧いただいています。
中には、生ビール片手に見ている方もいます。
この柔らかい雰囲気、大好きです。
「芸能の原点は祭りにあり」
神への奉納を起源とするのが、全ての芸能の成り立ちです。
お祭りに集まる神々を楽しませるために芸能を奉納し、それを見ている参加者も一緒に楽しむ。
能も、当初はそんな形で庶民に愛されていた芸能でした。
その、原始の姿を大事にして能奉納を続けていきたいと思います。
5時半頃、能「海士」が始まりました。
そのころになると、いくぶん涼しくなっています。
そうはいっても何枚も能装束を着込んでいますので、ずいぶん暑かったです。
でも、舞っている最中は、不思議と暑さは感じません。
「海士」は三度目なので、少々余裕を持って舞えました。
せっかくなので、早舞は五段替の型で舞ってみました。
このお客様の雰囲気だと、なるべく派手な方が好まれると思い、大きく舞いました。
子方は、次男・大志郎にやってもらいました。
地元の祭りでの舞台に張り切っていました。
長男は、去年同じく後見をさせました。
子供たちにとって、後見はカッコよく見えるようです。喜んでやっていました。
地元の神社のお祭りで、親子で舞台を演じることの幸せをかみしめたいと思います。
終わった後は、近くの店でお弟子さんと大宴会。
装束や舞台装置を片付けて、宴会場まで歩くとき、爽やかな風を感じました。
風が秋の香りがします。
夏ももうすぐ終わります。
kuwata_takashi at 23:00│Comments(0)│