2017年02月26日
漆かぶれ
春一番が吹き、春の嵐となった先週の金曜日に日本に帰ってきました。
常夏のシンガポールから帰ってきて、日本はどれだけ寒いのかと思いきや、金曜日の気温は20度超え。
その後も暖かい日が続きます。
冬の東京と夏のシンガポールを行ったり来たりしています。
「気温差がかなりあるから、大変なんじゃない?」
よく言われますが、意外とあまり気になりません。
もっとも、そもそも炎天下の中や寒空の下で仕事しておりませんので、そんなに気温差を感じません。
東京でも、室内は暖かいですし、シンガポールでもクーラーがガンガン効いていて寒いくらいです。
むしろ、気になるのは湿度です。
シンガポールの気候は、基本的に真夏の東京と同じです。そう、高温多湿です。
そこで暮らしていて、汗をかくため毛穴が開いている状態で東京に帰ってくると、カラカラの湿度。
一瞬にして肌が乾ききってしまいます。
そんな生活を続けていたせいか、シンガポールで能面を、学生たちの見本として少し着けたら、まんまとかぶれてしまいました。
能面の裏には保護のため漆が塗っています。
かぶれる人も多いので、今回は漆を削ってある能面を持っていきました。
でも、少し残っていたのでしょう。それにかぶれてしまいました。
もともと、漆には弱いのですが、削った能面で、しかも見本として30秒から1分くらいしか着けていないのにかぶれてしまうなんて、肌が弱っている証拠です。
次の日、学生たちに聞いてみました。
「私はこのようにかぶれてしまいました。みんなは大丈夫でしたか?」
すると、かぶれた学生はいませんでした。
そもそも、漆を知らない学生たちは、私が何故かぶれているのか分からないようです。
まず、漆というものから説明しなければなりません。
そして、皆に軽く言いました。
「みんなは顔がじょうぶだなあ。私一人繊細な肌をしているよ」
私は 「My skin is sensitive」 と言いました。
するとオーストラリア人の学生がすかさず
「先生の肌はsensitiveではなくて、SENSEI TIVE(先生ティブ)です」
普段、私のことを日本語で「SENSEI」と言ってくれる彼ら。
流石にネイティブは、上手いことを言います。
さあ、今晩からまたシンガポールへ行きます。