2017シンガポール第三便 1漆かぶれ

2017年02月15日

2017シンガポール第三便 2

シンガポール滞在中に宿泊しているのは、学校が借りている2LDKマンション。

チャイナタウンといって、中国系のお店やレストランがたくさんある街にマンションはあり、そこで現地の人に交じって快適に過ごしています。

 

今日は、マンションの目の前が凄くにぎやかです。出てみると、通りを封鎖して大きなパレードだかイベントが行われていました。

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たぶん、今週末で正月期間が終わるので、それを祝ってのイベントだと思われます。

 

おそろいの衣装に身を包んだ色んなグループが、思い思いにパフォーマンスをしています。

日本でいうところのよさこい祭りのような感じですかねえ。

 

しかし旧正月が128日。いつまで正月は続くんだろうと思ってシンガポールの人に尋ねると、

 

15日間は、正月期間ですね」

私は納得して

「そういえば日本でも115日までが正月と言われますね。同じですね」

と返しました。本来なら、ここで終わっていた話です。でも、そのあと彼女が続けた言葉にハッとしました。

 

「そうそう、新月から満月までが正月なのですよね」

 

そうか、それで正月は15日までなんだ。

 

いうまでもなく、太陽の動きに合わせて暦を定めているのが太陽暦です。現在世界中で使われているカレンダーです。

一方、月の満ち欠けによって暦を定めたのが太陰暦。日本では旧暦とも言われますが、昔からアジア各国(主に中国の文化圏)ではこちらのカレンダーを使っていました。

そう考えると30日の組み合わせを、一月・二月・・・ と数えていくのは納得です。
もし最初から太陽の動きを元に暦を作っていたら、30日の組み合わせは、一日・二日・・・
となっていたかも知れません。(なんだかややこしいですが)

 

太陰暦は基本的に、新月の日が1日で、満月の日が15日。

月が新しく生まれる新月を、月の初めの日と定め、満月となる15日は最もエネルギーがあふれる日とみなします。

中秋の名月は、旧暦の815日です。日本ではどちらかと言うとすたれた行事ですが、中国では中秋節としてかなり派手に祝います。

 

「正月は新月から満月まで」この言葉の中には、古来より月の満ち欠けを見ながら日々を過ごしていた人々の暮らしが垣間見えます。

なんとなく15日がキリの良い数字だからそこまでが正月なのかな。

そんな風に考えていた私は、妙に納得しました。

 

 

旧暦から新暦になって、うるう月などというややこしいものもなくなって、合理的になりました。

でも、日本人が大切にしてきた季節感のようなものは、だいたい旧暦に合わせられています。

 

本来正月の今の時期に咲く花である梅。

だから正月に真っ先に咲く花として、古来よりおめでたい花とされてきました。

新暦の正月に梅は咲きません。

 

節分は春を迎える行事です。

節分は、文字通り季節を分ける日。節分が終わると立春です。

だから、節分は大みそかと同じ意味で考えられてきました。だから、能「絵馬」では節分の日に次の年の国土安穏を祝って絵馬をかけます。

だから、正月は新春と呼ばれます。新暦の正月は、冬の真っただ中です。

 

正月最後の日、学生たちと食事に行く途中の美しい満月を見ながらそんなことを考えました。

 

 

ところで、満月を見て私は学生たちにこう言いました

「日本では、月にはウサギがいると言われているんだよ」

 

「中国でもそうです」

「インドでもそうです」

 

中国はなんとなくわかるけど、インドでもそうなんだ。驚きました。

アジアの国々は、シルクロードで結ばれていて、深いつながりがあるのだなあと感心しました。
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kuwata_takashi at 19:37│Comments(0)TrackBack(0)

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