2017年02月02日
2017シンガポール第二便 2
シンガポールに能を教えに行くようになって、今年で15年目になります。
15年前に1期生を教えて、今回が9期生と10期生。
その間に色んな学生を教え、様々な学校のスタッフと接してきました。
それなりに人間関係も出来ました。
最も、英語がそんなにしゃべれる訳ではないので、親しい関係まで至っていないのは残念ではあります。
ただ、何人かは日本に公演や旅行で来たとき会いましたし、シンガポールでも滞在中にちょくちょく会います。
とても嬉しいことです。
そんなこんなで、日々それなりに忙しくしています。
昨日は、高校の後輩と会いました。
外資系の大手企業に勤めている彼は、只今シンガポール勤務ということで、一緒に食事しました。
シンガポールへは20回以上来ていますが、初めて日本料理の店に行きました。
私は、外国で日本料理の店にはほとんど行きません。
日本料理は日本で食べられるので、わざわざ行くこともないと思うからです。
それより、せっかくだから現地の料理を楽しみたいと思います。
ただ、彼のようにしばらく日本を離れていると、やはり和食が恋しくなるのでしょう。その気持ちわかります。
私はせいぜい、ながくても10日くらいで日本に帰ります。恋しくなる前に帰れるのです。
先日も学生が
「先生、このまえ『Genki Sushi』にいきました」
と言ってきます。
「ああ、日本の寿司のチェーン店だね。シンガポールにもあるの?」
「なんと、お皿が回ってくるんですよ。とっても美味しいですから、今度一緒に行きましょう」
と誘われました。
「寿司は、日本で食べるからいいよ。それより、美味しいチキンライスでも食べに行こう」
私は、あっさり断りました。
さて、シンガポールで初めて行った日本料理の店ですが、、、、
普通に美味しい和食の店でした。
日本人が日本人のスタッフを使って経営しているのだから当たり前です。
メニューも日本語で、お客さんもほとんど日本人。
一緒に食べている相手も日本人で、当然日本語で会話しています。
まあ、こんな食事も、安心できて良いですね。
さて今日は、午前中に15年前に通訳をしてくれた方と会いました。
今は、シンガポールで大学の先生をしていて、その学校を案内して下さいました。
その大学は、シンガポール大学とアメリカのエール大学が共同で設立した学校です。
そこで学べば、シンガポール大学とエール大学両方の学位が取れるそうです。すごい学校です。
学生はほとんどが留学生という、シンガポールらしい大学です。
素晴らしい環境の大学です。そして、とても静かなのに驚きました。
そのことを聞くと、当たり前そうに、
「だって、今は授業中だから」
授業中でも、授業に出ない学生たちで賑やかな日本の大学に慣れている私には、驚きでした。
さて夜は、昔の学生がでているという芝居を見に、エスプラネードシアターに行きました。
この劇場は、外見が果物の王様・ドリアンに似ていることが有名で、シンガポールのランドマークの一つです。
彼女は、シンガポールでとても人気のある女優のようでして、2月3日から6日までの公演は完売だそうです。
特別に、前日の2日に行われたドレス・リハーサルを見せてもらいました。
ドレス・リハーサルとは、メディア向けに行われる公演です。そこで写真などをとって、新聞やTVなどで紹介するのです。
劇は、何と彼女の一人芝居。
1時間半ほどの時間のあいだ、彼女は語って歌って踊って大活躍です。
彼女の一人芝居の公演が、小劇場とはいえエスプラネードシアターが完売になるのですから、彼女の人気のほどが知れます。
TVやCMでとても活躍している女優だそうです。
終演後、ドレス・リハーサルなので舞台にあいさつに出てきました。
彼女は、私を見つけると
「先生、来てくれたの」
といって、両手を広げます。
これは、ハグしましょうの合図。
どうも、この習慣はなかなか慣れません。
ただの挨拶なのですが、公衆の面前でシンガポールの人気女優とハグするのですから、どうしても照れてしまいます。
まあ、これも長年シンガポールで能の先生やっている役得ですかね。
彼女とは、簡単な挨拶をかわして劇場をあとにしました。
一緒に見に行った学生たちも、先輩の活躍に興奮した様子です。
さあ、今度は君たちの番だよ。頑張って有名な役者になってくれ。
私は絶対に見に行くから。