文化庁巡回公演 房総半島北九州へ

2015年12月12日

大円団 ぎんが能楽サロン

img057

2004年11月に始まった「ぎんが能楽サロン」、本日大円団となりました。

長い間、有難うございました。

11年間に69回も開催されました。
毎回一つの能をとりあげ、見どころや楽しみ方を紹介していきました。

とりあげる能については、詩章を読み込み、作品研究を丹念に致しました。

そのおかげで、私も大変に勉強になりました。


「ぎんが能楽サロン」のきっかけは、会場のぎんがホールの館長、根岸さんとの出逢いです。

根岸さんは定年を機に、自宅に定員30人程のアットホームなイベント会場を作りました。

そこで開催するイベントの構想を練っていらっしゃいました。

そんな頃、2004年7月に私が当時住んでいた江戸川区で行った能の講演にたまたまいらっしゃいました。

私の話を面白いと思って下さったのか、講演の後に私の所にいらして、「ぎんがホールでも何かお話して下さい」と提案されました。

何度か打ち合わせをして、「ぎんが能楽サロン」は産声をあげます。

その時は、11年も続く講演になるとは思いもよりませんでした。

能のお話の後は、お客様とコーヒーを飲みながら歓談しました。
私にとっても楽しいひとときでした。

様々な人に出逢い、色々な刺激を得ることが出来ました。


毎回の作品研究は、けっこうしんどかったですが、楽しみにして下さっているお客様に楽しんで頂こうと、必死でした。

一年の終わりには、その年の皆勤賞の方を表彰します。
年々に皆勤賞の方も増えていきました。

中には全69回すべて皆勤賞という、つわものもいらっしゃいました。

第一回にとりあげた能は「猩々乱」でした。
ちょうど翌月に、この曲を披く(初演する)予定だったので、アツく語ったことをよく覚えています。

以来、「石橋」や「道成寺」をはじめ、私がシテを演じた能は概ねとりあげました。

今では、「ぎんが能楽サロン」で作品研究をして、その能に向き合うというプロセスを得た後で、能を演じるのが常態でした。

「ぎんが能楽サロン」が終わり、そのプロセスが失われることに、危惧を感じます。


本当に良いイベントであったと思います。

最後にサプライズで花束を渡された時は、ジーンときました。

もうこの場所でお話することは無いのかと思うと、やはり寂しいです。

しかし、始まりがあれば終わりがあるものです。
ここで得た経験を、これからの能役者ての活動に活かしていきたいと思います。


kuwata_takashi at 21:56│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
文化庁巡回公演 房総半島北九州へ