「昭君」御礼囃子会 舞囃子

2015年09月22日

追悼 藤村健師

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私の最初の師匠、藤村健師が亡くなられました。
享年86歳でした。

13年前に大病を煩い、舞台の第一線からはお引きになりました。

ここ最近は、体調不良が伝えられていましたので、心配しておりました。

藤村先生の訃報を聞き、覚悟していたとはいえ、心に大きな穴が空いたままふさがりません。


藤村先生は、長く明治大学能楽研究部観世会の師範を勤め、200人以上の部員を指導されました。

私も明大能研に入部以来、本当にお世話になりました。

4月に入部して生まれて初めて見た能は、藤村先生の「鞍馬天狗」でした。

その時の、衝撃的な感動は忘れません。

私に能の魅力を伝え、能の道へ誘って下さったのは、紛れもなく藤村先生です。

今はただ、感謝の気持ちで一杯です。

大学4年生の春、同級生が就職活動に励んでいるのを後目に、私はどうしてもプロの能楽師になりたいと思い、藤村先生に頼みこみました。

先生は、「厳しい世界だぞ」

と、大反対なさいました。

しかし、私が何度も頼み込むので、「こいつには何を言ってもダメだ」

と思われたのでしょう。

藤村先生は、私が観世喜之先生のもとへ入門出来るようにとりはかってくださいました。

当時は内弟子も多く、すんなり入門できた訳ではありませんでした。

入門して修業中も、公私ともにお世話になりっぱなしです。

私が、2001年に観世流準職分の免状をとり独立し、これから舞台の上で少しずつ恩返ししたいと思っていた矢先の2002年に、ご病気で舞台を退きました。

2003年の初シテ「小袖曽我」はじめ、私が演じた能の舞台を一度もご覧頂けなかったのが心残りです。


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会場には、藤村健先生の舞台写真がたくさん飾られていました。

見ていると、自然と涙が込み上げてきます。


先生は、明大能研をたいへん熱心にご指導して下さいました。

今は、藤村先生のあとを受けて同じく明大能研OBの鈴木啓吾氏と共に、私が指導させて頂いております。

先生が愛してやまなかった明大能研の学生さん達を、精一杯指導するのが、今私が出来る恩返しかなと思います。


ご冥福をお祈り申し上げます。


kuwata_takashi at 20:07│Comments(0)TrackBack(0)

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