シンガポール映画「百萬」御礼

2015年04月10日

「百萬」申合 終了

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今日、9月九皐会の申合でした。

私は「百萬」のシテを演じます。

子方は、長男の潤之介です。
最近、親子共演が多いです。


「百萬」は、母子再会の物語で、私は生き別れた子供を捜す母親役を致します。

長男に「実際はお父さんだけど、能ではお母さんだね」

と言われました。
「うーん。そう言えばそうだなあ。。。。」
子供は変なところが気になるようです。

この能は、とにかく舞いっぱなしです。

最初に「車之段」「笹之段」と続けて舞って、後半は「クセ」「立廻」と舞が続きます。

この能の構成は、たいへんユニークです。

だいたいの能は、最初はゆっくりとした展開から徐々に盛り上がっていって、その頂点で舞を舞うという構成になっています。

「百萬」は、シテが登場すると、いきなり「車之段」「笹之段」と続けて舞います。

舞から始まるので、見る人をのっけから引きつけます。

非常に斬新な展開なのですが、作者は能の大成者・観阿弥です。
つまり、「百萬」は能の現行曲の中でも最も古いものの一つと言えます。

去年演じた「自然居士」も観阿弥作の能ですが、これも現代劇を見ているような、斬新な能です。


そもそも能は、観阿弥の子・世阿弥が複式夢幻能という形を完成させ、それ以降の構成のスタンダードとなります。
大成したばかりの能は、もっと派手で目を引くものだったのでしょう。

何はともあれ、いきなり舞から始まる能「百萬」って、面白い作りだと思います。
私の好きな曲です。


さて、今日申合が終わって、ようやく日記を書く余裕が出てきました。

申合にて、色々課題も見えてきました。
あと二日で上手く調整して本番を迎えたいと思います。

長男も、よく頑張っていました。
あとは、明後日まで風邪やケガなどないように気を付けなければなりません。

子供の体調管理も、大事な仕事です。


kuwata_takashi at 22:56│Comments(0)TrackBack(0)

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