「邯鄲」御礼小学校体験授業

2014年06月28日

「邯鄲」自分探し

22 能まつり_005この写真は、「能まつり」の冒頭での舞台挨拶です。

この時、マイクのトラブルがありましたが、かえって場内が盛り上がって良かったかもしれません。


さて、その挨拶でも触れましたし、当日番組にも書きましたが、今回の「邯鄲」のキャッチフレーズは、「自分探しの旅」でした。

ただ茫然と明かし暮らしていた盧生が、身の一大事を尋ねて旅に出かけたのを、「自分探しの旅」と銘打ったのです。


当日番組に
「悟りを得て意気揚々と帰路に着く盧生を演じた後、私は何を得ることが出来るのでしょうか?」
と書きました。

能「邯鄲」が終わり、ゆっくり橋掛りを歩みながら、ふとそのフレーズが頭をよぎりました。

「私が得たこと? ・・・・無いなあ」

「邯鄲」のシテ・盧生は簡単に悟りを得たようですが、私はこれからも続く能役者としての道に思いを馳せながら、こう思いました。

「私は能の道を、歩み出したばかり。たかだか一番能を演じ終えた位で何か得ようなんて、おこがましいよ」 

「自分探しの旅」は、まだまだ続きます。


kuwata_takashi at 23:30│Comments(0)TrackBack(0)

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