2014年06月15日
能まつり 「邯鄲」
自身の芸の研鑚のため主催公演「桑田貴志 能まつり」も、おかげさまで5回目の公演を迎えます。
5回目を記念して今回は「邯鄲」を演じます。
この能は、とても劇的な構成をしています。
シテの蘆生(ろせい)という青年は、人生に迷い旅に出ます。邯鄲の里にて不思議な枕で眠りにつきます。使者に起こされ、なんと帝に即位します。その後、50年もの栄華を極めた後、目が覚め全てが夢であったことを知ります。50年の栄華は、しょせん午睡の間の出来事に過ぎないと悟った蘆生は晴れやかに故郷へ帰ってゆく・・・
というのが「邯鄲」のあらすじです。
人生に迷った青年が50年の栄華の後に悟りを得るという内容が、今の私にピッタリかなと思いこの能を選びました。
観世喜之師のもとに入門してから、ずっと「自分探し」をしていたように思います。
その一つの形が、自主公演「能まつり」でした。
発会以来5年間。まだまだ「自分探し」の歩みは途上です。
悟りを得て意気揚々と岐路に着く蘆生を演じた後、私は何を得ることが出来るのでしょうか?
懸命に取り組んで、良い成果を上げたいと思います。
この子方は、長男・潤之介(小学校2年生)が勤めます。
昨年・岡山後楽能の「船弁慶」に続いての親子共演です。
シテと子方という形での共演は、東京では初めてとなります。
親子共々、張り切って頑張ります。
仕舞は、観世喜之師の「楊貴妃」と観世喜正師の「天鼓」。
「邯鄲」同様に中国を舞台とする能です。
ひと時の異国情緒を、楽しんで頂ければ幸いです。
狂言は昨年に引き続き、TVや映画など多方面で活躍されている
人気狂言師・野村萬斎師にお願いしました。
「佐渡狐」という面白い狂言です。萬斎師の華麗で洒脱な芸を、お楽しみ下さい。
この公演、いよいよ来週と迫ってきました。
紹介が遅くなりまして申し訳ございません。
チケットの残席も、少々、ございます。
ご希望の方は、公式HPhttp://www.geocities.jp/kuwata_company/
からお申込みください。