富士宮 狩宿能「鉢木」 地頭

2014年04月12日

「狩宿能」御礼

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素晴らしい天気のもと、このような美しい富士山を望みながら、「狩宿能」は無事に終わりました。
たくさんの方にご来場頂き、有難うございます。

出演の能楽師も、あまりの美しさに見とれていました。

ある能楽師は言いました
「こんな美しい景色の中では、オレ達が何やってもかなわないなあ」

そんな気がします。

でも、富士山が世界遺産なら、能も世界遺産です。負けてられません。
かくして、世界遺産同士の奇蹟のコラボレーションの舞台が幕を開けました。

舞台が設えられたのは、富士宮市指定文化財の屋敷門の前です。
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1000年続く名家の井出家の屋敷の名物の門構えです。この奥に、富士の巻狩りのとき、源頼朝公の本陣が敷かれたそうです。

向かいに見えるのが、国の特別記念天然物の下馬桜です。
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菜の花に囲まれて、美しく咲き誇ります。まだ8分咲き位だそうです。

ちなみに、この桜は日本五大桜に数えられます。
(他に、石戸蒲ザクラ・三春の滝桜・山高神代桜・根尾谷の淡墨桜)

日本最古級の樹齢1000年の山桜で、富士の巻狩りの時、源頼朝公が馬をつないだとされる桜です。

この景色には、ただただ圧倒されます。


景色に見とれているうちに、開演です。
まず、富士の巻狩りの時に行われた曽我兄弟の仇討ちにちなんで、「小袖曽我」の仕舞です。

私の長男・潤之介(7歳)と次男・大志郎(6歳)の2人が、曽我兄弟を一生懸命演じました。

初めて兄弟の共演です。
長男が、妙にお兄さんぶって次男に指導しているのが面白いです。

この仕舞はひと月前に急に決まりました。
それからは、時間を見つけてはお稽古しました。

なかなか凛々しく舞えていたと思います。

この2人は男兄弟なので、これからも「小袖曽我」は度々舞うことになると思います。

初めて舞った「小袖曽我」が、曽我物語の舞台となった場所だなんて、恵まれた兄弟だと思います。

続いて、桜にちなんで「嵐山」「桜川」「鞍馬天狗」と仕舞が三番です。
目の前の下馬桜に負けない、桜の舞となりました。

舞っていた能楽師は、美しい桜と富士山に囲まれて、気持ち良く舞うことが出来たと感想を言って下さいました。


私は最後に能「羽衣」を演じました。

素晴らしい富士山を見ながら気持ち良く舞うことが出来ました。。。。
と書きたいところですが、能面を着けていたので富士山も桜も菜の花も何も見えませんでした。

その分、集中して舞うことが出来ました。

能「羽衣」は、今まで10回くらい演じていますが、学生対象の鑑賞能以外で舞うのは初めてでした。
本当に良く出来た名曲だと思います。

富士おろしに吹かれ、長絹の袖はひらひらとたなびき、本当に空を飛べそうな気分になりました。

「羽衣」の終曲は、富士の高嶺に舞い上がって行きます。
舞ううちに、目の前の富士山の山麓を本当に飛んでいるような気分になりました。

能を演じるに当たって、場所の出す「気」のようなパワーって大きいと感じます。

富士山は、日本最大のパワースポットとも言われますので、日本一のパワーを貰いながら舞うことが出来ました。


大盛況に終演した後、富士宮市街に移動してもう一つの楽しみです。
出演の能楽師一同、名物・富士宮やきそばを食べました。

これが美味いのなんの。。。。

良い一日でした。


kuwata_takashi at 22:30│Comments(0)TrackBack(0)

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