2012年11月21日
見たことあると思ったら
今日は、新潟県上越市にて能公演。昼に学生能「羽衣」、 夜公演で「玉井」でした。
朝、東京を出て昼ごろ到着。午後2時からの昼公演をし、夜公演は午後6時半から。
終演は午後9時過ぎ。もう東京には帰れません。
明日は9時半から東京で申合があります。そのまま上越に宿泊しては間に合いません。
終演後、長野に移動することにしました。
長野にいれば、始発の新幹線で悠々間にあいます。
間にあってしまうのです。
交通が便利になればなるほど、忙しくなっていくように思います。
さて、今日は嬉しいことがありました。
夜公演「久比岐能」で、上越市在住の師範の方が仕舞を舞いました。
その方は、何と私が「道成寺」を披いた時に引き出物として引いた扇を使って舞って下さいました。
「道成寺」のような節目の曲を初演(披き)する時は、引き出物として扇を共演者や仲間内に配る習わしがあります。
私は、けっこう拘って作りました。
採算は度外視して、豪華な扇になってしまいました。
そうやって作って配った扇が、ふとした折で使われているのを見ると、とても嬉しく思います。
能「玉井」では、アイ狂言が短い舞を舞います。
その狂言方が舞っている扇を見ると、またもや私が「道成寺」の時に作った扇だったのです。
そう言えば、今日のアイ狂言を演じていた方は、私の「道成寺」にも出演して下さっていました。
その時に配った扇を使って下さいました。
とても光栄に思います。
赤字となりつつも、拘って作って良かったと思います。
自分のオリジナルの柄の扇なんてそうそう作る機会などありません。
その扇が、図らずも同じ公演で2度も使われているのを見て、何となくニヤニヤしてしまいました。