2012年08月14日
能奉納「三輪」 御礼
深川八幡祭り 能奉納「三輪」 終了しました。
10日の宵宮、11日の町内神輿渡御、12日の連合神輿渡御と、大盛り上がりの深川八幡祭り。
神輿が終わって、身も心も温まってホッコリとした気分に浸っている深川っ子。
そんな温かい雰囲気のなか、8月14日に、「能奉納」をさせて頂きました。
当日は朝から雨が続き、野外舞台で行うのは無理だなと思っていたら、午後から気持ちの良い天気となりました。
雨が降っていたおかげで、そんなに気温も上がらない中、気持ち良く富岡八幡宮境内の特設神楽殿で奉納させて頂きました。
(といっても、暑かったですけどね)
奉納行事に参加する人は、事前に必ずお祓いを受けます。
神社の本殿に正式参拝し、神主さんから祝詞を受け、身を清めます。
なんとも言えない静粛な気持ちで舞台に上がるのです。
最初に社中の方々の仕舞と連吟が行われます。
この時は、後ろに付いてハラハラドキドキ。
皆さん無事に終わったことを確認して、いよいよ能「三輪」です。
シテの三輪明神は、謡の中で「伊勢の神と同一体」と呼ばれています。
そのせいか、能ではとても位の高い女神として扱われます。
能界では、こんな言葉もあります。
「厄年の時は三輪をやると良い」
私は今年、数えの42歳。まさに本厄です。
先日、自宅能舞台に神棚を設置したのに続いての厄払いです。
御神前に、「三輪」の能を奉納するのですから、これ以上ない厄払いでしょう。
さて、今回は「三輪」の後半部分だけ演じました。
場所が狭いので、作り物も出しませんでした。
三輪には、作り物をご神木に見立てて、型を行う箇所があります。
その型は、富岡八幡宮本殿に向かってやってみました。
会場を取り囲む大勢のお客様の中、気持ち良く演じさせていただきました。
ご来場の皆さま、どうも有難うございました。
「芸能の原点は祭りにあり」
柳田国男のこの言葉は、私の大きなモチベーションです。
能の原始のスタイルで演じる、富岡八幡宮の例大祭での奉納という機会を大切にさせて頂きたいと思います。
今回、嬉しいことがありました。
客席にいた私の知り合いから聞いた話ですが、お客様の中で「能奉納、楽しみで毎年来てるんですよ」と言っていらした方がいたそうです。
全然見ず知らずの方からそう言われることは、たいへん勇気付けられます。
能奉納も4回目を迎え、徐々に定着してきたのかなあと、嬉しく思います。
いずれは、深川八幡祭りの風物詩として語られたいなあと思います。
この能奉納は、私の能活動の原点として、大事にしたいと思います。
kuwata_takashi at 22:30│Comments(0)│TrackBack(0)│