素謡「道成寺」地頭やりました

2011年11月12日

古稀に舞う

今日は、津村禮次郎師・杉澤陽子師の古稀を記念して、「古稀に舞う -ふたり会」という催しが行われました。

番組は、会主の二人が、能「羽衣」杉澤陽子 能「恋重荷」

狂言が、「箕被」山本東次郎
仕舞が、「老松」足立禮子 「砧之段」観世喜之 「実盛キリ」関根祥六

という豪華版。

会主の二人は、70歳とは思えない元気一杯の姿で能を舞っていました。

能とは、おおよそ10キロほどの能装束を身に着け、能面によって限られた視界で演じなければならない厳しい演劇です。
一番の能はだいたい1時間から2時間。その間能役者は集中力を切らすことなく、自分に対峙して能に取り組みます。

気力と体力の消耗する過酷な演劇です。

70歳でそれを演じ続けるお二人には心の底から感服いたします。

私は、70歳になった時、能を舞えているでしょうか?
うーん、どうも自信がありません。

ただ、今日の出演者をみると、
観世喜之師76歳、関根祥六師81歳、足立禮子師86歳、山本東次郎師74歳。。。。

みんな舞台で堂々と演じています。

今回初めてお舞台をご一緒させて頂いた、観世会の重鎮・関根祥六師の溌剌とした舞ぶりと、楽屋での威厳正しきたたずまいには圧倒されました。

凄いなあ。。。

楽屋で、ふとおっしゃいました。
「若い頃なんてねえ、80歳なんて、とんでもないおじいさんだと思っていた。
 でもねえ、自分が80になってみると、けっこう元気なんだよ」

これは名言です。


ともかく、能の芸の神髄を考えさせられました。

普通、古稀のお祝い会って、古来稀な年齢まで長生きした人の長寿を称える会のはずなのですが・・・

古稀の方が最年少の催しって、なんだか凄いですね。

古稀にして先人に教えを乞う。
まさに、世阿弥さんの言う「老後の初心」


kuwata_takashi at 23:57│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
素謡「道成寺」地頭やりました