「葛城」申合「茉莉会」五周年記念大会

2009年11月08日

「葛城」御礼

本日、九皐会にて「葛城」を無事に終えました。

御来場のみなさま、どうも有難うございました。

初めて演じます蔓物の能は、一言で言うと、「楽しかった」です。
蔓物、とりわけ序之舞は時間がゆっくりと流れるので、自分を客観的に見やすいです。
世阿弥が言うところの、離見の見ですね。
何だか、舞っている自分のことがよく見えた気がします。

ただ「葛城」という能は、いわゆる蔓物の中ではかなり異質な能です。
普通、蔓物のシテは美女というか、美しい存在として描かれていますが、この葛城の女神は、容姿が醜いことを恥ずかしがっているというとっても人間的な神様なのです。

能というものは、とにかく美しさにこだわります。
どんな、卑しい身分の人物でも、演技に美がないと能は成り立ちません。

だから、葛城の神も、容姿が醜くても、美しく演じなければなりません。

今日は、前場は少し影のある女として暗く演じましたが、後場は女神らしく華やかに舞ってみました。
師匠から勧められた能面が、まさにそういう顔をしていました。

その能面をみて、「葛城」の方向性が定まったように思います。


やっとひと段落です。今年のシテはもうお終いです。

来週は、私の素人会が五周年記念大会ということで、矢来能楽堂にて華々しく行われます。

私の社中として初めて、舞囃子や、習物の素謡など出ます。

さあ、今週は最後の追い込み稽古です。


at 22:28│
「葛城」申合「茉莉会」五周年記念大会