「道成寺」回顧(3)頭がパンク

2009年05月19日

文楽

今日は、文楽を見に行きました。
演目は「寿式三番叟」「伊勢音頭恋寝刃」「日高川入相花王」

「寿式三番叟」は能の「翁」から、「日高川入相花王」は能「道成寺」からとった演目です。

とりわけ、「道成寺」を演じた余韻が残っているうちに、「日高川入相花王」は何としても見たいと思い、スケジュールを調整して見に行きました。


期待していた「寿式三番叟」「日高川入相花王」はもちろん面白かったが、この日一番堪能したのは、まったくどんな話か知らなかった「伊勢音頭恋寝刃」
でした。

やはり、能を題材にとっている文楽は、どうしても能との比較で見てしまう。
能楽師の私としては、文楽の良さは認めつつも、どうしても
「能の方が面白いよなあ・・・」
と思ってしまいます。

「伊勢音頭恋寝刃」のような世話物は、能と比較のしようがないので、純粋に楽しめます。

それに、やはり文楽の醍醐味は、世話物にあると思います。

数々の役を一人の大夫で語り分ける義太夫の面白さは、世話物で一番発揮されるでしょう。

今日の「伊勢・・」を語った太夫は、人間国宝・竹本住大夫師。
義太夫の至宝です。

その他、人形にも吉田文雀師・吉田蓑助師と、人間国宝が勢ぞろい。
凄い舞台でした。

竹本住大夫師は、今日もBS放送で特集されていましたが、よくマスコミにも登場する有名な方ですが、今年でなんと85歳。

衰えを感じさせない語りはさすがです。
あのリズムの良い語り口と、のびやかな発声は、大いに参考になります。

楽しいひとときでした。


at 23:50│
「道成寺」回顧(3)頭がパンク