ぽけかる倶楽部悲鳴を上げる腰

2008年04月04日

深川能舞台 建築記(6) 建築確認申請

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引っ越して今日で10日になりますが、未だ全く片付いていません。
ダンボールの山に囲まれて寝ています。
いつ片付くのでしょうか。

昨日お稽古に行った葛西のお稽古場・源心庵の桜がとてもキレイてした。
癒されたので、画像を載せておきます。
携帯のカメラでは上手く撮れません。


さて、久々の建築記です。

去年の4月に初めて建築士さんと会った時、最初にこうお願いしました。
「何としても年内には入居したいです」

理由は、まず第一に年明けからシンガポールの演劇学校に能の指導に行く予定だったからです。
月の半分はシンガポールですので、日本滞在中は予定でギッシリ。
何としても、シンガポールの能のクラスが始まる前に入居したいと希望しました。

また、年内入居と年明け入居では、住宅ローン控除額が40万円も違うというのも大きな理由です。
世間様が忙しい年末は、能楽師は一年で一番ヒマな時期であるのも都合が良かったです。


そんなこんなで、年内入居を強く要望しました。
建築士さんは、年内入居は充分可能と言いました。
だいたい、着工すれば4ヶ月で竣工だから、8月下旬に着工すれば大丈夫だそうです。

建物を建てるためには、建築確認申請が必要です。
その申請は、作成に2週間、提出して認可が下りるまで、10日から2週間かかるそうなので、6月中に建築プランと施工業者を決めましょう。


逆算して、日程を定めました。
年内入居のためには、3ヶ月で全て決めなければなりません。
住宅雑誌などを買い込んで、大急ぎでプラン作りです。
忙しい作業ですので大変でしたが、自分の思っていた家に対するイメージが、徐々に形となっていく過程は楽しいものでした。


予定通り、7月半ばには建築確認申請が提出出来ました。
確認申請が下りれば、さあ着工というところで、大きな誤算が起こります。


あの姉歯事件の影響で、6月20日から建築基準法が大幅に変わったのです。
それに伴い、建築確認申請の方法も大きく変わりました。

まあ建築基準法改正自体は、より安全な家が建つのですから、むしろ望ましい事です。
問題なのは、法律が変わったのに、確認申請を受け取る側の審査のガイドラインが示されていなかった事です。

つまり、どうすれば新建築基準法に合った書式で確認申請を提出出来るのか、全く不明だったそうです。

あまりに無責任なことです。法律を変えるだけ変えておいて、新しい法律の運営方針を示してないのですから。

昨年の7月から9月位は、住宅着工数が前年比4割以上の落ち込みだったようです。
当たり前です。確認申請が全く下りないのですから。

着工出来る住宅は、建築確認の構造計算の必要のない木造二階建てのみです。

私が頼んでいた申請事務所では、7月から9月まで三階建ての住宅で下りた申請はついにゼロだったそうです。
8月までは、ついに申請書を受け取ってすらくれませんでした。
6月20日以降、全ての申請機関の手続きがストップしてしまったので、どの申請事務所にも、提出すら出来ない書類が山積みされております。
新しい書類を受け取る余裕はありません。

申請事務所としては倒産の危機だったようです。

かくして、日本中の住宅業界で大騒ぎとなります。
3ヶ月間着工ゼロなんて会社の話もちらほらと聞こえてきます。
国民のほとんどには関係のないことなので、あまり騒がれませんでしたが、はっきり言って、とんでもない失政です。

結局、私の家の確認申請が下りたのは、10月下旬です。
これで年内入居は絶望的。

それによって被った経済的損失は甚大なものです。
精神的にも、疲れ果てました。

全国に、そんな人は山ほどいます。

どう責任とってくれるのか。
未だに腹立たしく思います。


着工は11月上旬にずれ込み、竣工予定は3月中旬。


結果的に、シンガポール行きが一年延期になって、本当に助かりました。
当初の予定では、明日までシンガポールに行っていることになっていました。
まだ、引っ越しも出来ていなかったと思います。

まあ、それは幸いでした。


at 19:37│

この記事へのコメント

1. Posted by さくら川   2008年04月05日 00:47
山あり谷あり、まだまだ面白い建築記。
落成の記事まで楽しみは続く・・・。
2. Posted by クワタ   2008年04月11日 20:41
さくら川さま
毎回、楽しみにお待ちいただいているようで、有難うございます。
ここのところ、忙しくてなかなか続きが書けません。しばらくお待ちください。
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