高齢化社会道成寺

2006年04月26日

鐘後見

今日は、九皐会別会の申合。
番組は「安宅」と「道成寺」という、現行曲の中でも1、2を争うスペクタクル溢れる番組が揃いました。正に、盆と正月が一緒に来たかのような騒ぎです。楽屋はもう、てんてこ舞い。

チケットは、なんと売り出し開始2日で売り切れてしまいました。

私は、「安宅」の地謡と「道成寺」の鐘後見。
鐘後見はたいへん緊張する役です。

「道成寺」は能楽師の卒業試験とも言われる曲です。これを演じて初めて能楽師は一人前と認められます。
見どころは、何と言っても舞台に吊り下げられた鐘が落ちる中に、猛然と飛び入っていく鐘入りのシーン。
鐘の重さは60kgから80kgはあるといいます。一歩間違えれば演者の命すら危ない、たいへん緊迫するシーンです。
その鐘の上げ下げを執り行うのが、鐘後見です。
いわば、シテの命を預かる大切な役です。

鐘の扱いに関しては秘事口伝が多く、多くは語れませんが、その重圧は推して知るべしでしょう。
鐘後見5人が息を合わせて、鐘を扱います。誰か一人でも何らかの失敗をすると、鐘は正常には動きません。
全く気の抜けない重圧がのしかかります。
鐘後見は能のほとんどの時間は座っているだけで、謡は一言も発しません。ただ、たいへん疲れます。終わった後は、グッタリです。

重い物を持ち上げるので、重労働なのですが、能舞台の上で汗かいて踏ん張る訳にいきません。
あくまで、涼しい顔をして、舞台の雰囲気を壊さないように何気なく振舞います。
何気なくやるのが、また難しいんですよ。


能は一人では出来ない芸能と言われますが、それを一番思い知るのは「道成寺」ではないでしょうか。

心して、鐘後見を勤めたいと思います。


at 23:18│

この記事へのコメント

1. Posted by エリザ   2006年04月27日 22:59
「鐘後見」ですか・・・う~ん、大変そうですね{力こぶ}
5人の呼吸とタイミングを合わせるために日夜頑張るくわたかさんの姿が
目に浮かぶようです{キラキラ}
でもチケットがたった2日で完売とは嬉しいですね{音符}
現代人が、いかに日本の和の心を取り入れたいと思っているかということが
反映されていると思いました{ドキドキ大}
ひとりでも多くの方に美しい日本の文化を味わって頂けるように
わたしも応援しております{笑い}
よろしければまた上演後のご報告をお願い致します。
頑張ってください{笑顔}
2. Posted by クワタ   2006年04月29日 21:00
エリザさま
いよいよ明日です。上手くいくように、集中して取り組みたいと思います。
「安宅」「道成寺」ですから、楽屋内はとにかく大変なことになりそうです。
3. Posted by エリザ   2006年04月30日 23:16
こんばんは{月}
今日はお疲れ様でした{笑い}
今頃は打ち上げでしょうか{乾杯}
「安宅」と「道成寺」、いかがでしたか?
鐘後見のタイミング、うまくいきましたか?
是非是非感想をお聞かせください{手紙}
エリザ
高齢化社会道成寺