芸者シンガポール第二便 1

2006年02月13日

采女の女

昨日は九皐会でした。私は「采女」の地謡でした。

「采女」は、本来は2時間位かかる曲なのですが、よく今回のように「美奈保之伝」という小書(特殊演出)がついて短く整理して演じられます。
その分、序の舞の型や寸法を変え、じっくり見せます。


私は結構この曲好きです。クセなど名調子で、謡っていて楽しめます。

でも「采女」は決して人気曲とは言えません。
なんでなのでしょう。


私が思うに、シテの「采女の女」が何だか分からないからじゃないでしょうか。
だいたい能のシテって、葛物を見ても、「野宮」の六条御息所や「千手」の千手の前など、源氏物語や平家物語に出てくる有名人がほとんどです。
そんな中、この曲のシテは名前さえついていない、巷の女性です。
そのへんが影響しているのですかねえ。
でも、名曲です。オススメします。


ところで、今日からまたシンガポールへ旅立ちます。
学生たちが、ひと月たってスッカリ忘れてしまってないか心配です。


at 13:57│
芸者シンガポール第二便 1