2025年11月
2025年11月27日
緑泉会定例会「楊貴妃」


12月6日(土)に能「楊貴妃」を演じます。この能の見どころを紹介致します。
能「楊貴妃」は世界三大美女の一人とも言われる絶世の美女・楊貴妃がシテです。能の中でも格別の気品と美しさが漂う能です。
この能は、楊貴妃の死後の物語です。寵愛する楊貴妃をなくして嘆き悲しむ玄宗皇帝の命を受け、方士という超能力者は冥界の楊貴妃に会いに行きます。蓬莱宮という美しい世界で出会った楊貴妃は、まさにこの世の者とは思えない美しさです。(実際にこの世にいないのですが)
「天にあらば願わくは比翼の鳥(翼を並べて離れずに飛ぶ鳥)とならん。地にあらば願わくは連理の枝(同じ木にて並んで立つ枝)とならん」
この漢詩は、楊貴妃と玄宗皇帝が七夕の夜に交わした愛の言葉です。この情熱的な言葉は白楽天の長恨歌に紹介され、日本でも有名であったようです。源氏物語などにも記述があります。能「楊貴妃」では、この言葉が美しく引用され、二人の大切な思い出として語られます。そして冥界にて天女となった楊貴妃は、昔を懐旧して天上界の舞楽を舞います。
究極の恋愛哀愁を描く名作と言われます。宝玉のような美文に飾られた詞章にそって舞われる絢爛なる舞が見どころです。
現行曲のうち、高貴な身分の女性を扱ったものとして「楊貴妃」「定家」(シテは式子内親王)「大原御幸」(シテは建礼門院)の三曲を「三婦人」として別格に扱っています。私は初めて三婦人物に挑みます。
三婦人物を演じるためには、高度な技術と経験が必要と言われます。美しい能「楊貴妃」の世界を作り上げるべく、精緻に演じたいと思います。
この公演では能「楊貴妃」の他、能「邯鄲」(新井麻衣子)、狂言「呼声」(大蔵教義)、仕舞と、盛りだくさんな内容となっております。
能「邯鄲」は、楊貴妃と同じく中国を舞台とした幻想的な曲趣です。ダイナミックな場面展開が見どころです。
深川能舞台 公式WEB