2025年01月
2025年01月31日
2025シンガポール第1便 3
シンガポールの演劇学校「Intercultural
Theatre Institute」の稽古も順調に進んでいます。
今回の学生の最年少は、18歳です。
私が初めてシンガポールに来て、この学校の1期生を指導した2002年には、まだ生まれていません。
他の学生たちも、2002年には小さな子供だったそうです。
改めて、この学校との付き合いの長さに驚きます。
3週間の稽古で、何と「鶴亀」「紅葉狩」「羽衣」「屋島」「邯鄲」「竹生島」と、6曲仕上がりました。これは今までにないくらいハイペースです。
今回の能クラスは13人しかいないので、細かく指導できます。その成果が徐々に出てきているようです。
お稽古は、非常にスムーズに進んでいます。
学生たちは、役者や役者の卵たちなので、やはり身体能力や表現力が抜群です。稽古すればすぐに吸収してくれます。
学生たちの動きに、ハッとすることもあります。
「こう指導すれば、効果的だな」と、気づくこともたくさんあります。
私にとっても、かけがえのない経験となっています。
2025年01月29日
2025シンガポール第1便 2

シンガポールに来て3日目、もうすっかりこちらの気候にも慣れました。
よくシンガポールに行くと言うと、「暖かいところで良いですね」と言われます。
とんでもない、赤道直下のシンガポールは、常夏です。連日30度超えです。
ただ、最高気温はせいぜい31~32度くらい。東京の夏の様に35度を超えたりしません。
特に今は、雨季なので毎日雨が降ります。その分、あまり気温も上がらないので過ごしやすいです。
まあ、毎日雨ばっかり降っているので観光には向かない季節かもしれませんが、学校のスタジオで能の稽古をする分には、快適です。
今日は、旧正月。こちらではチャイニーズ・ニューイヤーと呼ばれます。
シンガポールは、多民族国家ですが、中華系が7割以上を占めています。やはり中国の影響が色濃くあります。
旧正月は、派手にお祝いします。
学校も今日はお休みなので、のんびりしました。
街に出ると、いたるところに正月飾りが施されています。
門松やしめ縄など、シンプルな正月飾りの日本と違って、中華系の正月飾りはとにかく派手です。
店の前には、必ずこのような一対の飾りがあります。たぶん、門松のようなものなのでしょう。
ブランド品も、干支の蛇の飾りつけです。
駅の自動改札も、この通り。
そして、赤い服を必ず着ます。
何でも、赤は鬼や悪魔が嫌う色という言い伝えがあるそうです。
だから、魔よけのため、飾りつけも、正月衣装も、赤が基調です。その分派手になっています。
いつも食事をするホーカーズ(屋台)は全て閉まっています。
まあ、日本でも正月はお店は閉まりますね。
日本で正月をゆっくり過ごし、ようやく正月気分も抜けてきたかと思いきや、またシンガポールで正月気分に浸っています。
2025年01月27日
2025シンガポール第1便 1

今年もシンガポールにやって来ました。
シンガポールの演劇学校「Intercultural
Theatre Institute」での能の指導が始まりました。
この学校は、シンガポールの著名な演出家である、故クオ・パオ・クンが設立した演劇学校です。アジア人によるアジア独自の演劇を作り上げることを標榜しています。
そのために学生たちは、日本の「能」、中国の「京劇」、インドネシアの「ワーヤンオン」、インドの「クーリヤッタム」の4つのアジアの古典演劇をそれぞれ3か月のコースで学びます。
アジア人が古代から大切にしてきた、表現方法や身体技法、また発声方法など学んで、それぞれの役者としての表現に生かしていくという、世界的にも珍しいコンセプトを持った演劇学校です。
その一環として、朝8時から太極拳まで習います。
この学校に最初に訪れたのは2002年。この時に1期生を教えて以来、23年が過ぎました。ほとんどライフワークになっています。
今回指導するのは、17期生と18期生。本当に歴史を感じます。
1月から3月までの3か月の能コース。既に主任講師の観世喜正師が2週間指導に当たっています。
私は、まず今週から3週間滞在して能の指導に当たります。
前回の2023年は、まだまだコロナの影響が残っていたので、いろいろイレギュラーなこともあり大変でしたが、今回はほとんど何も規制がありません。
今回指導する学生は、シンガポール1人、インド5人、マカオ1人、台湾1人、フィリピン1人、中国1人、そしてオーストラリアの演劇学校からの留学生3人です。
シンガポールの学校なのに、シンガポール人が1人しかいません。
7か国13人の学生たちによって、どのようなドラマが待っているでしょうか。
随時、この日記でも触れていきたいと思います。
2025年01月09日
深川江戸資料館「新春能楽初め」

毎年恒例の、深川江戸資料館での「新春能楽初め」です。
ミシュランで1つ星を獲得した深川江戸資料館の中の展示スペース内の、火の見櫓の前の特設舞台にて、新年にちなんだ謡と仕舞の紹介をいたします。
去年は、大河ドラマ「光る君へ」の影響で平安時代がブームでした。
今年の大河ドラマ「べらぼう」は江戸時代の江戸の街が舞台です。江戸時代ブームが来るかもしれません。
深川江戸資料館は、文字通り江戸時代の深川の街並みを再現した展示が圧巻です。
その展示の真ん中で能の謡と仕舞をご覧いただきます。
江戸時代にタイムスリップしたかのような、優雅な気分が味わえることと思います。
入館料(大人400円)のみで、ご覧いただけます。
ぜひお運びください。