2024年05月
2024年05月27日
深川能舞台チャンネル 「融」見どころ紹介
6月30日に開催する主催公演「桑田貴志 能まつり」で演じる「融 舞返之伝」の見どころを紹介しています。
一年ぶりの動画編集に、相変わらず四苦八苦。
少しは慣れてきました。
能「融」の見どころを20分くらいの動画でまとめておりますので、6月30日に鑑賞する方はご覧いただければ幸いです。
2024年05月25日
桑田貴志 能まつり「融」
自身の芸の研鑚のため立ち上げた「桑田貴志 能まつり」
第14回公演は、能「融」に挑戦します。
この能は、美しく風流な平安貴族・源融(822~895年)を描いた能です。源融は、嵯峨天皇の皇子として生まれたのち、臣籍に下って源姓を賜り左大臣まで出世します。和歌や音楽に才能を発揮し、多くの女性と浮名を流したイケメン貴公子です。
そう紹介すると、「源氏物語」の光源氏のイメージと重なります。実際に、源融は光源氏のモデルの一人と謂われています。
百人一首の「みちのくの しのぶもぢずり誰ゆえに 乱れそめにし われならなくに」の作者・河原左大臣は、源融のことです。
陸奥按察使(むつあぜち)として東北地方に滞在していた時の経験をもとに詠んだ、恋の歌と謂われています。
源融は、自宅の六条河原の院に陸奥の景勝地・塩釜(今で言う日本三景・松島)の景色を模した大庭園を造り、在原行平・業平などの貴族の友人たちを招いて、毎夜酒を酌み交わして和歌や管弦・遊舞を楽しんだそうです。
光源氏が「少女」の巻で建てる大邸宅・六条の院は、この河原の院がモデルと謂われ、また「夕顔」の巻で夕顔上と密会する六条あたりの荒れた邸宅も、河原の院の荒れ果てた姿であると謂われています。平安時代の人は、「源氏物語」を読みながら光源氏に源融を重ねていたことでしょう。
平安時代に思いを寄せながら、イケメン貴公子がくりひろげる華麗な平安貴族の世界を、お楽しみいただければ幸いに存じます。
「舞返し」という名の通り、舞を二度舞います。
一度目は早舞をクツロギという緩急に富んだ遊興的な舞です。型も増え、動きに回転が何度も加わり躍動的に舞います。
一度目の舞の後、すぐさまテンポが速まり二度目の舞「急之舞」が始まります。
「急之舞」は世界一速い舞と謂われ、「道成寺」と「紅葉狩」にしかない特殊な舞です。
演者の技量が試される至難の舞ですので、しっかり稽古して臨みたいと思います。
仕舞は、観世喜之師の「駒之段」と観世喜正師の「雨之段」です。どちらも月に思いをはせる舞です。月光輝く下で舞を舞う「融」に合わせて、月光浴を感じられる曲をお願いしました。
狂言「吹取」は、大人気曲です。これも月夜と音楽に因んだ曲です。曲中で演者が実際に笛を吹くという珍しい狂言です。この難しい役を、多方面で活躍されている人気狂言師・野村萬斎師にお願いしました。萬斎師が笛を吹くシーンが見せ場になっています。どのような笛が吹かれるのか、お楽しみください。
お電話でのお申込みは、矢来能楽堂のみにて受け付けます。何とぞよろしくお願いいたします。
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