2024年02月

2024年02月18日

若竹能「大江山」 あと一週間

img20240217_18424156
img20240217_18450670


若竹能では、技芸向上のため毎年テーマを決め、メンバー一同で懸命に取り組んでおります。

今年のテーマは、「山光水色(さんこうすいしょく)」です。
日本人が古来より大切にしてきた「山の風景と海の風景」の美しさを現わす言葉です。
まず2月は、「山の風景」にちなんだ能をお楽しみいただきます。

私は今回、京都の北にある大江山を舞台にした能「大江山」に取り組みます。
この能は、単純明快な鬼退治物です。正義の味方・源頼光(らいこう)が仲間とともに、大江山に棲む酒吞童子(しゅてんどうじ)という鬼神をやっつける爽快な物語です。

源頼光は、昔からおとぎ話などで、数々の鬼を退治したという伝説を残すヒーローです。能の中にも「土蜘蛛」「大江山」「羅生門」などが、源頼光の鬼退治を扱っています。

源頼光(ワキ)は仲間(ワキツレ)を4人従えて、酒呑童子(シテ)の退治に大江山に赴きます。
前場では、源頼光たちは道に迷った山伏のふりをして酒吞童子の棲家に入り込みます。
本当の山伏であると思った酒吞童子は源頼光たちにお酒をふるまい、自ら舞を舞いやがて酔っぱらって寝てしまいます。

前場では、山伏のふりをする源頼光とそれを疑わずおもてなしをする酒吞童子の言葉のやりとり、また酒呑童子の酒に酔いながら舞う舞が見どころです。

後場では、酔っぱらって鬼神の本性を現した酒呑童子と源頼光たちとの激しい戦いが見どころです。
源頼光は仲間を4人引き連れ5人で酒呑童子に立ち向かいます。
太刀を抜いて猛然と斬りかかる源頼光たちに、酒吞童子はあえなく倒されてしまします。後場の迫力満点の戦いをお楽しみください。

ワキ方が大活躍する能「大江山」。 
今回のワキは福王流の若宗家福王和幸師にお願いしました。長身で運動神経の良い福王和幸師は、頼光の役が良く似合います。
ワキツレも大事な役であるので、大阪から弟の福王知登師をお招きしました。福王兄弟との共演は、私自身とても楽しみにしています。

公演まで、あと一週間となりました。
しっかり稽古して万全に臨みたいと思います。


正面席は、おかげさまで完売となりましたが、脇正面席と中正面席は、まだ少し残席ございます。
是非ともお運びください。


kuwata_takashi at 20:04|PermalinkComments(0)