2023年12月

2023年12月31日

御礼 2023年

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2023年も大晦日を迎えました。
今年の年越しは、香港で迎えます。

写真は、百万ドルの夜景と言われる香港の夜景です。ビクトリア・ピーク(太平山頂)からみたビクトリア湾です。左上のビルに「GOODBY  2023」のライトアップが見えます。


今年もいろいろなことがありました。

2月と3月は、4年ぶりにシンガポールの演劇学校へ能の指導へ行きました。
久しぶりに会う、シンガポールの懐かしい風景と人々。良い経験をさせてもらいました。

長男は高校2年になり、次男も高校に入学しました。
2人とも、野球部で毎日汗を流しています。勉強もそれなりに頑張っているようです。

8月は、6年ぶりの深川八幡祭の本祭りでした。
能奉納も、4年ぶりに囃子方と地謡の先生を招いて通常通り開催出来ました。

10月には富士ロゼシアターで、11月には神谷舞台で、社中のおさらい会も開催することが出来ました。
去年の矢来能楽堂での茉莉会大会に続いて、久しぶりのおさらい会です。和気あいあいとした雰囲気で、とても良い発表会でした。


今年はお客様の前で5番の能を演じました。

6月17日 「松風」    桑田貴志 能まつり
8月14日 袴能「嵐山」  深川八幡祭 能奉納
9月18日 「絵馬」    緑泉会
11月21日 「羽衣」    文化庁巡回公演
12月10日 「玄象」   九皐会

11月10日に行った非公開のの稽古能「玄象」を含めると6番です。
これで、私が能楽師になって演じた能は通算151番となりました。
11月の文化庁巡回公演が、150番目の能でした。


香港にいると、年越しの気分ではありません。
ただ、15日間お世話になる演劇集団「流白之間」さんのスタッフさんたちが、私の歓迎会を開いてくださいました。

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明日から、ちょこちょこと香港での様子を書いていこうと思います。


kuwata_takashi at 23:30|PermalinkComments(0)

香港へ

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今年の年越しは、香港です。

今日大晦日から、明年1月14日まで香港にて能の指導をしてきます。

早朝の羽田空港はスムーズに出国手続出来ました。

どのようになるか、随時この日記で紹介しく予定です。


kuwata_takashi at 08:26|PermalinkComments(0)

2023年12月26日

仕事納め

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12月3日に、佐久間二郎さん主催の会で、国立能楽堂に行きました。
神宮外苑のイチョウ並木が綺麗だったので、思わずパシャリ。


今日は、今年の仕事納めでした。
今年は例年より少し早く、26日の沼津のお稽古が最後の仕事でした。

沼津の稽古場から見える庭の紅葉もなかなか素敵です。

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神宮外苑も、沼津稽古場も今ではすっかり葉が落ちて冬の装いとなってきました。

例年だと年末年始は、大掃除とたまった事務仕事をしながらも、家族とゆっくり過ごすのですが今年は違います。

12月31日から明年1月14日まで、香港に行ってきます。

私は、シンガポールの演劇学校に20年以上も能の指導に行っております。
その学校の第1期生のAndyという生徒の関係の人から、香港でもシンガポールのように能の指導をしてほしいと頼まれました。

本来は2021年に行く予定でしたが、コロナ禍により3年の延期を経て、この度ようやく実現することになりました。

さあたいへん。
30日までに、大掃除と事務仕事を片付けなければなりません。


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2023年12月10日

「玄象」御礼

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観世九皐会「玄象」、無事に終わりました。
今年最後のシテの舞台です。なかなか楽しめた舞台でした。

この能の後シテは村上天皇です。観世流の現行曲で、実在の天皇陛下をシテとする能は「玄象」だけです。
琵琶の名手として名高い村上天皇を演じるなんて、何とも恐れ多い気分です。

この能で、村上天皇はさすが実在の天皇陛下らしく、人間を超えた存在として扱われます。
村上天皇が海に向かって「いかに下界の龍神確かに聞け。獅子丸持参仕れ」と命令すると、龍神が獅子丸という琵琶の名器を携えて颯爽と現れ、藤原師長へ琵琶を授けると、勢いよく帰っていきます。

自分の一声で、海中から龍神が飛んでくるのを床几にかけて悠然と見送るシーンなど、たいそう気持ちの良い場面でした。

前シテは、村上天皇の化身である老人です。気品をもって謡い、所作をしなければなりません。

田子という天秤型の桶を持って現れますが、この桶の扱いがとても難しいのです。

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最初はこの格好から、


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この様に持ち替え、

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この様に桶を倒して海水をすくう型をします。
結構複雑な所作です。これを能面をつけてほぼ見えないまま持ち替えて型を決めます。
想像以上に難しい場面ですが、首尾よく出来ました。

また、前シテは琵琶をひく場面があります。
扇を開いて左手で持つだけで、琵琶をひいているように見せます。
能らしい演出だなあと思います。

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後場は、舞の名手でもある村上天皇が華やかなイケメン貴公子として登場します。

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優雅にエレガントに舞います。

この日のもう一番の能は「江口」でした。
「江口」で舞う序之舞と、「玄象」で舞う早舞は、型や動きがほぼ一緒です。
こういう場合、早舞の方を替の型でやることがあります。

今回、特別にお願いして替の型でさせていただきました。

替の型では、回転が増え、型も多くなります。舞に自信がない人は舞ってはいけないことになっています。
決して舞に自信があるわけではありませんが、替の型で舞うのは楽しいものです。

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早舞の最後の方で、両袖をキリリとはね上げるところなど、結構いい気分です。

琵琶と舞の名手と名高い、イケメン貴公子の村上天皇。
こんな美味しい役を演じられるのも、能の醍醐味です。


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2023年12月09日

九皐会「玄象」

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いよいよ明日、九皐会にて能「玄象」を演じます。
この日記に書くのが前日になってしまいました。

それくらいこの秋は怒涛の忙しさでした。

前日となった今日は、休息のため仕事をいれておりません。昨日申合も終え、精神的に少し落ち着きました。

「玄象」は、準九番習の大曲です。構成も複雑で演じにくい能です。
シテは村上天皇という、実在した天皇陛下です。そのことだけでもこの能の難しさが思い知らされます。

あすは、開き直って舞台を楽しみたいと思っています。

今年の九皐会のトリを務めます。さあ、頑張るぞ。


kuwata_takashi at 09:31|PermalinkComments(0)