2023年02月

2023年02月26日

東京にて

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日本に3日間の滞在です。

寒いのが苦手な私は、この寒さに嫌気がさしています。
でも、よいことも見つけました。

寒さにふるえる中、暖かい布団に潜りこんだ時のぬくもり。
こんなに幸せな瞬間はありません。

この感覚は、常夏のシンガポールでは味わえないものです。


今回の帰国2日前に、お世話になった方の訃報を受けました。
タイミングよく、告別式に参列することが出来ました。


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2023年02月22日

2023シンガポール第1便 6

シンガポールに来て10日たちました。
日曜日は学校がお休みでしたので、9日間稽古しました。

かなり上達してきました。

若い役者志望の学生なので、やはり抜群にセンスが良い。
それに、今回は色んなことを既に学んで技術の高い3年生と卒業生も稽古に参加しています。
例年のように1.2年生だけより、レベルが相対的に上がっています。


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能面を着けて、能「邯鄲」の稽古を始めています。
なかなか様になっています。

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能面の狭い視界にも徐々に慣れてきたようです。


そんな中ではありますが、私は明日に一度日本に戻ります。

といっても日本に滞在はわずか3日。すぐシンガポールに行きます(帰ります?)。
25日(土)は国立能楽堂主催の若手能「杜若」に出演し、26日(日)は九皐会若竹能「野宮」「葵上」に出演します。
そしてその申合が、金曜日にまとめてあります。申合を含めると、3日間の間に6つの能に参加して日曜日の夜にまた出発です。
今度はシンガポールに3週間滞在します。

つかの間の日本で、英気を養いたいと思います。


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2023年02月18日

2023シンガポール第1便 5

昨日の日記では、学生たちと飲んで良いものか悩んでいると書きました。

学生たちは、どうも先輩から、「能の先生は、稽古が終わると、Tiger Timeと言って楽しくビールを飲むらしい」という情報を聞いているようで、しきりに「先生、Tiger Timeはいつやるの?」と聞いてきます。

飲むといっても、どうせ風通しの良い学校の中庭で飲むんだし、あまり気にしない方がよいかな。

そう思った私は、初めての週末の稽古の後、Tiger Timeを開きました。

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学生たちは、待ちに待ったという表情で嬉しそうです。
私も、学生たちといろいろ会話が出来ました。

稽古では見れない学生の素顔が見れて、楽しかったです。


ビールがすすむと、Tiger Timeいつも通りの盛り上がりをみせます。

突然、ギターを弾いて歌を歌う者もいます。

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そのうち、オーストラリアの縦笛とアフリカのドラムも登場して、何やら不思議な音楽会が始まりました。

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こういう集まり、楽しいですね。
これからもちょいちょい開きたいと思います。

飲食は基本的に野外でおこなうシンガポールの風習は、感染症対策には良いことです。



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2023年02月17日

2023シンガポール第1便 4

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先日の日記に書きましたが、2月13日より、シンガポールでは新型コロナウイルスの規制は全て解除されました。

先週までは、電車やバスなど公共交通機関に乗るときはマスクが必要でしたが、今は必要ありません。
街中では、マスクをしている人は少数です。

私がコロナの話をすると、「たいへんだったよなあ」などと、過去形で語ります。
シンガポールでは、コロナはもう過去のものという認識のようです。

日本で読んだ新聞記事によると、シンガポールではすでに9割の人がコロナに感染しているので、集団免疫が出来ているそうです。
まだ4分の1の人しか感染していない日本と、大きく違うのはその点です。

もっとも、シンガポールでも今でも日に数百人は感染者が出ているそうです。
東京23区ほどの広さに570万人が住んでいるシンガポールという国の規模を考えると、そんなに少ない感染者ではありません。

しかし、土地も資源もないこの国は、外国から人とモノとカネを集めなければ立ち行かないのでしょう。シンガポールでは、完全にウィズ・コロナの方向に舵をきっています。

シンガポールでも、去年の夏までは世界有数の厳しい規制が引かれていたそうです。
ロックダウンされ、街には人通りが消えたそうです。

そんな国が、半年後はこんな風になっています。
日本も、そのうちこのようになっていくのでしょう。


そんなシンガポールにいると、コロナのことはつい忘れてしまいます。
街に食事に行くときは、マスクはせずに外出します。
基本的に食事は一人だから、誰とも会話しません。食事はホーカーズという野外の屋台村で食べますので、風通しもよく、換気はばっちりです。確かにマスクをする必要性は感じません。

マスクなしで外出すると、最初は何だか罪悪感を感じましたが、すっかり慣れました。

稽古中は、最初はマスクしていました。しかし、だんだんしないことも多くなってきました。
なにせ、学生は誰もマスクをしていません。

謡を謡うときはマスクをしますが、仕舞などで動くときは外すことも多いです。
連日30度を超える真夏のシンガポールですので、暑苦しいのです。

ふと思います。学生は誰もマスクをしていません。
くっついて大声出して謡っています。
休憩中は、学生らしく密になってじゃれあっています。
私を含め、誰も体調悪い人はいません。
学生も私も、全員3回以上ワクチンを接種しています。(先週までは3回のワクチン接種証明がシンガポール入国のためには必要であった)

私は何のために、誰のためにマスクをしているのだろう。。。。


多民族国家で、多様性を重んじるシンガポールですから、日本のような同調圧力はあまりありません。
マスクをしていても、奇異の目で見られることはありません。
中には、自分の意志でマスク着用を通している人もいます。


そんな中、困ったのは学生たちと食事をすることです。

今まで、Tiger Timeと言って、稽古の後に学生たちとよく飲んでいました。
Tiger Timeでは、シンガポールのローカルビールであるTiger ビールをたらふく飲んで大騒ぎをします。

シンガポールに来て5日経ちますが、まだ一度も学生たちと飲んでいません。
「コロナ禍の状況で、多人数での飲食は控えた方がよいのかなあ」

ついそんな気持ちになってしまいます。


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2023年02月16日

2023シンガポール第1便 3

私が教えにいっているシンガポールの演劇学校「Intercultural Theatre Institute」は、とても特殊な学校です。

生徒は、アジア各国(たまにヨーロッパや南米)から集まってきた役者か役者の卵。
創始者は、故クオ・パオ・クンというカリスマ的演劇人です。

演劇学校なので当然、演技や発声の授業もあります。
音響や照明などのテクニカルな授業もあります。
それぞれ、シンガポールや海外から招いた講師陣が指導しています。

それだけだと、普通の演劇学校と同じです。特徴は他にあります。

この学校の大きなコンセプトは、アジアの古典演劇を学ぶことによって、アジア人の独自の演劇を創造することです。
そのために、必修科目として日本の「能」・中国の「京劇」・インドの「クーリヤッタム」・インドネシアの「ワーヤン・オン」を学びます。

アジア人が古代から大切にしてきた、表現方法や身体の使い方、また発声方法など学んで、それぞれの役者としての表現に生かしていくというのが最大の特徴です。
その一環として、彼らは朝8時から太極拳まで習っています。

これまで、様々な学生を指導してきました。
最初にこの学校を訪れて第1期生を教えたのは、2002年です。
それ以来23年。今回教えるのは13期生から16期生までの4学年です。


私が訪問するより前に、喜正先生が1月中旬から3週間以上滞在して、基礎をみっちり指導しています。
入れ替わりで私が、お稽古を2月中旬から引き継ぎました。

もう基礎は出来上がっているので、3月中旬に行う発表会に向けて実践稽古を積んでいます。

もう着物も自分たちで着れます。

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能面を着けてのお稽古も進んでいます。

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能「紅葉狩」で6人が三角形に並ぶところなんかも、こんなにきれいに立ち並びます。

窓から見えるヤシの木が、南国風情があって良いですね。

この後も、お稽古状況をちょくちょくお知らせします。



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