2023年01月
2023年01月22日
喜多能楽堂 改修工事
1月22日、緑泉会の定期公演でした。
緑泉会でいつも会場としてお世話になっております喜多能楽堂は、この春から改修工事となるためしばらく使用出来なくなります。
この能楽堂には色々の思い出が詰まっています。
お客様の前で初めてシテに準ずる役として「小袖曾我」の五郎をさせていただいたのもこの能楽堂でした。
その後、「高砂」で緑泉会の初シテが2006年。以来、毎年色んな能を演じました。
思い出深い能楽堂です。
再オープンを楽しみにしています。
次回の緑泉会は、4月2日(日)です。
しばらくは会場を矢来能楽堂に移して開催いたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。
kuwata_takashi at 23:00|Permalink│Comments(0)│
2023年01月08日
「翁」 四回目の千歳
1月8日は、観世九皐会の初会。
毎年恒例の「翁」の上演があります。
「翁」は、能にして能にあらずといわれます。ほかの演目とは違い別格の扱いです。
昔は、一座の太夫や長老しか演じることはありませんでした。
内容は、ストーリーのようなものはなく、祝祭の儀式といった感じです。
主に、正月や特別なお祝い事の時に上演されます。
「翁」の上演の前には、出演者は精進潔斎をし、楽屋には「翁飾り」という神棚がしつらえられます。
何とも言えない独特の神聖な雰囲気に満ちております。
今年の初会の「翁」を勤めたのは、小島英明師。今回は披き(初演)です。
「翁」の露払い役として「千歳」という役があります。
天下泰平・国土安穏・五穀豊穣を祝うため重厚に老たけて演じられる「翁」に対して、「千歳」は、生命力の象徴としいて、若々しく颯爽と演じられます。
だいたい一座の若手が勤めます。
私は初めて「千歳」を演じたのは29歳の時でした。
入門以来、まず最初に「千歳」を演じるのが目標でした。
その目標がかなったのが、2001年の初会。
21世紀初の「翁」にて「千歳」を披きました。「翁」は永島忠侈師でした。
「千歳」は若手の登竜門と位置付けられ、喜之家では、だいたい内弟子を独立する頃に演じます。
2度目は観世喜之師と、3度目は長沼範夫師とさせていただきました。
ここまでは、30代のうちに演じました。
まだ若かったので、文字通り若々しく颯爽と演じたことを思い出します。
もう「千歳」をやる機会はないかと思っておりましたが、今回4度目の機会を得ました。
50歳を超えた肉体ですが、気持ちはまだまだ若いままです。
気持ちに任せて、躍動して舞いました。
我ながら、颯爽と動けたように思います。
「千歳」を4回もさせていただき、ありがたく思います。
職分家と言われる特別な家柄の能楽師でなければ、このように複数回させていただくことはありません。
喜之家門下の中でも、1度しか演じていない人もいます。
私は、たまたま機会に恵まれて4回、それも全て違う方の「翁」のお相手で演じさせていただきました。本当にうれしく思います。
今年の幕開けに、最高のスタートがきれました。
kuwata_takashi at 12:22|Permalink│Comments(0)│
2023年01月01日
謹賀新年 2023年
明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。
我が家の居間にも、ささやかな正月飾りをしつらえました。
気分は、すっかり正月モード。
今年も正月は自宅でゆっくりです。
外出は、元日に恒例となった深川七福神巡りをしたくらいです。
深川七福神巡りは、コロナ禍となって以来3年連続しておりますが、今年が一番混んでいました。
正月の華やぎが徐々に戻ってきているのを感じます。
今年は、下記の能を演じる予定です。
6月17日 「松風」 桑田貴志 能まつり
8月中旬 演目未定 深川八幡祭 能奉納
9月18日 「絵馬」 緑泉会
12月10日 「玄象」 九皐会
「松風」「玄象」は準九番習の大曲ですし、「絵馬」は八百万の神々の中で最も格式が高い天照大神を演じます。
難しい能ばかりに挑戦します。
また今年は2月3月と、4年ぶりにシンガポールの演劇学校で能を教える予定です。
久しぶりに懐かしい面々に会えることでしょう。
今年も張り切って頑張ります。
ところで、年末に我が家の玄関ポーチを、ピカピカに磨いたにも関わらず、正月早々鳥のフン害に会いました。
憤慨(フンガイ)するところですが、正月からウンがついたと喜ぶことにします。
kuwata_takashi at 20:37|Permalink│Comments(0)│