2020年10月

2020年10月18日

能「隅田川」オペラ「カーリュー・リヴァー」連続公演

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よこすか芸術劇場にて毎年行われている「よこすか能」
今年は、能「隅田川」とオペラ「カーリュー・リヴァー」の連続公演という豪華な企画でした。

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オペラの「カーリュー・リヴァー」は、20世紀イギリスを代表する作曲家であるベンジャミン・ブリテンが能の「隅田川」をもとに作ったオペラです。

そういう知識は持ち合わせていましたが、今まで「カーリュー・リヴァー」の方は観たことありませんでした。
そんな二作品が、一つの公演で連続公演とは、ワクワクします。

この企画は、よこすか薪能からよこすか能と、30年以上横須賀で能を主催している観世喜正師と、よこすか芸術劇場で2002年から「オペラ宅配便シリーズ」の企画・演出をしていらっしゃる声楽家・演出家の彌勒忠史さんが、たまたま市川海老蔵さんの「源氏物語」で共演したことから始まったそうです。


5階席まである、巨大な劇場であるよこすか芸術劇場ですが、この日は客席を半分に減らしての公演でした。チケットは即完売だったそうです。


私は、「隅田川」の地謡でした。
毎年伺っているおなじみの公演ですので、違和感なくしっかり勤めました。

さて、続いて上演される「カーリュー・リヴァー」を拝見しました。

いやあ、本当に「隅田川」と一緒です。
ベンジャミン・ブリテンは、よっぽど能「隅田川」にインスピレーションを感じたのでしょう。

「隅田川」に馴染んでいる私達には、このオペラはズシリと響きます。
この世界観を、ヨーロッパの作曲家がオペラで見事に再現していることに驚かされます。

素晴らしい公演でした。

この様に、他ジャンルとの公演は刺激になります。
素晴らしい企画ですね。
演者の私が堪能しました。


kuwata_takashi at 23:00|PermalinkComments(0)

2020年10月11日

九皐会 初地頭

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観世九皐会10月定例会、能「自然居士」にて地頭を致しました。

地頭とは地謡のリーダーであり、基本的にはグループで一番キャリアの高い者がつとめます。
観世九皐会とは、言うまでもなく観世喜之一門総出演の、一門では一番権威のある公演です。この公演で地頭をつとめる者は、九皐会の重鎮たちです。

私は今まで、「のうのう能」や「若竹能」などといった若手の錬成のための公演では地頭をつとめたことはありますが、九皐会の定例会では初めての地頭です。
大変光栄なことです。


地謡は本来は8人で編成されますので、後輩の少ない私が九皐会という一門の公式舞台で地頭をつとめることはなかなかないことです。

最近は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、地謡のメンバーの飛沫感染を防ぐため、地謡は一列で人数を少なくして、4人で構成されています。

それにより、最近の九皐会では若手の地頭登用がすすめられています。その流れで、私も地頭をさせていただく機会に恵まれました。


いやあ、地頭って、大変な責務です。
シテを演じるより、はるかに緊張します。
一曲の成否は、半分は地頭が握っていると言っても過言ではありません。

「自然居士」という曲は、そんなに上演が多い曲ではありません。構成も特殊で、お囃子との兼ね合いも難しいところが多くあります。

とにかく、「自然居士」を謡いこみました。

地謡を巧みに謡うのは無理ですが、一生懸命に誠実に謡うことは出来る。

そう思って、丁寧に謡いました。

当日は破綻もなく、何とかつとめ終えました。

シテの遠藤喜久師や師匠からも、それなりのねぎらいの言葉をいただき、ホッとしました。

実は、もっと一杯一杯になるかと思っていたのですが、案外余裕をもって謡っている自分に驚きました。

これが経験なのでしょうか。

もっと経験を積んで、良い地謡を謡えるようになれば、楽しいんだろうな、、、

そんなことを感じました。


kuwata_takashi at 20:00|PermalinkComments(0)