2020年03月
2020年03月24日
次男 小学校卒業式
次男の小学校卒業式がありました。
折からの休校要請により、2月28日以来の登校でした。
卒業を前に、小学校での最後の思い出をつくる大切な時期に、突然の休校となりました。休校の当初は、次男も学校のPTA会誌などをじっと眺めて、さすがに寂しそうにしていました。
最も、少し経つとウキウキで長い春休みを満喫していますが、、、
久しぶりの登校なので、卒業式はぶっつけ本番。
ある意味、緊張感あふれる卒業式でした。
在校生と来賓は無し、保護者は2名までと、規模を縮小して、コンパクトな卒業式ですが、さすがに込み上げるものがありました。
次男は、色々迷惑をかけることが多く、いわゆる問題児だったかも知れません。先生方には本当にお世話になりました。
小学校の隣の公園では、次男の卒業を祝うかの如く、桜がキレイに咲いていました。
2020年03月22日
子方卒業 ヒマな土日
この春、次男は小学校を卒業します。身体も大きく、声も低くなりました。
もう、完全に子方は卒業です。
長男も次男も、多くの能に子方で出演しました。
長男の初子方は3歳。観世喜之師の「鞍馬天狗」の花見の稚児でした。
以来、29回子方を演じました。
次男の初子方は7歳。津村禮次郎師の「鞍馬天狗」の花見の稚児でした。
以来、27回子方を演じました。
それ以外にも、私の社中の発表会が年に1~2回、夏の深川八幡祭能奉納、新年謡い初めなどで、仕舞・素謡・舞囃子などで多くの舞台をつとめました。
年子の長男と次男。彼らが小学校に入学するころから今まで、ひっきりなしに子供の舞台が続きました。
その間、常に子供の稽古に追われる日々でした。
平日は、私は様々な場所でお弟子さんのお稽古をしていますし、なにより子供たちも学校がありますので、稽古は必然的に土日になります。
土日は、能公演に行くことが多いのですが、公演はだいたい午後から始まります。
いつしか、土日の午前中は能の稽古をする日になりました。
この6∼7年は、どちらかが常に子方の役や、仕舞や素謡の役がありました。
だいたい2~3ヶ月前から稽古を始めますので、いつも2つ位の役を並行して稽古していました。
子供は急に体調を崩します。インフルエンザなど、学校でよくもらってきます。
どちらかが急な病気やケガなどで舞台に出られないときには、もう一人がすぐに代わることが出来るように、互いの稽古の時は、もう片方にも教えていました。
さいわい、二人とも能の稽古が大好きでした。嫌がったことはありません。
土日は、「お父さん、早く稽古しようよ」と急かされる日々でした。
2人に二つずつくらいの役を稽古すると、ヘトヘトになります。気が付くと2時間位ぶっ通しで稽古することもよくありました。
その後、急いで支度して能公演に出かける日々は、大変でした。
そんな週末が、6~7年位続きました。
自分の稽古以上に、常に子供の稽古を気に掛ける日々でした。
その慌ただしい日々は終わりました。
12月に次男の最後の子方である「富士太鼓」が終わって以来、土日の朝に稽古していません。
でも、週末の朝、コーヒー飲みながらゆっくりと新聞を読んでいると、なんだか落ち着きません。
思えば、あの大変だった稽古の日々は、また充実した日々でもありました。
私の友人に、親子でマラソンに取り組んでいる人がいます。
親子で一緒にトレーニングして、一緒にホノルルマラソンなども走っています。
ある時、その友人に言いました。
「親子で共通の趣味をもって一緒に取り組んでいるって、うらやましいなあ。こっちは土日忙しいから、子供と遊んだことすらほとんどないよ」
友人はあきれたように言いました。
「何言ってんだ、お前の方こそうらやましいよ。親子で一緒の舞台に立つって、なかなかないぞ」
「でも、私のは仕事だから」
「親子で同じ仕事するって、凄いじゃん」
なるほどね。そう言えばそうですね。
そう思うと、親子で舞台に向けて稽古した日々はかけがえのない時間だったのでしょうね。
後からシミジミ思うのでしょうか。
まあ、今年も子方はありませんが、舞台はありますので、やはり稽古は続きます。
2020年03月21日
取材を受けました
詳細は、下記のHPをご覧ください。
記事を書いてくださいましたのは、永井聡史さんという方です。
様々な分野で活動している人を、自身のホームページで紹介していらっしゃいます。
独自の視点から、鋭い考察で様々な人物を取り上げています。
私のページも、とても面白い記事です。
能の紹介文としてもすぐれた文章です。
GRIT JAPAN
しっかりとした動画もありますので、お時間があるときにご覧いただけますれば幸いです。
2020年03月20日
明治大学能楽研究部 卒業生

今日は、私が指導している明治大学能楽研究部の今年度最後の稽古。
4年生にとって最後の稽古になりました。
今年は、新型コロナウイルス拡大防止から卒業式が中止になったそうです。気の毒な事です。
本来なら、社会人になる前の最後のモラトリアム期間なのですが、なかなか外出もままならないそうです。
そんな中、稽古には元気よく参加してきました。
謡に仕舞に、最後の稽古を楽しんでいた様子です。
指導している私からすれば、4年間ってあっという間です。
ついこの間入学してきたと思ったら、いつの間にか卒業するんだなあ。そんな感じで、毎年の卒業生を送り出しています。
「4年間能を稽古した」という経験は、これからの人生に潤いを与えてくれると思います。
新しい生活でも、それぞれの場所で花を咲かせてください。
そういえば、卒業生たちからこの前、素晴らしいものをいただきました。

銀座にある、広島のアンテナショップで買ってきてくれたそうです。
私の好みをよくわかっていますね。
稽古の後は、近所の居酒屋で一杯やりました。
楽しいひと時でした。
昨日稽古に来た学生は、全員女子でした。
行ったお店は、町内の仲間とよく行く馴染みのお店ですが、私が女子大生をたくさん連れてきたので、とても驚かれました。
神輿仲間にも、バッタリ遭遇。目を丸くしていました。
2020年03月12日
横浜公演「藍染川」
この能は、とても珍しい能です。私は、20年ちょっと前に矢来能楽堂で荒木亮師が演じているのを一度見たことがあります。
たしかその時、東京ではかなり久しぶりの上演と聞きました。正確には覚えていないのですが、確か40年ぶりくらいの上演と、番組に書いてあったように記憶しています。
その後、17年前に故関根祥人さんが演じたそうですが、それは観ておりません。
とても面白い能なのですが、あまり上演されないのは理由があります。
まず、子方が大変な能であること。
そしてなにより、この能はワキが事実上の主役と言える能であるためです。
シテは最初と最後に出てくるだけで、物語の大半はワキとワキツレと子方によって形作られています。
能公演は、ほとんどがシテ方によって企画運営されますので、このようにワキが活躍してシテがあまり出番がない能は、選曲されません。
まあ、そんなこんなで極めて上演頻度が少ない能であります。
今回、初めて地謡を謡います。
こういう曲は、とにかく覚えるのが大変です。
少しでも聞いたことある謡だと、頭に入っていくのも早いのですが、このように全く聞いたことのない謡は、全然頭に入ってきません。
私は、割に記憶力は良い方なのですが、それでもアラフィフと呼ばれる年齢になってきますと、やはり記憶力の低下は認めざるを得ません。
今回は、いつになく覚えるのに苦労しました。
最近、イベント自粛の流れから、様々な能公演が延期や中止となっております。
今日は久しぶりの能公演でした。
「何だか、久しぶりに紋付着るね」
皆とそんなこと言いながら、着替え、いつものように能公演を勤めました。
やはり、能舞台は良いですね。
私は能が好きなんだなあと、しみじみと思いました。
新型コロナウイルスは、まだまだ終息の気配を見せません。
役者が思う存分能が演じられて、お客様が安心して能を鑑賞できる、当たり前の日常に、早く戻ってほしいと、切に望みます。