2019年11月
2019年11月30日
茉莉会 15周年記念大会 御礼

私の社中の発表会「茉莉会」は、この度めでたく15周年を迎えました。
記念の会を、矢来能楽堂にて華々しく開催いたしました。
今回は、素謡「隅田川」を石原妙子様、素謡「弱法師」を土屋能江様が演じたほか、舞囃子が「吉野天人」「高砂」「巻絹」「難波」「三輪」「花月」「菊慈童」と7番、他に連吟・仕舞と盛りだくさんの内容でした。
初めてお弟子さんの発表会を催してから、はや15年。
その間、お弟子さんと共に成長してきました。
最初は、沼津御用邸や神谷舞台などこじんまりとした会場での発表会でした。
ちょうど10年前、5周年記念大会を初めて矢来能楽堂で行い、以来2年に一度は矢来能楽堂で華々しく大会を開き、間の年はこじんまりとした会を行っています。
10年前、初めて矢来能楽堂で行った時、長男の潤之介は3歳で初舞台「老松」を演じました。
キョロキョロしながら、何とか舞台を一周していました。
その長男ももう13歳。身長は170㎝近くあります。
その時2歳で、赤ちゃんみたいだった次男も12歳。身長は160㎝を超えます。
大人は全く変わらないのに、子供たちの成長ぶりには驚かされます。
今回長男は、学校があったので夕方からの登場で、仕舞「敦盛キリ」と素謡「百萬」の子方を演じました。
次男は大忙しで、舞囃子「吉野天人」仕舞「春日龍神」、素謡「春栄」「隅田川」の子方と4つも出演です。
さらに、恒例の茉莉会最年少の中学2年生の会員と、3人で組んで、仕舞の地謡をそれぞれ謡います。
この二ヶ月くらいは、ヒマがあると長男と次男を捕まえて、それぞれの稽古でした。
苦労したのは、仕舞の地謡です。
まだ謡本の節が読めないので、「自分で覚えておけ」という訳にはいきません。
ひたすら一緒に謡ってあげました。
ただ、私はこの2か月は不在の事が多く、なかなか一緒に謡ってあげれません。
それで謡を録音して、子供たちに毎日聞いて一緒に謡うように言いました。
どうも子供たちは私が不在の時も、録音を聞きながらずっと謡っていたようです。
2人とも、稽古は嫌いではないようです。
地謡も結局、完璧に覚えていました。
今回はまた、初舞台の方も多く、私も緊張しました。
フレッシュな会員の、溌溂とした舞台は良いものですね。舞台に彩りを与えてくれます。
まあ、色々ありましたが、なんとか無事に終えることが出来てホッとしています。
今後、20周年30周年と、更なる大きな会に育てていきたいと思います。
kuwata_takashi at 23:00|Permalink│Comments(0)│
2019年11月28日
長野公演

今週は、文化庁学校巡回公演にて長野に来ています。
2日目の26日(火)は、長野市信州新町の信州新町中学校にての公演。
この学校は、九皐会の先輩の永島充さんの母校です。

永島さんは、母校に華々しく錦を飾っていました。
9月は、私も母校の福山市立春日小学校で凱旋公演をさせていただきました。
他にも、今まで色んなところで誰それの母校とか、子供が通っているなどという学校で公演させていただいています。
こういった場合、楽屋内が何とも言えない温かい空気になります。
この日も、後輩の前で張り切る永島充さんを、みなで盛り立てようと頑張りました。
こんな空気で能が出来るのも、この文化庁学校巡回公演の良さですね。
3日目の27日(水)は、上田市の小学校で公演。
私がシテを勤めました。
「小鍛冶」は、私が2004年に沼津市で初めて自主公演を催した時の演目です。
とても思い入れがあります。
15年前ほど動き回れませんが、存分に演じました。
なかなか良い爽快感です。
この日は午前中で公演は終わり。午後は何もありません。
せっかくなので、善光寺へ参詣しました。
善光寺と言えば、この日記のトップに載せた山門が有名です。
この山門、上に上がることが出来ます。
山門からは、長野市内がよく見渡せます。

本堂も、この様にくっきりと見えます。

兄弟子が、下から撮ってくれました。

また、善光寺は「土車」「柏崎」「山姥」など、数々の能の舞台になっています。
ちょうど、先月の九皐会にて仕舞「土車」と能「柏崎」を謡いました。
また、来年の自主公演では「山姥」を演じます。
善光寺から善き光を得て、良い導きがあらんことを願います。
最終日の28日(木)は佐久市の望月小学校にて公演。

この地は、能「望月」のワキ・望月秋長の出身地です。
去年の自主公演で「望月」を演じたことを思い出しました。
様々に、奇縁のあった長野公演も終え、東京に帰ります。
ところで、長野で同行の能楽師たちと馬肉を食べに行きました。

ビールの泡に注目。
「バニクマン」とは、この店の名前です。
カプチーノなんかで、こんな風に絵や字を書いているのはよく見ますが、ビールで見たのは初めてです。
ラストオーダーで頼んだビールはこれです。

このおもてなしの精神が、長野良さですね。
kuwata_takashi at 22:30|Permalink│Comments(0)│
2019年11月22日
子供が通っている小学校で能の授業

次男が通っている小学校で能の授業をしてきました。
この小学校は、和太鼓クラブがあったりお祭りに積極的に関わったりと、日本の伝統文化を大切にする学校です。
その流れから、学区域に住む能楽師に話を聞こうという趣旨で始まったこの授業も、今年で6年目です。
去年は長男の学年に授業し、今年は次男の学年です。
子供の前で授業するのって、どんなものかと思いましたが、100人以上いる生徒の中の一人ですから、特に意識することはありません。
6年生なので、室町時代の歴史に絡めて能の歴史など解説して、能の舞を見せたり、能面を見せたり、能の謡を皆で謡ったりと、盛りだくさんの内容でした。
最後に能の映像を見せました。
見せたのは、今年九皐会別会で演じた「安宅」です。次男が子方・源義経で出演しています。

実はこれは去年の写真ですが、こんな感じで生徒たちは、能に食い入るように見ていました。
やはり、知らない人が演じているより、机を並べて勉強している同級生が出演していると、より身近に感じてもらえるようです。
次男は、能の授業に興味なさそうにしていますが、言動をみると、とても楽しみにしているようです。
授業の後、同級生たちから色々褒められたみたいでまんざらでもなさそうでした。
終わった後、感想文をいただきました。冒頭の写真がそれです。
生徒たちの素直な感想が聞けて、嬉しいです。
この授業、子供たちが卒業してからもずっと続けていきたいと思います。
地域の子供たちが、当たり前のように能に触れて卒業していくって、素晴らしいなあと思います。
kuwata_takashi at 11:00|Permalink│Comments(0)│