2018年07月

2018年07月12日

文化庁学校巡回公演 大分

五週連続巡回公演の最終週は、大分県に来ています。

大分は、この度の豪雨の被害は比較的軽かったようです。

流石に五週間も九州を行ったり来たりしていると、身体にこたえます。

世の中には毎週のように日本各地を飛び回っているビジネスマンとかいらっしゃることと思います。
ちょっと、そんな気分になって空港を行き来しています。

さて、今日は大分県日出町立日出中学校での公演でした。

本日の演目は能「小鍛冶」。私はシテをさせて頂きました。

学校公演のシテは責任重大です。
ほとんどの人が初めて見る能です。そこでの第一印象は一生残ることでしょう。


私も中学二年生の時、学校の芸術鑑賞教室で平家琵琶(平曲)を生で聞く機会に恵まれました。
平曲を伝承している奏者は、日本に数えるほどしかおりません。

その中でも橋本敏江師という第一人者の平曲奏者が私の母校の広島の中学校の体育館までわざわざ来てくださいまして、生演奏を聴かせてくれたのです。

私は、多くの中学生男子がそうであるように、そういう芸術系のことは苦手な男子でした。
毎年ある芸術鑑賞会は、正直退屈でした。

でも、その時は何か分からないけど心に強い印象が残っています。
さすがに、面白かったとか、感動した、とは言いません。
でも、本当に強い印象だけ残ったのです。


多感な時期の中学生。
今日の生徒さんに、なるべく良い第一印象を与えたい。
そう思って、今日の舞台を一生懸命勤めました。

しかし、、、、、、 暑かった。

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公演中の日出町の気温は、32度。
空調もなく、600人超の生徒さんでぎっしり埋まった体育館の温度は30後半であったと思います。

こんな気温だと、やってる方も辛いけど、見ている生徒さんも大変です。

でも、とても良い鑑賞態度でした。
生徒さんは、どんな第一印象だったでしょうかねえ。



kuwata_takashi at 18:50|PermalinkComments(0)

2018年07月09日

西日本豪雨被害

日々、大きな被害が伝えられる西日本豪雨。

私の故郷の広島も甚大な被害がありました。

大好きな故郷の自然が猛威を振るったことに、心が痛みます。

亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
また、一刻も早い復興を願ってやみません。



kuwata_takashi at 19:37|PermalinkComments(0)

2018年07月03日

文化庁学校巡回公演 長崎

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五週連続での九州遠征、今週は長崎と熊本を回ります。

昨日と今日は長崎での公演予定でした。
昨日は滞りなく行われましたが、今日の公演は台風直撃により中止となりました。

予定では、今日は長崎の南島原市にて公演。その後、フェリーに乗って対岸の熊本県天草市に行くはずでした。

九州の地図をご覧いただくと分かりますが、南島原市と天草市は有明海を挟んで向かい合っています。
フェリーに乗れば30分で到着します。

しかし、台風直撃によりフェリーは終日欠航。
公演もなくなったので、一日かけてバスで向かうことになりました。

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朝9時に長崎を出発して、東に向かい佐賀から福岡に入り、今度は南下して熊本から橋を渡って天草のホテルに着いたのは午後3時。。。
有明海をぐるっと回りました。
3回休憩を挟みましたが、6時間のバス移動です。。。

まあ、自然には逆らえません。



kuwata_takashi at 17:37|PermalinkComments(0)

2018年07月01日

若竹能「野宮」 せまる

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来る
722日(日)に、九皐会若竹能にて能「野宮」を演じます。

「野宮」は、鬘物でも最大級の気品が必要とされるたいへんに難しい能です。

 

私もついに「野宮」を演じるところまで来たのか・・・

 

しみじみと思います。

 

今年の若竹能は、源氏物語をテーマにし、2月は「源氏供養」「須磨源氏」、7月は「野宮」「葵上」と、源氏物語を題材とする能を並べました。

 

7月は、六条御息所をシテとする能が二番演じられます。

六条御息所は、源氏物語の中でもたいへんに人気のある女性です。

何かのランキングで、源氏物語の好きな登場人物ランキングで堂々と第一位に輝いていました。

 

六条御息所は、皇太子夫人として気品あふれる日々を送っていましたが、皇太子に先立たれて生活は一変します。

そこに現れた光源氏と恋仲に落ち入ります。

ただ、自分は年上の未亡人ということで一歩引いて光源氏と接します。

光源氏は数々の女性と浮名を流します。外見は平静を装う六条御息所ですが、内心は嫉妬の炎に胸を焦がしているのです。

 

六条御息所の、気品ある佇まいの見た目と、激しい心情を持つ心の中。

その二面性を「野宮」と「葵上」よく表しています。

 

上品な本三番目物の大曲として君臨する「野宮」は、高潔ながら控えめな心を持った六条御息所を表現しています。

一方「葵上」は、内面に嫉妬の炎を燃やす六条御息所の心情を、般若という分かり易い激しさで具現化しています。

 

どちらも能の中で屈指の人気曲です。

 

この二曲を同時に上演するこの若竹能、実は4月中には早々とチケット完売となってしまいました。

嬉しい悲鳴です。

 

3か月も前にチケット完売は、若竹能始まって以来のことです。

 

ご来場の皆様の期待を裏切らないように、誠心誠意演じたいと思います。




kuwata_takashi at 22:42|PermalinkComments(0)