2018年02月
2018年02月24日
頑張れ、カーリング女子チーム
テレビではオリンピック中継が流れ、女子カーリングの準決勝が行われています。
「へえ、なんだか話題になっているけど、もう準決勝なんだ。開催国の韓国との一戦かあ、面白い一戦になりそうだなあ」
そう思って、カーリングという競技を始めて最初から通して見てみました。
私も、オリンピックの度に話題になっているカーリングのことは、当然知っています。
テレビをつけたら、放送していてちょっと見たことはあります。
でも、だいたい時間がないので、ふーんと思うだけですぐチャンネルを変えました。
今回もメダルがかかった準決勝でなければ見なかったでしょう。
見終わった感想は、、、、 月並みですが「スゲエ面白い」
こんなに話題になるのも、うなずけます。
最初に驚いたのが、選手の会話が全てマイクを通してテレビの音声で聞けることです。
他のスポーツでそんなことやっているものは、おそらくないのでは。
そして、そこで語られている会話が面白い。
「そだねー」「ナイスー」「おっけー」「うん、いいとおもうー」「さあ、がんばろうー」
なんか、私達が想像するプロのアスリートの会話っぽくない。
デッキブラシでゴシゴシこすっているのも、意味不明だったのですが、これは石を思い通りに動かすためにとても重要な動作だそうです。
一投一投ごとに局面が変わり、選手同士お互いに話し合いながら、石をはじき合っています。
私も、テレビ見ながらうーんとうなりながら一喜一憂しています。
冬季競技って、ジャンプとかスピードスケートとかスノーボードなど、一瞬で終わる競技が多いので、じっくり局面を楽しめるのも良いですね。
次に驚いたのが、選手たちの明るさ。
いつも笑顔を絶やさずに競技しています。
韓国選手が、ほとんど笑顔も見せずにストイックに競技してしるのとは、あまりに対照的です。
たぶん、雰囲気作りのために、緊張の場面でも無理して明るく振る舞っているのでしょう。
テレビで見ている、私のようなオジサンからすると、彼女たちの明るい笑顔を見ていると、ついほほえましい気持ちになってしまいます。
極めつけは、ハーフタイムです。
カーリングでは試合の真ん中に、5分間の休憩が挟まれるそうです。
まず最初に韓国のベンチが映されます。
韓国選手たちは、水分補給をしながら、コーチを取り囲んで一心不乱に作戦会議を行っています。
いかにも、4年に一度のオリンピックでメダルがかかった大一番といった雰囲気です。
選手たちの、この一戦にかける思い、緊張感がテレビの向こうの私達にも伝わってきます。
次に日本チームのベンチが映されます。
いきなり、大口を開けてイチゴを食べている選手たちが、テレビ画面にアップで現れます。
イチゴなどの果物の詰まったタッパーを囲んで、ワイワイガヤガヤ楽しそうにおやつを食べています。
その楽しそうな雰囲気は、まさにOL達が仕事の合間のおやつの時間です。
私はテレビの前で、腹抱えて笑ってしまいました。
ここは、笑うところではないのですが、どうにも笑いがあふれ出てきます。
彼女たちを応援したくなる気持ち、とっても分かります。
試合は、最終回の緊迫した局面。ここで日本チームは作戦タイムを取ります。
勝敗を決する、最重要局面。
眉間にしわを寄せて、神妙な面持ちの韓国選手に対し、この場面でも彼女たちは笑顔です。
こんな時に笑っていられるなんて、きっと凄い強い精神力を持っているのでしょう。
笑顔の彼女たちの中に、今まで難しい顔して座っていた外国人のイケメンのコーチが登場してきました。
すると、彼女たちはコーチを交えて英語で作戦会議です。
今までの脱力系の会話とのギャップに驚きです。
試合は、延長戦にもつれる大接戦の末、日本チームは惜しくも敗れてしまいました。
すると、笑顔で韓国チームを祝福です。
私は、正直こういう光景に弱いです。ちょっとウルウルしちゃいました。
初めてちゃんと見たカーリングは、色んな驚きがあって、とても面白かったです。
今夜、銅メダルをかけてイギリスと戦うそうです。
頑張れ!!!! 日本女子カーリングチーム。
2018年02月17日
「望月」 嬉しい悲鳴
先日この日記で紹介した、自主公演「桑田貴志 能まつり」ですが、嬉しい事態になっています。
まだ公演まで2か月あるのに、指定席はほぼ無くなってしまいました。
こんなことは今までにありませんでした。
楽しみにしてくださいますお客様の期待を裏切らないように、精一杯稽古に励もうと思います。
自由席はまだ余裕があります。
お興味のあるかたはお早めに、お申込み下さい。
下記ホームページに申込みフォームがあります。
どうぞよろしくお願い致します。
桑田貴志 公式ホームページ
2018年02月15日
能まつり「望月」
自身の芸の研鑚のため立ち上げた「桑田貴志 能まつり」。9回目の今回は、開場一周年を迎える観世能楽堂での開催となります。
観世能楽堂は、歌舞伎座・新橋演舞場・帝国劇場・東京宝塚劇場・日生劇場など、日本の舞台芸術文化が集まる銀座に新たに出来た能楽の殿堂です。昨年より話題となっているこの檜舞台での上演に心躍ります。
今回演じる「望月」は、現代劇を思わせる、スリルとサスペンスとアクションが満載の、楽しい能です。
小澤友房は、主君が討たれた後、宿屋を営んでいます。その宿屋に主君の妻と子が偶然宿泊します。思わぬ再会を喜ぶ三人の前に、なんと主君のかたきである望月秋長が宿を借りにきます。小澤友房は、このチャンスに仇討ちの作戦を立てます。おのおの変装して芸能を演じて油断させ、徐々に近づくことにします。
まず、主君の妻が世間で流行っている盲目御前になって「曽我物語」を謡って語ります。次に、主君の子・花若が「鞨鼓」という軽快な舞を舞います。
最後に小澤友房が、獅子頭をかぶり「獅子」を舞います。
様々な芸能を楽しんで油断した望月秋長を、ついに打ち果てるというのがこの能のストーリーです。
三人それぞれの芸能が見せ場になります。
特にシテの小澤友房が舞う「獅子」は、能で最も激しく躍動的な舞です。「石橋」「望月」の二曲にしかありません。極限まで技術を高め、最大級の気合で演じたいと思っています。
この能の子方は屈指の難しさです。謡も所作も多く、何よりも「鞨鼓」という難しい舞を舞います。この大役に次男・大志郎が挑みます。10歳となった次男はチビッ子能役者としての自覚を持ち稽古に励んでいます。
親子共に、決死の覚悟で大曲「望月」に取り組んでいきます。
この能はワキとアイも難しい役です。
ワキは名手・森常好師にお願いしました。悪役としての大いなる存在感が、ワキ方で最もある役者です。
アイは、望月の正体をうっかりばらしてしまうなど、悪役ながらユーモラスで憎めない役柄です。こういった役には一番の適任と思い、野村萬斎師にお願いしました。
囃子方も、人間国宝の大倉源次郎師をはじめ、最高のメンバーが集まって下さいます。
渾身の舞台にしたいと思います。
仕舞は、観世喜正師の「玉之段」と観世喜之師の「天鼓」です。
どちらも親子の情愛を描く能です。喜正師・喜之師の親子共演の至芸をお楽しみください。
狂言「墨塗」のシテは、テレビや映画など多方面で活躍されている・野村萬斎師にお願いしました。
相手役のアドを演じるのはご子息・野村裕基師です。この春高校を卒業して、いよいよ若手狂言師として活躍が期待されています。こちらも親子共演の舞台をお楽しみ下さい。
皆様のご来場をお待ち致しております。チケットご希望の方は、下記公式ホームページの申し込みフォームにてお願いします。
http://www.geocities.jp/kuwata_company/
インフルエンザ。。。舞台の後で良かった
だからって油断したわけではないでしょうが、次男はインフルエンザにかかってしまいました。
まず終わって3日後、足を怪我します。
「桜川」の後で良かったねえなんて言っていたら、5日後に今度はインフルエンザです。
本当に「桜川」の後で良かったです。
大人ならすぐに代役が見つかりますが、子供はすぐに代役というわけにはいきません。
もっとも、我が家は兄弟がいるので、なんとかなるのですが。
今年のインフルエンザは、B型は熱があまり出ないそうです。
次男も36.9度だったので、最初はちょっと高いけどまあ大丈夫だろうと思っていました。
翌日になってもダルそうなので、念のために病院に行ったところ、まんまとインフルエンザでした。
ただ、予防接種も受けていたので症状は軽いようです。
初日こそはしんどそうにずっと寝ていましたが、2日目からは熱も下がり食欲も回復して元気いっぱい。
それでもウィルスは確実に体内にあるので、自室に隔離させました。
あまりにも退屈そうなので、20年ぶりくらいにTUTAYAに行って「ドラえもん」やら「ポケモン」などアニメのDVDをたくさん借りてきて、部屋に持ち込んだパソコンでずっと観させていました。
すると、ウキウキで見ています。
部屋から全く出てきません。
引きこもりになりそうで怖いです。
土曜日から昨日まで5日間、部屋で安静にして今日から元気に学校に行きました。
一安心です。
昨日は、クラスの女の子が何人もチョコレートを手にしてお見舞いにやってきました。
なんだ、次男は結構モテルのかもしれない。
まあ、でも最近の女子はクラスのみんなにチョコを渡すらしいですね。
2018年02月04日
「桜川」御礼
緑泉会「桜川」、無事に終わりました。
ご来場の皆様、有難うございました。
40年ぶりの大寒波到来と言われる中、比較的に穏やかな陽気の日だったのが幸いでした。
「桜川」は、狂女物ということで、謡も所作も多く疲れ果てました。
謡は、狂乱を表すため声を高く張り上げて謡うので、喉にだいぶん負担がかかります。
連日、乾燥した日が続くので喉のケアには気を使いました。
前シテ、かなり豪華な唐織を着させて頂きました。とても、貧しさに苦しむ母親には見えません。
楽屋内では、こんな豪華な着物買ってるから貧しくなるんだ、との冗談も飛びます。
そもそも能では、そういったリアリティは求めません。
能舞台では、どんなに貧しい人や卑しい人でも、きちんとした身なりをし、豪華な装束を着ます。
全ての物に美を求めるのが能の考え方なのです。
前場の見どころは、我が子が人商人に連れられたのを知って、手紙を読んでる途中で人商人を捜すシーンです。
能の中でも、劇的な場面として知られます。
楽屋ではやりすぎと言われるくらい、ドラマティックに演じてみました。
まあ、効果はともかく、演じる意図は示せたかなとは思います。
後場は、狂女らしく芸尽くしを見せました。
「桜川」は、生き別れた母子が再会するという深刻な内容の割に、明るい曲調です。
まあ能の狂女物は、母子が巡り合えない「隅田川」を除いて基本的にはそういう作りです。
芸尽くしを楽しむのが本質なのです。
特にこの能は、満開の桜が背景として容易にイメージできるので、とても華やかな舞台となります。
その雰囲気の中、真っ赤なすくい網を持って舞う狂女というのも、良い風情です。
このすくい網、本番で初めて持ちました。結構、先がブラブラして持ちにくいものです。
始まる前に、実際に持って何度も練習しました。
実は、演能中は能面を着けていると持っているすくい網は全く見えないので、どのように扱われていたのか、自分ではわかりません。
後でDVDで確認したいと思います。
網之段で桜の花を抄う場面では、替えの型で演じてみました。舞台の外の白州の上を抄うという型です。
能はそもそも能舞台の上で完結していなければなりません。
師匠は、舞台の外に出てしまった能は、額縁からはみ出した絵画と一緒で、零点だとよくおっしゃいます。
だからこそ、たまに舞台の外を使うと効果的なのです。
世阿弥も「珍しきが花」と言っていますので、何か所かある替えの型の中で、そこだけやってみました。
こういった型は何度もやると効果が薄れるので、ただ一回にしました。
実際、能面をかけて限られた視界の中で、舞台の外にはみ出して所作を行うのは神経を使います。
足元が見えない中、舞台の際まで行くのは結構怖いものでした。
この型、お客様からの反応も上々でした。
全体を通して、自分でも充実感を味わいながら演じることが出来ました。
能のシテを演じてこんな風に感じられることは、稀です。
そういう面ではよい舞台だったのかなあと思います。
ただ、実際の成否はまた別だったりします。
気持ちよく演じているときに限って、あとでDVDを見るとガッカリすることはよくあります。
気が乗らないまま慎重に演じている方が、かえって気合が入って見えたりもします。
それが舞台芸術の難しさなのですが。。。
子方を演じた次男・大志郎は頑張っていました。
去年の10月の「善知鳥」に続いて、謡も所作も全くなく1時間近く舞台に座ったままです。
しかも、「善知鳥」では一回立つことがでいるのですが、この能ではそれさえありません。
ひたすら立て膝で、座っていなければならないという拷問のような役です。
このたいへんな役を、よくやっていたと思います。
私自身、座るのは大の苦手です。
次男の辛さはよく分かります。
今回はいつもよりご褒美をはずんであげなければなりませんね。