2016年11月

2016年11月27日

東京茉莉会 発表会

浅草の南側・駒形にありますこじんまりとした舞台・神谷舞台にて、今年の発表会は行われました。
最近は、隔年で矢来能楽堂と神谷舞台で発表会を行っています。

さて、今年の会も賑やかに盛大に行われました。

素謡6番に、仕舞22番、連吟3番。

初心の方からベテランまで、和気あいあいと楽しんでいました。
神谷舞台は、能楽堂と違って出演者とお客様との距離が近く、和やかな雰囲気に包まれます。

前回の神谷舞台で好評だったので、今回も出演者全員で謡う「全員素謡」をやってみました。

舞台にぎっしりと詰まった会員の方たち。
皆さま楽しそうに謡っていました。

「全員素謡」は、お稽古する時間がなかったので、ぶっつけ本番でした。
どうなることか、冷や冷やでしたが、まあ無難に終わったでしょうか。

今回の目玉は、子ども仕舞でした。

この夏から、小学5年生のお子様が入門してきたので、その子と4年生の長男と3年生次男で組ませて、子供たちだけで仕舞と、その地謡をやらせてみました。

もともと、長男と次男は大人の真似をしたくてしょうがない年頃なんでしょうねえ。
二人でよく能ごっこをして遊んでいます。

お互いにシテを舞って、地謡を謡って、なんていう遊びをよくやっています。

その姿を見て、遊びじゃあもったいないので、舞台でやらせようと思っていました。
そんな折に、ちょうど同年代の子供が入ってきたので、子ども仕舞としてやらせてみました。

5年生のお子様は、子供たちよりちょっぴりお姉さんのかわいらしい女の子です。
一緒にお稽古させると、うちの子供たちは、明らかに張り切っています。

子供たちにとっても、楽しいお稽古だったようです。

その子ども仕舞のほかにも、大活躍でした。

長男は、仕舞「経正キリ」に、素謡「三井寺」の子方。
次男は、仕舞「鞍馬天狗」に、素謡「海士」「歌占」の子方。

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2日に、静岡のお弟子様の発表会の後にお稽古に取り掛かったので、大変でした。

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11月は毎週のように、文化庁巡回公演で家を空けていました。
感覚的に、私が家にいるときに「子供たちがヒマしてると、どちらか捕まえて稽古していた気がします。


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月の深川八幡祭能奉納、10月の静岡の茉莉会、11月の東京の茉莉会と、この4か月ほどは、お弟子様のお稽古に、子供のお稽古に、また自分の稽古にと、怒涛の日々でした。


東京のおさらい会が終わって、気持ちは少し晴れました。

さあ、今度は自分の舞台です。

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17日の「隅田川」に向けて張り切って稽古に励みます。



kuwata_takashi at 22:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年11月16日

元加賀小学校 能体験授業

先日、長男と次男が通っている小学校にて、能の体験授業をしてきました。

きっかけは、町内の盆踊りで校長先生と話したこと。

「せっかく、学区内に能楽師がいるのだから、何かやってください」
校長先生から盆踊りの合間にそういわれ、二つ返事で受けました。

私としても、子供たちに能の紹介が出来ることは、この上ない喜びです。

ましてや、子供たちがお世話になっている地元の小学校です。
深川を拠点に能の活動を行っている私としては、有り難い機会です。

このように、深川では盆踊りが大事な社交の場なのです。


さて、そうして始まった能の体験授業も、今年で3回目を迎えました。

子供たちが通っている元加賀小学校は、今年創立109年という歴史の長い学校です。
深川という土地柄もあって、日本文化の伝承を大事にしています。

深川八幡祭りという大きなお祭りがあるので、夏になると小学校でも神輿の話題で盛り上がります。

小学校の看板のクラブ活動は和太鼓部です。
部員たちは、お祭りや盆踊りの際には、出張演奏します。
小学生ながら、粋でカッコいい元加賀小和太鼓部は、地域の誇りです。

毎年、落語家を招いてこども落語会なんかも開いています。

そんな学校なので、能の体験授業も普通に受け入れられているようです。

今年も6年生を対象に授業してきました。

まず、6年生は歴史を学ぶので、日本史に絡めて能の歴史をお話します。

そして、能の舞と謡を実演して、生徒たちにも簡単な謡を体験させます。

最後に能面を見せます。

そんなことをしていると、1コマ45分はあっという間に過ぎていきました。

熱心に聞いている生徒たちの顔が、うれしく思います。

中には、普段から町会や子供会行事などで顔を合わせて見知っている子供たちもいます。
普段、元気一杯に子供神輿なんかかついでる子供が、神妙な面持ちで、能の授業を受けている。

そんな姿を見ると、とっても嬉しく思います。

これからも、このように地元での能の紹介の活動は続けていきたいと、思います。


kuwata_takashi at 16:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年11月08日

旅芸人も悪くない

現在、文化庁学校巡回公演にて秋田・岩手と回っています。

先週は島根に行きました。

この事業のおかげで本当に様々な地域に行く機会を得ています。

日本列島は広いなあと実感します。

日曜日に鎌倉で能公演がありました。
大変に暑い日で、能楽堂では冷房が入っていました。

その日の夜に秋田へ移動です。
気温は2度です。
吐く息は白く、北風が頬を刺します。

昨日今日と秋田の学校で公演をした後、バスで3時間かけて盛岡に移動しました。

今、秋田岩手は紅葉の真っ盛りです。
赤く色づいた山々の景色を眺めながらの移動です。
3時間のバス移動は辛いですが、この景色を見れたことで良しとします。


先週の島根公演では、出雲大社と松江城に行きました。
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どちらも国宝です。

今回、鎌倉能舞台の中森貫太氏のお弟子様のご紹介で、出雲大社に公式参拝させて頂きました。
宮司様にもお目にかかりました。これは、とても珍しいことだそうです。


このように、珍しい場所に行き色んな地方の風土に触れるのは楽しいものです。

また、地方の高校を卒業し、日本全国から学生が集まっていた大学に通っていたおかげで、友人は全国に居ます。

そういった久しぶりに友人に会うのも、地方巡業の楽しさです。


この文化庁学校巡回公演は、小中学校を周り子供たちに能楽の魅力を伝えるという素晴らしい事業です。

能と狂言を実際に目にした子供たちの素直な反応。
日本の伝統文化を、キラキラした目で楽しんでいる子供たちの顔。

それを見ることが、一番の楽しみです。

子供たちにとって、かけがえのない体験となってほしいと願います。



kuwata_takashi at 18:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)