2013年02月

2013年02月24日

芸のうち

今日は、のうのう能別会「住吉詣」
私は光源氏の従者をさせて頂きました。

さあ大変です。光源氏の従者は、1時間以上も舞台上で座っていなければならないツレー役なのです。

金曜日の夜の飛行機に乗り、成田空港に着いたのが朝の7時半。
そのまの自宅へ帰り、土曜日は夜までお弟子さんのお稽古です。

さぞかし疲れるかとい思いきや、以外に元気です。


・・・・また来ました。

今回は、夜中に出発して朝に着いて、その日すぐに仕事というパターンが続きます。

東京からシンガポールへ着いた朝や、またシンガポールから東京に着いた朝など、いずれもたいそう元気なのです。

たぶん身体が興奮しているから、意識が覚醒しているのでしょう。

だいたいこういう日は、次の日にドドッと疲れが出ます。

その次の日に当たってしまったのがこの「住吉詣」です。

いやあ、ハードでした。

ただ、まだ緊張状態が続いているのか、身体は何故か元気一杯です。
どこかでまとめて疲れが襲って来そうで怖いです。

そうはいっても、一時間も片膝で座っているのはやはり大変な痛さです。

そんな時、シンガポールの学生たちを思い出しました。

前ツレの人たちは、自分の舞のため立ち上がるまで、10分から15分くらい片膝座りをしています。

「絶対にこんなに長く座っているのは無理です」

と半べそで懇願してくる学生たちに、こう言いました。

「動かずに堂々と座っているのも、芸のうちですよ」

そういった手前、いくらハードスケジュールでも、キチンと座っていないと、学生たちに笑われちゃいます。

自分で言ってしまった「座っているのも芸のうち」
この言葉を自分に言い聞かせて、舞台上でジッと座っていました。

はあああ・・・

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2013年02月22日

シンガポール第2便 5

稽古も佳境に入ってきました。
発表会まで2週間を切りました。いよいよ配役を決めて、「紅葉狩 鬼揃」の通し稽古です。

学生は14人いるので、登場人物は前シテ、前ツレ5人、ワキ、ワキツレ2人、アイ、後シテ、後ツレ3人という大所帯です。

通し稽古の前、水曜日には全員に能面を着けさせての稽古です。
あまり細かいことを言うと先へ進まないので、この日は稽古というより、能面体験学習の様なものになりました。

演劇学校なので、全員に能のエッセンスを体験して欲しいと思い、こういう機会を設けました。

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まず彼らは自分たちで能面を着け合います。
能面には常に敬意を払う事を徹底して、扱い方を厳しく指導しました。

キチンと説明すると、すぐさま飲みこんで、すっかり自分たちで能面の着脱が出来るようになりました。

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鬼揃の小書が付くと、複数の鬼がワキに一斉に襲い掛かります。

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橋掛りに立ち並んでワキをにらみつけます。
その迫力に、正面で見ている私もちょっとたじろいでいます。

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最後の、シテとワキの一騎打ち。
なかなか迫力満点に演じています。


能面体験が済んで、木曜日と金曜日はいよいよ「紅葉狩」通し稽古です。

細かなところはたくさん課題がありますが、全体的には概ね通して出来るようになりました。

あとは、彼らにとって全くチンプンカンプンのセリフ暗記せねばなりません。
それが難しいそうです。

でしょうね。私も、インド語(タミール後)やマレー語のセリフを覚えろといってもなかなか覚えられないでしょう。

ただ、発表会まで2週間を切った今の状況では、悠長にかまえていられません。

来週、若先生が行くまでに、必ず覚えるように言いました。

シンガポール第2便も、今回が最終日です。
第3便は、発表会の直前にスタートです。

さあ、あと9日間で学生たちがどれだけ上達しているか、楽しみです。


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2013年02月20日

シンガポール第2便 4

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お稽古は、浴衣に袴のスタイルで行っています。

最初は何度か一緒に着て練習しました。
今ではご覧の通り、自分たちで鏡を見ながら着ています。

最近の日本人で、着物が自分で着れる人は珍しいんだよ。
ましてや袴なんて、今や着てるのは能楽師くらいだよ。

そう言うと、喜びます。

彼らにはもちろん畳み方も教えました。

また毎日着ていると、やはりあちこちが綻んできます。

最初は預かって私がせこせこ繕っていたのですが、学生たちは興味があるみたいなので、繕い方も教えました。

浴衣と袴を自分で着て、脱いだらきちんと畳み、綻んだら自分で直す。

こんな外国人、いないですねえ。


毎日着てると、愛着がわくようです。

何人もの学生が、着物を欲しいと言ってきます。

うーーん。浴衣や帯はまあ安く買えます。でも、袴は結構高いよ。

袴の値段を言うと、学生達は顔をしかめます。

フランス人の学生が、古着で無いかと聞いてきます。
彼女の身長は、190センチ位あります。

古着だと安く買えるけど、残念ながら君が着れる女性用の着物は、古着ではないと思う。

そう言うと、彼女はとても残念そうでした。



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2013年02月18日

シンガポール第2便 3

今、稽古は「紅葉狩」を最初から通してやっています。

学生は14人もいるので、1人ずつ稽古すると結構時間がかかります。

クセの仕舞や中之舞などは、何人か一斉にやっていますが、シテとワキの絡みのシーンなどは、1人ずつやらないわけにはいきません。

ただ、何度もやると学生達も見て覚えるようです。
後半の学生さん達は、自分の番が来たら詳しく教えなくても出来ます。

それはとても大事なことです。

芸とは、学ぶものではなく盗むものなんだよ。

言い古された格言ですが、その大切さを実感しました。



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2013年02月15日

シンガポール第2便 2

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今回の学生の発表会は、3月6日です。

今日はそのパンフレットに使う写真撮影をしました。

というのも、今日出来て来たパンフレットを見てビックリ。
稽古の時の凄い写真が使われています。

これを街中に流すのはマズイので、急遽新たに写真を撮りました。

浴衣に袴に赤頭と般若の能面。

これも充分変な格好ですが、スタッフは良い写真がとれたと大喜び。
モデルの学生も大喜び。

なごやかなムードでお稽古は進みます。


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