2011年08月
2011年08月29日
深川八幡祭り 写真
忙しくてなかなか更新出来ませんでした。
深川八幡祭り能奉納の写真が出来てきましたのでアップします。
今年は、初めて本殿で奉納をさせていただき、身が引き締まりました。
写真は、本殿で恍惚と舞を舞う私です。
神社の拝殿という空間には、融大臣の単衣狩衣に、紫地指貫の姿がとても似合いますね。
最初、装束を着ける時間が短かったので、色大口という簡略の袴をはこうかと思っていましたが、やはり指貫をはいて正解でした。
写真を見てあらためて思い出しましたが、神社の拝殿なので、薄暗かったですね。
お客様の感想は、
「それがかえって良い雰囲気だった」
「暗くてよく見えなかった」
の意見に二分されました。
舞っていた私としては、とても気持ちが良かったのですが、やはり神社の境内で開放的に舞う良さも、捨てがたいですね。
来年は、どちらで舞うか、思案中です。
さて、今度は15日のバロン倶楽部です。
が、プロのカメラマンに撮影をお願いしていた能奉納と違って、ガムラン奉納の写真は、ロクなものがありません。
かろうじて、舞踊をに入る前に行進している写真がありました。
向こう側が私です。
この衣裳は、バリから取り寄せました。
来年以降も、能とガムランの奉納には出たいなあと思っています。
ところで、私がこの奉納でもっとも嬉しかったことがあります。
バロン倶楽部の奉納の後の打ち上げに、私の向かいの席にバロン倶楽部入会希望者がいらっしゃいました。
その方は、バロン倶楽部の奉納をみて、感激してそのまま宴会まで参加なさったのです。
私は、自分の後輩を入れようと必死に勧誘しました。その人もまんざらでもなさそうです。
「でも、全くの初心者だから・・・」尻込みする彼に私は、
「大丈夫ですよ。私も全然わからないまま、踊ってます。一緒に頑張りましょう!!」
ひとしきり、彼と会話して打ち解けてきた頃、彼はこう言いました。
「最近、舞台芸能に凝っているんですよ。色々見に行っています。」
「一昨日も、八幡様で能の奉納を見たんですよ。」
え、、、、
「能の奉納見たのですか? どうでした?」
恐る恐る聞くと、彼は
「とっても、面白かった。格好良くて感激しました。」
それを聞いた私は、誇らしげに
「そうだろうよ。だって、あそこで能を舞っていたの、私だもん」
「え???」
「あの能面を取ると、この顔が現れるよ。私、実は能楽師なのです」
彼は、これ以上ないという驚きの表情を浮かべ、もう少しで転びそうなくらい椅子からのけぞっていました。
そうだよなあ、そりゃあ驚くよなあ。
私はそう言われるのが快感で、能とガムランやっているようなものです。
2011年08月19日
遠征・遠征・また遠征
連日、あちこち行っています。
17日は、朝から佐渡へ向かいます。我が家を9時半ころ出て、佐渡に着いたのは2時過ぎ。
17日と18日は、二夜連続で薪能です。
昨日、薪能を終えると、夜10時40分のフェリーに乗って新潟に向かいます。
夜中の1時半ころ新潟について、ホテルでバタンキュー。
6時半には起きて、7時の新幹線に飛び乗ります。
向かうは八ヶ岳。
昼前に到着。八ヶ岳にて、13時半からと、18時からと能が2公演。
終わって今、甲府にいます。
明日20日は、身延線にのって、沼津に行きお弟子様のお稽古。
21日は、朝から夕方まで所沢で公演の後、夜は小金井で薪能。
22日は、朝から富士宮・富士にてお弟子様のお稽古。
この一週間は、移動ばっかりしています。
17日は、朝から佐渡へ向かいます。我が家を9時半ころ出て、佐渡に着いたのは2時過ぎ。
17日と18日は、二夜連続で薪能です。
昨日、薪能を終えると、夜10時40分のフェリーに乗って新潟に向かいます。
夜中の1時半ころ新潟について、ホテルでバタンキュー。
6時半には起きて、7時の新幹線に飛び乗ります。
向かうは八ヶ岳。
昼前に到着。八ヶ岳にて、13時半からと、18時からと能が2公演。
終わって今、甲府にいます。
明日20日は、身延線にのって、沼津に行きお弟子様のお稽古。
21日は、朝から夕方まで所沢で公演の後、夜は小金井で薪能。
22日は、朝から富士宮・富士にてお弟子様のお稽古。
この一週間は、移動ばっかりしています。
2011年08月15日
深川 祭りの日々
13日に、能奉納を終えても、深川の祭りは終わりません。
14日は私の住んでいる地域の連合盆踊りの手伝いです。
盆踊り自体は13日・14日と2日間行われますが、13日は能の奉納があったので、14日だけのお手伝い。
ジュースやら缶ビールやらを売っていました。
とにかく、人・人・人の大賑わい。
本来14日は、連合神輿渡御の日でした。
神輿が出なくても祭りを楽しもうと、あえてこの時期に盆踊りが企画されました。
2週間前には、町会の盆踊りがあったばかりです。
お祭りがなければ生きていけないのが深川っ子のようです。
15日は、深川八幡祭りの例大祭の日。そのトリを勤めるのが、「深川バロン倶楽部」です。
「深川バロン倶楽部」は、バリの聖獣・バロンとランダの舞踊を中心に毎年祭りで奉納うを行っているグループです。
バロン倶楽部のバロンは、おそらく日本で唯一、神社で御霊入れを行った御神体のバロンです。
深川の伝統芸能・お神楽となることを目指し、地域密着の活動を行っています。
私は、この素晴らしく面白いグループのメンバーに入れてもらっています。
ほとんど練習は出来なかったのですが、今年も最初のバリスグデという舞踊に参加させていただきました。
今回は、直前に「船橋」「融」と2週連続で舞台が続き、バリスグデの練習は全く出来ませんでした。
一回、近所に住むメンバーと練習しただけで、前日の全体リハーサルに参加して、本番。
無理です。
相変わらず、動きはチンプンカンプン。
前の人をひたすら真似するだけです。
でも、もうバリスグデも3回目ですので、少しはコツがつかめてきたように思います。
3回とも動きや振りは違うので、毎回動きは覚え直しなのですが、基本の動きはなんとなく同じです。
本当におぼろげですが、バリスグデの動きが少し分かってきたように思います。
とりあえず、人前で舞踊を見せるということは慣れていますので、緊張して体が動かないとか言うことはありません。
他のメンバーに聞いたら、まああまり違和感なく踊っていたようです。
ちょっとホッとしました。
「深川バロン倶楽部」はとにかく毎年お客様が凄いです。
2日前の能奉納も多かったのですが、今日はもう桁違い。
能も、これくらいお客様を集めたいなあ。
そんななか、最後のバロンとランダの戦いは大迫力。
ランダを演じていた演者が、トランス状態となってしまうほどの熱演でした。
この「深川バロン倶楽部」、毎年、舞踊も演奏もパワーアップし、メンバーもどんどん増えています。
今年1月には国立劇場の公演に招待出演をし、7月は隅田川のイベントに招待出演、来月9月と12月にも招待出演が決まっています。
また、現在毎週火曜日にNHKテレビで放送中の向田邦子ドラマ「胡桃の部屋」の挿入歌に参加しています。
「胡桃の部屋」をご覧の方、ドラマの方々でガムラン音楽が流れるのに気付くと思いますが、あれを演奏しているのが「深川バロン倶楽部」なのです。
このグループの一員であることを誇りに思います。
こうして、今年の祭りは終わりました。
13日、能奉納
14日、連合盆踊り
15日、深川バロン倶楽部奉納
朝から晩まで駆け抜け、夜は打ち上げ大宴会。
我が家の息子達も、毎日食事は屋台の焼きそばやたこ焼き、デザートはチョコバナナとかき氷。
来年は、今年延期になった本祭り。
今から楽しみで仕方がありません。
14日は私の住んでいる地域の連合盆踊りの手伝いです。
盆踊り自体は13日・14日と2日間行われますが、13日は能の奉納があったので、14日だけのお手伝い。
ジュースやら缶ビールやらを売っていました。
とにかく、人・人・人の大賑わい。
本来14日は、連合神輿渡御の日でした。
神輿が出なくても祭りを楽しもうと、あえてこの時期に盆踊りが企画されました。
2週間前には、町会の盆踊りがあったばかりです。
お祭りがなければ生きていけないのが深川っ子のようです。
15日は、深川八幡祭りの例大祭の日。そのトリを勤めるのが、「深川バロン倶楽部」です。
「深川バロン倶楽部」は、バリの聖獣・バロンとランダの舞踊を中心に毎年祭りで奉納うを行っているグループです。
バロン倶楽部のバロンは、おそらく日本で唯一、神社で御霊入れを行った御神体のバロンです。
深川の伝統芸能・お神楽となることを目指し、地域密着の活動を行っています。
私は、この素晴らしく面白いグループのメンバーに入れてもらっています。
ほとんど練習は出来なかったのですが、今年も最初のバリスグデという舞踊に参加させていただきました。
今回は、直前に「船橋」「融」と2週連続で舞台が続き、バリスグデの練習は全く出来ませんでした。
一回、近所に住むメンバーと練習しただけで、前日の全体リハーサルに参加して、本番。
無理です。
相変わらず、動きはチンプンカンプン。
前の人をひたすら真似するだけです。
でも、もうバリスグデも3回目ですので、少しはコツがつかめてきたように思います。
3回とも動きや振りは違うので、毎回動きは覚え直しなのですが、基本の動きはなんとなく同じです。
本当におぼろげですが、バリスグデの動きが少し分かってきたように思います。
とりあえず、人前で舞踊を見せるということは慣れていますので、緊張して体が動かないとか言うことはありません。
他のメンバーに聞いたら、まああまり違和感なく踊っていたようです。
ちょっとホッとしました。
「深川バロン倶楽部」はとにかく毎年お客様が凄いです。
2日前の能奉納も多かったのですが、今日はもう桁違い。
能も、これくらいお客様を集めたいなあ。
そんななか、最後のバロンとランダの戦いは大迫力。
ランダを演じていた演者が、トランス状態となってしまうほどの熱演でした。
この「深川バロン倶楽部」、毎年、舞踊も演奏もパワーアップし、メンバーもどんどん増えています。
今年1月には国立劇場の公演に招待出演をし、7月は隅田川のイベントに招待出演、来月9月と12月にも招待出演が決まっています。
また、現在毎週火曜日にNHKテレビで放送中の向田邦子ドラマ「胡桃の部屋」の挿入歌に参加しています。
「胡桃の部屋」をご覧の方、ドラマの方々でガムラン音楽が流れるのに気付くと思いますが、あれを演奏しているのが「深川バロン倶楽部」なのです。
このグループの一員であることを誇りに思います。
こうして、今年の祭りは終わりました。
13日、能奉納
14日、連合盆踊り
15日、深川バロン倶楽部奉納
朝から晩まで駆け抜け、夜は打ち上げ大宴会。
我が家の息子達も、毎日食事は屋台の焼きそばやたこ焼き、デザートはチョコバナナとかき氷。
来年は、今年延期になった本祭り。
今から楽しみで仕方がありません。
2011年08月13日
深川八幡祭り 能奉納 御礼
今年も、夏のハイライト「深川八幡祭 能奉納」、無事に終わりました。
会場となった富岡八幡宮の本殿は、入りきらないほどのお客様で一杯でした。
ご来場の皆様、有難うございました。
今年は本来なら、本祭の年です。
たいへん賑やかな祭となったはずです。
東日本大震災の影響で、神輿渡御を延期し、奉納行事もこじんまりと行われました。
奉納できない団体もあった中、能奉納はさせて頂けました。
とても光栄なことです。
そのことを重く受け止め、心を込めて能を奉納させて頂きました。
私にとって、深川八幡祭での奉納は、特別なものなのです。
今年は、境内に神楽殿を建てなかったので、能奉納はなんと、富岡八幡宮の本殿でさせて頂きました。
文字通り御神前です。
気持ちが引き締まります。
最初に私の社中の仕舞と連吟がありました。
やはり一様に、御神前で舞台を勤めることに舞い上がっています。
私も、半能「融」を演じましたが、こんなに静粛な気持ちで能を舞ったのは初めてです。
とっても良い経験となりました。
「芸能の原点は祭にあり」
この言葉の意味を噛み締めました。
細胞が奮える程の興奮です。
芸能者として、こんな幸せはありません。
とにかく、何が何でもこの奉納は続けたいと思います。
会場となった富岡八幡宮の本殿は、入りきらないほどのお客様で一杯でした。
ご来場の皆様、有難うございました。
今年は本来なら、本祭の年です。
たいへん賑やかな祭となったはずです。
東日本大震災の影響で、神輿渡御を延期し、奉納行事もこじんまりと行われました。
奉納できない団体もあった中、能奉納はさせて頂けました。
とても光栄なことです。
そのことを重く受け止め、心を込めて能を奉納させて頂きました。
私にとって、深川八幡祭での奉納は、特別なものなのです。
今年は、境内に神楽殿を建てなかったので、能奉納はなんと、富岡八幡宮の本殿でさせて頂きました。
文字通り御神前です。
気持ちが引き締まります。
最初に私の社中の仕舞と連吟がありました。
やはり一様に、御神前で舞台を勤めることに舞い上がっています。
私も、半能「融」を演じましたが、こんなに静粛な気持ちで能を舞ったのは初めてです。
とっても良い経験となりました。
「芸能の原点は祭にあり」
この言葉の意味を噛み締めました。
細胞が奮える程の興奮です。
芸能者として、こんな幸せはありません。
とにかく、何が何でもこの奉納は続けたいと思います。
2011年08月12日
深川八幡祭り 能奉納
いよいよ明日、深川八幡祭りで能を奉納させて頂きます。
今年は、東日本大震災による影響で、なんと神輿渡御は延期となってしまいました。
本来ですと今年は本祭り。今日あたりから、深川一帯で神輿を担ぐ「わっしょい!」の声がこだましていたはずです。
「神輿深川」の名の通り、お祭りと神輿が生活の一部である深川の人々は、本当にさみしそうです。
今年の「深川八幡祭り」は、神輿渡御もなく規模を小さくして行われます。
毎年のご神事は、滞りなく行われますが、奉納行事は少なくなっています。
奉納団体も厳選される中、今年も能の奉納はさせて頂けることは、有難いことです。
どうしても追悼の意味合いが強くなってしまう今年は、演目に「融」を選びました。
「融」は、「月の都に入り給ふよそおい。あら名残惜しの面影や。名残惜しの面影」で終わることから、
しばしば追善曲として演じられます。
この能のシテ・源融は、光源氏のモデルともなった貴公子です。
東北の塩釜の浦の景勝をこよなく愛し、京の都の自宅に塩釜の浦を模した庭園を造り、眺めていたほどの風流人です。
東北の美しい景色に心を寄せ、追善の気持ちを持って演じられる能。
今年奉納させて頂くのは、「融」しか考えられません。
今年は、東日本大震災による影響で、なんと神輿渡御は延期となってしまいました。
本来ですと今年は本祭り。今日あたりから、深川一帯で神輿を担ぐ「わっしょい!」の声がこだましていたはずです。
「神輿深川」の名の通り、お祭りと神輿が生活の一部である深川の人々は、本当にさみしそうです。
今年の「深川八幡祭り」は、神輿渡御もなく規模を小さくして行われます。
毎年のご神事は、滞りなく行われますが、奉納行事は少なくなっています。
奉納団体も厳選される中、今年も能の奉納はさせて頂けることは、有難いことです。
どうしても追悼の意味合いが強くなってしまう今年は、演目に「融」を選びました。
「融」は、「月の都に入り給ふよそおい。あら名残惜しの面影や。名残惜しの面影」で終わることから、
しばしば追善曲として演じられます。
この能のシテ・源融は、光源氏のモデルともなった貴公子です。
東北の塩釜の浦の景勝をこよなく愛し、京の都の自宅に塩釜の浦を模した庭園を造り、眺めていたほどの風流人です。
東北の美しい景色に心を寄せ、追善の気持ちを持って演じられる能。
今年奉納させて頂くのは、「融」しか考えられません。
古来より祭礼にて、鎮魂の念を込めて数々の芸能が奉納されました。
その先人の風習を受け継ぎ、心を込めてこの能を奉納させて頂きたく存じます。
お祭りの喧騒の中、芸能の原始の姿を、お楽しみいただければ幸いです。
今年は、富岡八幡宮の本殿で奉納させて頂きます。
明日の15時開演。奉納行事ですので入場無料です。
猛暑が続く中ですが、是非お運びください。