2011年04月

2011年04月30日

覚え物強化月間

最近なかなか更新出来ずにいました。

だいたいそんな時は、覚え物に追われているんだと思って下さい。
この一カ月、本当に覚え物に忙しかったです。

それも、今日の鎌倉県民能「吉野静」で、少しは落ち着きます。

「吉野静」は、完全に初物でした。
頑張って覚えましたが、謡うのは今日一回限り。次にいつ謡うのかは、分かりません。
次謡う時は・・・

たぶん忘れています。また覚え直しでしょう。
  

能は基本的に一回限りの公演です。でも、全て暗記で舞台に臨みます。

能楽師の仕事のほとんどは、謡を覚えることです。

違う苦労はあると思いますが、長唄や義太夫など、舞台の上で本を見ることが出来る、ほかの邦楽が羨ましいなあと思います。

ところで、最近ほとんどの公共の場所に東日本大震災の義援金の募金箱を見かけます。
今日の公演が行われた鎌倉能舞台にも募金箱があります。

今日は、鎌倉市からの呼び掛けもあって、公演終了後能楽師何名かで紋付袴で募金箱をもって出口に立ちました。
かなりの方が足を止めて、募金をして下さいました。

私たち演者も、お客様と交流することが出来ました。中には舞台の感想などおっしゃって下さる方もいます。

かなりの額が集まったようです。
義援金は、鎌倉能舞台が責任をもって日本財団と鎌倉市を通じて被災地支援に役立てられるようです。


kuwata_takashi at 23:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年04月05日

清明

先日のお稽古であるお弟子様と話していると、

「日本がどうなるのか心配で、心配で何も出来ません」

などとおっしゃるので、

「○○さんが心配しても何も変わりませんよ。立ち止まっても何も生まれませんので、動かないとダメですねえ」

何だか自分に言い聞かせている気になりました。

だからという訳ではないのですが、先の週末は震災の前から計画していた旅行に、予定通り行きました。


今日は、二十四節気の清明です。
桜など草木の花が咲き始め、万物に清朗の気が溢れて来る頃です。

しかも今日は大安。空は日本晴れ。

今日しかないと、来月の主催公演のダイレクトメールを発送いたしました。

そして、押し入れの中から子供たちの兜を取り出して飾りました。

ちょっとウキウキしてきます。

夕方からは、能楽笛方の若手の結婚式に出席しました。
300人を超える出席者の前で、私より一回りも若い新郎は、

未曾有の国難の中、新しい生活をスタートさせて、日本を明るく元気にしていきたい
と宣言していました。

「清明」とは、「万物がすがすがしく明るく美しい頃」と辞書に書いてあります。

すがすがしい新郎新婦を見ていて、「清明」をかみしめました。



kuwata_takashi at 23:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)