2011年02月

2011年02月24日

都民劇場

渋谷のセルリアンタワー能楽堂で、太鼓の素人会にのお手伝いをしたあとは、水道橋の宝生能楽堂に向かいました。

夜は、都民劇場能で「源氏供養」です。
2月の平日に、2か所で仕事があるなんて、珍しいことです。

今回の「源氏供養」は、「舞入」と「語り」と二つも小書がつきました。

「舞入」は、クリの前のイロエの部分に普通には無い舞が入る演出でして、これはよく見られる小書です。
「語り」は、中入でワキが長い語りを謡います。
そして、普段は2人くらいのワキツレが5人も登場しました。

「源氏供養」は、中入でアイ狂言がないので、装束の着替えが大変忙しいのですが、今日はワキがゆっくり語って下さいましたので、余裕だったようです。


さて、宝生能楽堂では、5月21日に私の演能会で「海士」を舞わさせていただきます。

今日、開演の前にちょっと舞台を歩いてみました。
なんとも気持ちの良い舞台です。

見所にも回って、色んなところの椅子に座って、舞台を眺めてみました。
とても見やすい客席です。

5月21日に向けて、ワクワクしてきました。


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お囃子の素人会

今日は、太鼓の梶谷英樹師のお社中の発表会。

私は、舞囃子の地謡6番と、舞囃子「賀茂」のシテをさせて頂きました。

能は、お囃子と共同作業で舞台を作り上げます。
でも、地謡とお囃子が何度も打ち合わせや、お稽古をしたりはいたしません。
だいたいは、一回だけ申合をするか、もしくはぶっつけ本番。

だから、地謡を謡うためには、お囃子のことをよく知らないと謡えません。

今日のように、お囃子の中にお素人の方が入っていると、緊張感が漂います。
ぶっつけ本番で、ピタリと合わせなければなりません。

もちろん、おさらい会に出演するような方ですから、皆さんとても上手な方々です。
しかし、もし何か不都合なことが起こったら・・・

その時は、上手く合わせて対応するのが我々玄人の責任です。

今回、色んな曲を謡わせて頂きましたが、どの曲も太鼓の手組をさらっておきました。

普段、よっぽど特別な曲でない限り、地謡でお囃子の手組を調べたりは致しません。
お囃子の手組は、だいたいは予想がつくので、全て知ってなくても普通に謡えるのです。

まあ、そんなこんなで自分にとってもとっても良い勉強になりました。



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2011年02月22日

伊東にて「法難」

今日は、都民劇場能の「源氏供養」の申合を午前中に終えて、伊東に急ぎました。

伊東の佛現寺というお寺で新作能「法難」がありました。

佛現寺は、日蓮聖人が1261年から3年間伊豆に流されていたときに身を寄せていたお寺だそうでしす。

日蓮は、伊豆に流され伊東のまな板岩という岩での上に降ろされます。満潮時には海に沈んでしまうこの岩の上でも、日蓮が題目を唱えていると、それに引かれるように、上原弥三郎という船頭が船で通りかかり、日蓮を助けたという言い伝えがあります。

その奇蹟を元に、日蓮宗の敬虔な信者であった故津村紀三子師が書き下ろしたのが「法難」という新作能です。

津村紀三子師は、緑泉会を作った人で、女流能楽師の草分けのような存在です。
紀三子師、またその跡取りの津村禮次郎師は、もう何度も「法難」を勤めておりますが、舞台となった佛現寺での上演は初めてのことのようです。

私は、日蓮聖人を助ける、船頭・弥三郎の役を頂戴しました。
とっても良い役です。

現地では、弥三郎は近くの蓮慶寺というお寺に祀られているほどの偉人のようです。

土地の偉人をその土地で演じさせて頂けることは、有難いことです。
少し偉くなった気がしました。


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2011年02月21日

明治大学能楽研究部 春合宿

昨日と今日、私の指導する明治大学能楽研究部の春合宿に行ってきました。

場所は、千葉県の岩井海岸。目の前が海水浴場という絶好の立地で、相変わらず全く外に出ずにひたすらお稽古しています。

 

明治大学能楽研究部は、夏はスキー場に春は海水浴場で合宿します。

人がほとんどいないので、落ち着いてお稽古に励めますし。

それに何よりも、シーズンオフだから安いのです。

 

昼間さんざん稽古して、クタクタなのに夜は大宴会です。

 

私も昔は学生と共に、朝まで盛り上がっていたこともありますが、最近は次の日のお稽古がツライのでそこそこで切り上げることにしています。

 

二日酔いで気持ち悪そうな学生を、次の日涼しい顔してシゴイています。



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2011年02月15日

浜松にて能講座

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今日は、浜松にて能の講演をしてきました。

 

狂言方が主催する催しに、ゲストとして招かれました。

私の「能の話」があって、狂言方が「狂言の話」をして、実際に狂言をご覧いただくという流れで進められました。

 

場所は、アクトシティ大ホールです。

このホールは、浜松駅に隣接する立派なホールです。楽器の街・浜松の威信をかけてバブル期に建てられた豪華絢爛な造りです。

 

2000人収容の巨大な会場が、ほぼ満員という大盛況。

平日の昼間にこんなに人が集まることに驚きました。

さすが楽器メーカーが集まる浜松です。文化都市ですねえ。

 

 

私は今までいろんな場所で能の催しに出演させていただきました。

大きな会場や歴史や趣のある会場など様々な舞台に立ちました。

 

でも、お話をする人としてこんな立派な場所は初めてです。

 

私の主催する能楽サロンは、せいぜい30人から100人まで。場所もこじんまりした所です。

 

なんだか、とってもエライ人になった気分です。

 

緊張しながらも、楽しんでお話させていただきました。

話が終わると、もう仕事終了。

 

狂言方がお話したり狂言を演じたりしているのを、高みの見物です。

狂言方に羨ましがれましたが、私は言いました。

 

いつもと逆だね。

 

そうです。普通の催しでは、狂言が先に終わるので、能の時には狂言方はのんびりしています。



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