2009年03月
2009年03月29日
離見の見
私の好きな言葉に、「離見の見」という言葉があります。
これは、能の大成者・世阿弥が残した言葉で、能役者としての心得を表す言葉です。
世阿弥は、常に離れたところから、自分を客観視して能を演じよと教えます。
当然のことながら、自分の舞姿を自分で見ることは出来ません。
しかし、あらゆる観客の視線に心の眼を置いて、完璧な舞姿を完成することが、能では肝要なのです。
現代演劇の役者さんは、よく「役作りに没頭する」とか「役になりきる」
などと言いますが、世阿弥の教えでは、それらはNGです。
先日、野球の世界大会（WBC）の決勝戦で、決勝タイムリーを打ったイチローさんのインタビューを聞いて驚きました。
「自分の中で、実況しながら打席に立ちました」
あの緊迫した中で実況？
「さあイチロー、バッターボックスに入りました。一球目、ボール。見送りました」
なんてやってたのかなあ？
そうだとしたら、凄いことです。
聞くところによると、イチローさんは自分のことを、よく客観的に話し、まるで、他人事のように自分を分析するそうです。
世阿弥が、後世の能役者への教えとして残した言葉「離見の見」を、600年以上後の、野球選手が体現しています。
イチローさんは、ひょっとしたら世阿弥以来の天才かもしれません。
って、案外「風姿花伝」読んでたりして・・・
これは、能の大成者・世阿弥が残した言葉で、能役者としての心得を表す言葉です。
世阿弥は、常に離れたところから、自分を客観視して能を演じよと教えます。
当然のことながら、自分の舞姿を自分で見ることは出来ません。
しかし、あらゆる観客の視線に心の眼を置いて、完璧な舞姿を完成することが、能では肝要なのです。
現代演劇の役者さんは、よく「役作りに没頭する」とか「役になりきる」
などと言いますが、世阿弥の教えでは、それらはNGです。
先日、野球の世界大会（WBC）の決勝戦で、決勝タイムリーを打ったイチローさんのインタビューを聞いて驚きました。
「自分の中で、実況しながら打席に立ちました」
あの緊迫した中で実況？
「さあイチロー、バッターボックスに入りました。一球目、ボール。見送りました」
なんてやってたのかなあ？
そうだとしたら、凄いことです。
聞くところによると、イチローさんは自分のことを、よく客観的に話し、まるで、他人事のように自分を分析するそうです。
世阿弥が、後世の能役者への教えとして残した言葉「離見の見」を、600年以上後の、野球選手が体現しています。
イチローさんは、ひょっとしたら世阿弥以来の天才かもしれません。
って、案外「風姿花伝」読んでたりして・・・
at 23:01｜Permalink│
2009年03月26日
ひと月前
「道成寺」まで、あとひと月となりました。
この段階で、「まだひと月ある」
と思うか、「もうひと月しかない」
と思うかは、それぞれだと思います。
私はどちらかというと、前者の方です。
基本的に楽天主義者で、前向きな性格なんですよ。
ただ、余裕シャクシャクという訳ではありません。
毎日、不安でしかたありません。
月並みですが、不安を取り除くには、稽古しかないかなあ・・・
さて、今日は恒例の「ぎんが能楽サロン」
今回のテーマは「道成寺」
「道成寺」披キをちょうどひと月前に控えた現在の心境や、稽古の裏話なんかを語っているうちに、やはりヒートアップ。
最後は、今回の「道成寺」に対する思いなんかをぶちまけていました。
予定より１時間近くもオーバーしてしまいました。
さあ、泣いても笑っても、あとひと月です。
この段階で、「まだひと月ある」
と思うか、「もうひと月しかない」
と思うかは、それぞれだと思います。
私はどちらかというと、前者の方です。
基本的に楽天主義者で、前向きな性格なんですよ。
ただ、余裕シャクシャクという訳ではありません。
毎日、不安でしかたありません。
月並みですが、不安を取り除くには、稽古しかないかなあ・・・
さて、今日は恒例の「ぎんが能楽サロン」
今回のテーマは「道成寺」
「道成寺」披キをちょうどひと月前に控えた現在の心境や、稽古の裏話なんかを語っているうちに、やはりヒートアップ。
最後は、今回の「道成寺」に対する思いなんかをぶちまけていました。
予定より１時間近くもオーバーしてしまいました。
さあ、泣いても笑っても、あとひと月です。
at 23:20｜Permalink│
2009年03月20日
野球 初体験
毎日、熱戦が続くWBC。野球の世界大会における、日本の快進撃は嬉しい限りです。
さて、今日はオフでした。午前中、家で新聞を読んでいると、今朝は運命の韓国戦があることに気が付きました。
「うっっっ！ 見たい」
しかし、我が家のテレビは基本的には2歳と1歳の怪獣どもに占拠されています。
今朝も、喜んで「お母さんといっしょ」など見ています。
とても、テレビのチャンネルを変えられそうにない。
しかたないので、PCで野球を見ることにした。
大画面テレビで、歌のおにいさんとおねえさんが踊っている横で、細々と野球を見ていると、2歳の長男がやってきます。手には大好きなジャガイモのおもちゃを手にしています。
「おとうさん、なにみてんの」
「ん？ これは『野球』って言うんだよ」
「ふーん」
長男は、じーっと野球を眺めています。彼は生まれて初めて「野球」というスポーツを見ています。
おもむろに、長男は
「やきゅう。。。ソレッ！」
と、持っているジャガイモを放り投げました。
そうです、明らかにピッチャーのマネをしています。
私はすかさず、そばにあったダイコンのおもちゃを手にして、バッターのマネです。
「カキーン！」
長男は大喜び。
そして、「やきゅう、だいすき」
と言います。
「じゃあ、今度公園で、お父さんと野球をしよう！」
「やったー！！！」
飛び跳ねて喜ぶ長男を見ながら、私もガッツポーズです。
この日本に、息子とキャッチボールをすることを夢見ないお父さんがいるだろうか？
こんな嬉しいことはありません。
長男が、初めて能のお稽古をした時も感動しました。
今日の感動はそれにも匹敵します。
さっそく、子供用のボールとバットを買いに行かなければ・・・
さて、今日はオフでした。午前中、家で新聞を読んでいると、今朝は運命の韓国戦があることに気が付きました。
「うっっっ！ 見たい」
しかし、我が家のテレビは基本的には2歳と1歳の怪獣どもに占拠されています。
今朝も、喜んで「お母さんといっしょ」など見ています。
とても、テレビのチャンネルを変えられそうにない。
しかたないので、PCで野球を見ることにした。
大画面テレビで、歌のおにいさんとおねえさんが踊っている横で、細々と野球を見ていると、2歳の長男がやってきます。手には大好きなジャガイモのおもちゃを手にしています。
「おとうさん、なにみてんの」
「ん？ これは『野球』って言うんだよ」
「ふーん」
長男は、じーっと野球を眺めています。彼は生まれて初めて「野球」というスポーツを見ています。
おもむろに、長男は
「やきゅう。。。ソレッ！」
と、持っているジャガイモを放り投げました。
そうです、明らかにピッチャーのマネをしています。
私はすかさず、そばにあったダイコンのおもちゃを手にして、バッターのマネです。
「カキーン！」
長男は大喜び。
そして、「やきゅう、だいすき」
と言います。
「じゃあ、今度公園で、お父さんと野球をしよう！」
「やったー！！！」
飛び跳ねて喜ぶ長男を見ながら、私もガッツポーズです。
この日本に、息子とキャッチボールをすることを夢見ないお父さんがいるだろうか？
こんな嬉しいことはありません。
長男が、初めて能のお稽古をした時も感動しました。
今日の感動はそれにも匹敵します。
さっそく、子供用のボールとバットを買いに行かなければ・・・
at 22:37｜Permalink│
2009年03月18日
タウン誌「深川」
ただいま発売中の、地元・深川のタウン誌、「深川」3･4月号の、下町ひと模様というコーナーに掲載されました。
堂々、5ページの大特集です。
タウン誌「深川」は、今年創刊31年を迎える、タウン誌の草分け的存在のよううでして、平成4年には「第8回NTTタウン誌フェスティバル」において、全国559誌の中からタウン誌大賞を受賞したそうです。
まあ、深川の人間なら誰でも知っているけど、それ以外の人はまず知らない雑誌です。
詳しくは、下記ホームページをご覧下さい。
http://www.jade.dti.ne.jp/~clio/new_magazine.html
ただいま、絶賛発売中ですが、タウン誌という性格上、基本的には江東区の本屋か協賛店にしか置いていません。
もし江東区以外の方で、この本をご覧になりたい方は、「深川」編集部か、私のところに連絡ください。
実は、このタウン誌は毎号愛読していました。
この「下町ひと模様」というコーナーは、毎号様々な深川ゆかりの有名人が登場する、名物ページでして、私もいつかは載りたいなと思っていました。
引っ越して1年足らず。こんなに早く載るなんて思いもよりませんでした。
at 23:18｜Permalink│
2009年03月10日
「道成寺」Sold Out
下申合も無事終わって、いよいよ4月26日の本番に向けて猛特訓です。
私が「道成寺」を演じさせていただく、4月26日の「観世九皐会百周年記念特別公演」ですが、なんと早くもチケットは完売となりました。
売り出しから10日で一枚もなくなってしまいました。
有難いことです。
これから、申し込む方には残念ながらお断りせざるをえません。
私が入門以来、毎年のように、兄弟子たちが「道成寺」を披きました。
私が入門して丸14年になりますが、その間、11人の兄弟子が道成寺を披き、私で12人目です。
それらは全て満席。
「私が演じる時、ガラガラだったらどうしよう・・・」
と思っていましたが、その心配は杞憂に終わりました。
後は稽古に専念です。
私が「道成寺」を演じさせていただく、4月26日の「観世九皐会百周年記念特別公演」ですが、なんと早くもチケットは完売となりました。
売り出しから10日で一枚もなくなってしまいました。
有難いことです。
これから、申し込む方には残念ながらお断りせざるをえません。
私が入門以来、毎年のように、兄弟子たちが「道成寺」を披きました。
私が入門して丸14年になりますが、その間、11人の兄弟子が道成寺を披き、私で12人目です。
それらは全て満席。
「私が演じる時、ガラガラだったらどうしよう・・・」
と思っていましたが、その心配は杞憂に終わりました。
後は稽古に専念です。
at 22:01｜Permalink│
