2008年01月

2008年01月29日

体は資本

今日は、胃の検診に行きました。
といっても、どこか悪い訳ではないのですが。

私達、役者はとにかく体が資本です。

風邪でも引いて、声が出なくなったら、もう仕事が出来ません。

体のどこかを悪くして、長期療養なんかしたあかつきには、たちまち生活できなくなってしまいます。


そんなこんなで、時間がある時はなるべく体のケアに努めております。


今日は、バリウム飲んで胃腸の検査です。

実は私は、胃腸がとても弱いのです。
ほぼ、慢性的に下痢をしています。

まあ、1日2リットルもビールを飲んでいるのが悪いのですが……


しかし、胃腸の検査って、ちっとも変わりませんねぇ。

実は、今から20年以上前の高校生の時分に、不摂生がたたって、胃腸を病んだことがありますが、その時から、何も変わらないですね。
多少、バリウムが飲み易くなったような気もしますが…


検査に行くと、まず発砲剤を飲みます。
胃腸をふくらませるためです。

その時、げっぷは厳禁です。
思わず、げっぷしてしまうと、もう一度発砲剤です。

とは言っても、高炭酸のコーラを飲んで、げっぷをガマンするようなものです。

今日も、まんまとげっぷをしてしまい、発砲剤の飲み直し。ハア。

バリウムは何とか飲みほして、いよいよ胃腸のレントゲン撮影です。

必死に、げっぷしないようにガマンしてベッドに捕まっていると、上に上げられたり、下に下げられたり、回されたり、逆さまにされたり……

やはり、気分が悪くなりました。


そもそも検査の前は、前夜の8時から飲まず食わずにしてなければならないので、お腹がすき過ぎで気持ち悪い中、上や下に体を回されて、本当に気持ち悪くなります。

終わった後は、下剤を渡されます。
バリウムを全て体外に出すためです。

ただでさえ慢性的な下痢の私が、下剤なんかのんだら、スゴいことになります。

今日は、午後から色んな場所へ打ち合わせやら用事やらで出かけましたが、先々でトイレを借りるハメになってしまいました。


今現在、まだ胃の中は気持ち悪いし、お腹は下しています。

いつもそうなのですが、検診に行くと、具合が悪くなってしまいます。


at 23:55|Permalink

2008年01月26日

今日は、浜松

昨日は、沼津稽古。
朝から晩までじっくりお稽古いたしました。

明けて本日は、浜松にて謡会に行きました。

明大能楽研究部の元OB会長が鎌倉の別荘に作った能舞台に、明大能研OBの有志が参集して隔月に行っている「鎌謡会」という謡会がございます。

その謡会に毎回参加している方に、浜松の方がいらっしゃいます。
その方は、毎回浜松から熱心に通ってきます。

能が大好きな方でして、この度、なんと自分が浜松に所有しているビルに能舞台を作ったそうです。

今日はいつもと場所を変えて、その方が所有している浜松の能舞台で、恒例の謡会が開かれました。

行ってみてビックリ。
素晴らしい舞台です。


浜松は、たいへん能が盛んな所でして、「ヤヲの間会」という、能のお囃子をお稽古しているグループがいらっしゃいます。
今日は、「ヤヲの間会」の方々にもご賛助頂きまして、とても賑やかな会となりました。

今日の番組は、素謡4番に舞囃子5番。
私は、舞囃子のうち一番「高砂」を舞って、他は全部地頭をさせて頂きました。


九皐会では一番下っ端の私は、地頭をやることはまずありません。

それが、今日は素謡4番と舞囃子4番の地頭を勤めなければなりません。

しかも、総勢20人弱の参加者の内、玄人は私一人。
他は全員素人です。

しかも、今日ぶっつけ本番。

我ながら、無茶なコトしているなあと思います。

私以外が全て素人ということは、素謡・舞囃子とも完璧に覚えなければなりません。

かなり緊張しました。
昨日は、正月ボケから立ち直れない頭に無理やり謡を詰め込んで、なかなか寝れませんでした。


今日は、何とか無事に終わりました。
でも、私が頑張ったというよりは、参加者の方にかなり助けて頂きました。
考えてみれば、その方々は芸歴ウン十年。
私が産まれる前から謡を謡っている人達です。

私が心配して力んで謡うことなんかないですね。

浜松駅からすぐのビルのワンフロアを占める豪華な能舞台で、楽しく謡わさせて頂きました。

終了後の宴会も、盛り上がりました。

また、是非行きたいですね。


at 23:21|Permalink

2008年01月22日

今年の演能予定

今日は、恒例の文化服装学院での鑑賞教室。
私は、「羽衣」のシテを演じさせていただきました。

毎年、このシテをさせていただいております。良い経験です。

このシテを皮切りに、今年は、例年になく多くのシテを舞う機会を与えられました。

5月17日(土)13時開演  緑泉会例会  於・喜多能楽堂
「芦刈」 

7月27日(日)14時開演  若竹能    於・矢来能楽堂
「忠度」

9月21日(日)14時開演 沼津自主公演「能に親しむ会」於・沼津市民文化センター
「石橋 大獅子」 (前シテ・赤獅子)桑田貴志  (白獅子)観世喜正

11月21日(金)19時開演  のうのう能  於・矢来能楽堂
「紅葉狩」

11月30日(日)14時開演  鎌倉県民能  於・鎌倉能舞台
「猩々乱 双之舞」 観世喜正・桑田貴志

12月14日(日)13時開演  九皐会    於・矢来能楽堂
「春日龍神」


なんと、6番もあります。
今日の様な学生能や稽古能、ワークショップ等を含めると、今年は10番近くシテを舞わさせて頂けそうです。
特に、「石橋」と「猩々乱」という重習の大曲を続けて演じさせて頂きます。それぞれ2度目の挑戦です。
「芦刈」「忠度」も、なかなか出来ない背伸び曲です。

また、来年4月には、「道成寺」を披演させて頂くことも決まっております。

今年は、とにかく「道成寺」に向けて土台作りの年となります。
「道成寺」の前に、「石橋」と「猩々乱」をもう一回見直すことになります。

さあ、頑張るゾー


at 21:22|Permalink

2008年01月17日

ビックリ法政大学

今日は、
~法政大学「地域の方々との」伝統芸能を鑑賞する集い~
という催しのお手伝いに参りました。

この催しは、法政大学が地元の神楽坂商店街と合同で、地域に根ざした活動の一貫で行われました。
今回が5回目でして、能が行われたのは初めてだそうです。

九皐会は神楽坂を拠点に活動しておりますので、今回の催しに賛同して、お手伝いさせて頂きました。


法政大学能楽研究所の所長の西野先生は、去年行われた、中所氏の作った新作能「光の素足」に感銘を受けられたようです。今回の演目は中所氏に、是非「光の素足」をという指定でした。


中所氏作のこの新作能は、この一年ちょっとの間に三度目の上演です。

こんなに続けて演じられる新作能も珍しいですね。
確かに良く出来ていると思います。


今日は、久しぶりに法政大学に行きました。

学生時代は、私の母校と、キャンパスが近い縁もあり、法政大学の能楽研究会にはしょっちゅう遊びに行っておりました。

法政の学園祭はとても盛りあがるので、毎年遊びに行ったものです。

能楽研究会の狭い部室は畳が敷いてあり、カセットコンロをしつらえて、よく鍋をしました。
そのまま、畳の上で寝てしまい、気がつくと法政の学生がわんさかやって来て、授業が始まっていたこともよくありました。


その、古き良き法政大学は、全く変わっていました。

思い出の汚い部室棟は壊され、後にはキレイなビルが建てられています。
そのビルの6階には大きなホールがあり、そこで今日の催しは行われました。

私の母校の明治大学も、最近は新しい校舎が続々建って昔の面影は全くありません。

明治大学に続いて、慣れ親しんだ古き良き法政大学はもうないんだなあと、ノスタルジックになりました。


新しい校舎には、ホテルのようなトイレがあります。
全てウォッシュレットに自動水洗。
大学のトイレに付き物の落書きなんかどこにもありません。
そんな、キレイな近代的なトイレに、こんな張り紙を見つけました。

「カップラーメンの汁は流しに捨てないように」

大学らしい張り紙を見て、ホッとしました。


at 22:46|Permalink

2008年01月13日

「翁」の地謡

今日は、九皐会の初会。
例年通り、「翁」でスタートです。

今日、私は「翁」の地謡を謡いました。
九皐会の初会では、毎年「翁」が出てるのに、私は地謡を謡うのは二度目です。


「翁」に限り、地謡は囃子方の後ろに並びます。
矢来能楽堂は囃子方の後ろに充分なスペースが無いので、地謡は一列5人で謡っています。

通常は、翁付脇能と言って、「翁」の後には、同じ配役で、引き続いて脇能が演じられます。


本来は、「翁」も脇能も同じ8人のメンバーで謡うのですが、矢来能楽堂の狭さ故に、「翁」の地謡はその後の脇能の地謡の5番目の人までとなります。

未だ九皐会に後輩のいない私が、地謡の序列の上位5人に入ることはあり得ません。

それで、私は毎年「翁」の地謡は謡えないのです。

ただ、今年は翁付脇能がなく、「翁」単独の上演でした。
ですから、今年は「翁」の地謡を謡うことが出来たのです。


「翁」って、観ている方はもちろんですが、演じている演者も身が清められます。


「翁」を演じたのは、毎年恒例の観世喜之師。

その素晴らしい「翁」の地謡を謡わせて頂いて、今年は幸先よくスタートがきれました。

何か、良いこと有りそうです。


at 19:00|Permalink