2007年12月

2007年12月31日

大晦日

いよいよ今年も終わりです。

今年はなんと言っても、二人目の子宝に恵まれたことが、一番のニュースでしょうか。

書きたいことは色々ありますが、なにはともあれ、一年無事過ごせたことを喜びたいと思います。

来年も、どうぞ宜しくお願いいたします。


at 23:56|Permalink

2007年12月24日

連日、発表会

一昨日、昨日と二日続きで、私が指導していますお弟子さんのお浚い会がありました。
一昨日が東京の神谷舞台で、昨日が沼津の御用邸での開催です。

私自身、自身の社中の会を持って三年目なのに、いきなり二日続きのお浚い会です。
とにかく準備は大変でした。

ただ、この2ヶ月くらいは集中してお浚い会のお稽古をしましたのでたいへんでしたが、当日の出来映えは素晴らしいものでした。
二日間とも、後ろで安心して地謡を謡うことが出来ました。
終わった後の懇親会でお弟子さんから、
「今日は一日中謡いっぱなしでたいへんでしたね」

なんて言われましたが、私はにこやかに
「いや、普段の稽古日の方がよっぽど大変だよ。一日中注意にしっぱなしで声がかれちゃうけど、今日は謡っているだけでよかったから、かえって楽でしたよ。安心して見てられましたから。。。」

こんな返事をしました。
本当に、直前のお稽古まではハラハラし通しでしたが、当日は皆さん実によく出来ました。

「当日、そんなに出来るんだったら、もっと早くから・・・」
まあ、それは言いっこなしですね。

土曜日の東京の発表会は、出演者の半数近くが初舞台というフレッシュな会です。
ベテランの円熟した舞台はまだまだ望むべくもありませんが、エネルギーのほとばしる良い舞台だったと思います。
なにせ、まだ二回目のお浚い会です。
出演者の半分が初舞台ですが、もう半分の方だって二度目の舞台です。まあ、一日お弟子さんに付きっ切りでした。

でも、つくづく思いました。
「私って、こういう雰囲気が好きなんだなあ」

学生時代の、能楽研究部の発表会で、一年生に付きっ切りで舞台の作法なんかを教えていたのを思い出しました。


昨日、日曜日は沼津の御用邸でのお浚い会。
こちらは3回目ですから、徐々に慣れてきた感じです。
沼津の稽古場は、ほとんど未経験で入門してきた東京と違って、多少経験者の方も混じっていますので、少しは落ち着いた雰囲気です。

とは言っても、今年で3年目を迎えた「御用邸能楽サロン」の面々は全員初めての舞台です。
やはり、初々しい面持ちで発表していました。

いずれも、終わった後の懇親会では、みな良い顔をしています。
その顔をみれば、私も充実感でいっぱいになります。

出演者の皆様、お疲れ様でした。また、来年も頑張りましょう。


at 19:58|Permalink

2007年12月16日

ファーストクラス

昨日、土曜日は長崎観世九皐会の発表会のお手伝いに、長崎へ行きました。

土曜日の早朝の便なのに、飛行機は満席。キャンセル待ちが列を作っています。

「なんでこんなに混んでいるんだろう」

不思議に思いながら、搭乗口で朝刊を広げて納得。

朝刊の一面は、佐世保のあのおぞましい事件を伝えていました。

この人達は、たぶん取材陣なのでしょう。

急に予約を入れた人が多かったせいだと思うのですが、普通席の予約を入れていたのに、プレミアムスーパーシートに座れました。

しかも、昨日便は国際線仕様。
たまたまなのか、予約が殺到したから機体を差し替えたのか分かりませんが、国内線とは明らかに機内が違います。
結局、私が座った席は、国際線ではファーストクラスの席でした。

ビジネスクラスに座ったことはありますが、ファーストクラスは当然初めて。

ビックリしました。

座席が、ワンタッチでベッドになります。
しかも、その座席はマッサージチェアーにもなります。

乗ってしばらくは、興奮して、色んなシートアレンジをして遊んでいました。
おかげで、そんな快適なシートなのに、全く寝れませんでした。

長崎まで、2時間。
あっという間でした。


今日、日曜日は矢来能楽堂で催しがあるので、今朝の便で東京へ帰ってきました。
帰りは、いつもの小さな飛行機の普通の席に座りました。
昨日がウソのように、機内はガラガラ。

一日限りの夢でした。


at 18:21|Permalink

2007年12月13日

龍虎の龍

先日の日曜日、九皐会にて「龍虎」のツレを勤めました。

この曲は、中国の山の中で龍と虎が戦うという、少々マンガチックな内容です。

昔から「龍虎、相打つ」と言うように、龍と虎は互角の戦いをするものとされています。
この能でも、結局決着はつきません

ツレは、龍です。
白頭を着けて割りとドッシリと戦うシテの虎に対して、赤頭を着ける龍はやはり激しく動きます。

今年の締めくくりに、思う存分暴れまわりました。


しかし最近は野球も、中日ドラゴンズと阪神タイガースばかり優勝している気がします。
昔の故事の通り、やはり「龍虎、相打つ」・・・
我が愛する広島カープは、鯉ですから。。。
龍や虎に比べてなんとも弱そうです。


at 01:30|Permalink

2007年12月08日

清々しい

今日は、緑泉会の定例会。
私は、仕舞「巻絹」を舞わさせて頂きました。


今日は、納会ということもあって、お客様も一杯でした。
会場の喜多能楽堂は、東京の能楽堂では珍しく2階席のある舞台です。
上からも視線を浴びながら舞うのって、なかなか緊張いたします。

この喜多能楽堂は、この春改修工事を行って、舞台の板を新しくしました。

今は、檜の白木の清々しい舞台です。

ほんのり漂う檜の香の中で舞うのは、案外気持ち良かったです。

実は、この舞台が竣工した直後の4月に、緑泉会で能「葵上」を舞ったのですが、その時は全く余裕が無く、檜の香なんて全く感じられませんでした。
能面をつけていますので、白木の清々しさなんてのも当然感じられません。

今日しみじみと、檜の白木の良さをかみしめました。


学生の頃、伊勢神宮に行ったことがあります。
歴史のある神社なので、さぞかし重厚な建物かと期待して行ったら、真っ白な社殿でビックリしました。

伊勢神宮は、20年ごとに遷宮して建物を建て替えていると、ニュースで言っていたのを思い出しました。

日本人は、古来より白木の清々しさに神が宿ると感じているんだなあ。。

しかし私は、白木の清々しさも好きなのですが、矢来能楽堂のように、長い年月をかけて使い込まれて、飴色になった檜の重厚さも大好きです。

その檜の上で繰り広げられた数々の名演の歴史が染み込んだかのような年輪を感じます。

舞う側からすると、舞台から歴史に裏打ちされた存在感やエネルギーを感じられ、やはりしっくりときます。


一番嫌いなのは、せっかく歴史と年輪を刻んだ舞台の表面を削って、見かけだけ白木のように見せかけられた舞台です。

そこには、白木の持つ清々しさも、飴色の檜のもつ重厚さもありません。

残念ながら、そういう処置をしている能楽堂もあります。

そういう舞台に立つと、「何かしっくりいかないなあ。。。」
と、思ってしまいます。


at 21:45|Permalink