2006年08月

2006年08月29日

功名が辻

先日の日曜日、大河ドラマ「功名が辻」に出演しました。

といっても、能楽師役としてチョコっと出ただけです。
でも、さすが大河ドラマですね。何年も会っていない友人や親類から、バンバン電話がかかってきました。
タイトルロールにしっかり名前があったからでしょう。


チョンマゲして、神妙に座っている私を見たい方は、今週土曜日の13:05分からの再放送をご覧下さい。


at 22:04|Permalink

2006年08月25日

訃報

最近、悲しい別れに接しました。

まず、九皐会の先輩の坂 真次郎師。

私にとって、大学の先輩でもあり、公私共にお世話になりました。
九皐会に入門した時、楽屋でどうしたらいいのか分からず途方にくれている私を、さりげなくフォローして下さり、たいへん心強かったです。


もう一人は、私の鼓の師匠の鵜澤速雄先生。
7月に気合いのこもった「融」の「十三段之舞」を見ただけに、
「え!! あんなに元気だったのに……」


鵜澤先生の鼓のお稽古はたいへん厳しかったです。
お稽古に行く時は、足どりが重くて、さらには稽古場になかなか入れなくて、前を行ったり来たりしたものでした。

私が初めて自主公演「小鍛冶」をした時、鼓を打って頂きました。

「そうか、お前の会か。小鍛冶なんて打つの久々だなあ。最近、江口とか野宮とかばっかりだからなあ」
と嬉しそうにお受け下さったのは、忘れられません。
それが、最初で最後のお相手でした。


たいへんお世話になった、坂真次郎師と鵜澤速雄師。
慎んで御冥福をお祈り申し上げます。


at 08:22|Permalink

2006年08月21日

小金井薪能

日曜日は小金井薪能。

この薪能は、広大な小金井公園で行われる、雰囲気の良い薪能です。

今年の番組は「石橋」の「師資十二段」
シテの白獅子に、赤の子獅子が3体登場します。
この暑い中、獅子たちは豪快に走り回って、飛びはねてました。

私は地謡だったのですが、人手不足により、一畳台の出し入れもしました。

一畳台を出して、舞台を横切る時。舞台の真ん中で悠然と臥しているクワガタとカメムシを発見しました。

なにせここは、自然豊かな小金井公園。虫はそこら中にいます。

でも、「石橋」の時はまずい。誰かが飛びかえりの時なんぞに踏み潰したら、特にカメムシなんかは始末に終えない。

一旦は作法通り舞台奥に控えましたが、もう一度舞台に戻って虫の捕獲に戻りました。

クワガタは右手ですっと捕まえたのですが、カメムシは舞台上で跳ねていきます。逃がすもんかと、左手でむんずと捕まえました。そのころ、右手のクワガタも暴れまくり、わたしの手のひらを挟んできました。
私の左手は、カメムシの強烈な匂いで充満し、右手はクワガタに挟まれイタタタ・・・

カメムシの匂いは、家で風呂に入っても取れませんでした。




at 01:28|Permalink

2006年08月14日

創作能「トキ」

昨日は、佐渡で薪能。演目は創作能「トキ」

この作品は、地元の小学生がトキについて詠んだ詩をもとに作られた能です。

随所に子供らしい描写が出て来ます。
そして、一番の特徴は鼓童との共演。

佐渡といえば、鼓童の本拠地。
創作能「トキ」の中に、村人として鼓童のメンバーが登場します。
時には歌い、時には踊り、そして太鼓を囃します。

鼓童って、太鼓のグループですが、太鼓の演奏の幅を持たせるため、様々な稽古をしていると聞いております。
歌や踊りはもちろん、茶道やお花などのお稽古もするようです。最近では能や狂言の稽古も行っているそうです。

鼓童のメンバーは、本職の太鼓の演奏のため、日本文化を広く学んでおります。能狂言までも。

そんな方々との共演は、なかなかいい成果だったように思います。


創作能「トキ」のあらすじは、村人たちの前にトキが現れ、優雅に舞を舞うというごく単純なもの。
イメージとしては、能「鷺」に近いと思います。

まだまだ未完成な作品ですが、もっと錬れば良いものとなっていくと思います。
地元佐渡の人達は、来年も是非「トキ」を上演して欲しいと願っているようです。
また佐渡で「トキ」をやりたいと思いました。


佐渡って、本当に芸能が盛んな所です。
特に能はとても盛んでして、佐渡にある能舞台は30は下らないそうです。
それぞれの舞台で、色んな芸能が行われているようです。
地域の文化の発信元として能舞台が使われていると聞いて、何だか嬉しく思います。

昨日の薪能も、「トキ」の前に、ハワイからきたダンサーによるフラダンスと鼓童の演奏が行われ、お客様は様々な芸能を堪能してました。

芸能好きの佐渡の人達とお話しするのは、楽しい体験です。
昨日も終演後の宴会で、鼓童の人達と楽しくお話しさせていただきました。
次佐渡に行く時は、鼓童村に行ってみたいと思います。



ところで、今は東京に帰る新幹線の中。
東京を3日間空けました。

伝え聞く話しによると、一昨日は落雷によって停電し、今朝は、クレーン船が送電線をキズつけてかなり広範囲に渡って停電している模様です。

私の家は、送電線事故の現場のすぐ近く。
我が家はどうなっているのでしょう。


at 15:11|Permalink

2006年08月13日

お盆ラッシュの中

お盆の帰省ラッシュの中、旅巡業しています。


昨日は、指導している明治大学能楽研究部の合宿に行きました。
場所は群馬の水上温泉。今年は、日程の都合がつかず最終日のみの指導。
一昨日は「のうのう能」。
終わった後大宴会でろくに寝れないまま、朝6時前に家を出て、8時半に到着。9時からはもう稽古してました。
最終日ということで、夕方行われる発表会に向けて猛稽古。

特に今年は、創部55周年の記念大会が秋にあります。
全て学生による能「猩々」が出されます。

今回の合宿は、能「猩々」にむけての強化合宿となりました。


夜合宿を打ち上げた後は、恒例の大宴会。
私は、前の晩からの疲れにより、早々に(といっても日付が変わってかなりたつ頃でしたが)寝ましたが、学生達は朝まで飲んでいたようです。

いやあ、若いって素晴らしいですね。


明けて今日は、佐渡へ移動。夜薪能があります。
番組は、創作能「トキ」!!

どんなことになることやら。


それにしても、お盆とあって、どの乗り物も行楽客や帰省客でごった返しています。
こんな中、大荷物抱えて旅巡業は、ツラいです。
世間が遊んでいる時に仕事するのが、我々の定めですから。


at 12:58|Permalink