2006年06月

2006年06月10日

「清経」御礼

本日九皐会にて「清経」を勤めました。
多くのお客様にご来場いただきました。御礼申し上げます。

長引く風邪はどうにか薬でごまかし、何とか体調は整えました。

昨日、仕事をあえて入れず、一日オフにしてました。
前の日ながら、申合で感じた修正点を調整して、自分なりに納得できる稽古ができたように思います。

そのせいか、今日は落ち着いて出来たのではないでしょうか。
「清経」は舞が多い曲ですが、気持ちよく舞えました。

九皐会という大舞台で能を舞うのも5曲めです。
まだまだ余裕はありませんが、それなりにペースがつかめたかなと感じております。


シテの前ですので、仕事をセーブしておりましたので、明日からその分忙しい日々が続きます。
体調を崩さないように、頑張っていきたいと思います。


at 23:03|Permalink

2006年06月07日

清経

今日は、九皐会の申合。今月私は「清経」を舞います。

この曲、特にクセは大好きな舞でして、前からやりたかった曲です。
でも、やってみて大苦戦です。

やはり一番難しいのは、舞台に出て最初に謡うところです。
妻の枕元に立つ清経は、自分が自害した経緯を妻にとつとつと語ります。

夢枕に呆然と現れる場面なので、あまり激しく強くは謡えません。
そうは言っても武将の出で立ちですので、芯には強さが欲しいところです。
長い独白の形ですので、情緒たっぷりに心持を持って謡いたいところですが、あまりたっぷり謡うと間延びしてしまい、どうにも聞き苦しくなってしまいます。

色々思うところがあって、自分なりに謡ってみました。

何せ、シテが出てきて約5分位ずっと謡っています。この謡で「清経」という曲の良し悪しが決まるといっても言いすぎでは無いでしょう。

当日までに、もう少し練っておこうと思います。


ところで、申合終了後、前々より注文していた「鬘」を取りに行きました。
「鬘」とは、女性の役の頭に付ける髪です。そうです、あの黒くて真直ぐな髪の束です。
能では、「かつら」とはいいません「かずら」と言います。

私は今まで持っていませんでした。初の購入です。

鬘屋さんで鬘を受け取り、紙袋に入れて喜び勇んで帰りました。
帰りの地下鉄は、そろそろ夕方のラッシュとなり、けっこう混んでいます。
両手一杯の荷物を抱えていたので、鬘の入った紙袋は足元に置いています。
そのとき、不意に地下鉄が揺れました。

足元の紙袋は倒れ、中から鬘がすべり出てきました。


混雑した地下鉄の床に広がる、長い女性の髪!!!


周囲の人が恐れおののいたのは、言うまでもありません。


at 23:50|Permalink

2006年06月04日

風邪

うーん、風邪が治りません。
もう三週間以上続いております。


昨日一昨日と、またもや大阪へ行ってきました。
今度は師匠の素人会です。
金曜日は例の如く午前中で申し合わせが終了して、午後からフリーでしたが、今回は昼ビールは止めときました。

土曜日曜と、素謡会が続くので、覚えなくちゃならない曲がたくさんあったからです。

だいたい、風邪のせいか最近ビールがちっとも美味しくないです。
人それぞれ、健康のバロメーターはあると思います。私の場合、ビールが美味しく感じられない時は、体調が悪い証拠のようです。


まあ、そんな訳でせっかくの大阪での半日休みを、謡を覚えて費やしました。


能楽師の休日って、だいたいこうじゃないですかねえ。
そもそも、1日何もない日なんて月に一日か二日ですから、少しでも空いた時間は、常に何か覚えております。

風邪を治すには、何も考えずにボーっと体を休めるのが良いのだそうです。覚えものがある以上、なかなか治りそうにありません。
ということは、一生治らないってことですか。


来週は、九皐会で「清経」を舞います。体調管理も役者の務めです。
しっかり、調整して頑張りたいと思います。


at 13:00|Permalink