2006年04月

2006年04月30日

道成寺

今日は、九皐会別会。
兄弟子の「安宅」と「道成寺」の披キがありました。

特に「道成寺」は、能楽師にとって大事な番組。
楽屋一同、たいへん緊張して勤めました。


私は、「安宅」の地謡と「道成寺」の鐘後見。

前述の通り、鐘後見はとてもナーバスになります。

なんとか滞りなく勤められました。
鐘入りも、とても綺麗でした。
何といっても、鐘を引いたのは百戦錬磨の観世喜之師匠です。とても堂々と鐘を扱っていらっしゃいました。

シテも安心して、落ち着いて舞ってました。


私もそのうち「道成寺」に挑戦することになると思います。
心して、精進していきたいと思います。


at 22:51|Permalink

2006年04月26日

鐘後見

今日は、九皐会別会の申合。
番組は「安宅」と「道成寺」という、現行曲の中でも1、2を争うスペクタクル溢れる番組が揃いました。正に、盆と正月が一緒に来たかのような騒ぎです。楽屋はもう、てんてこ舞い。

チケットは、なんと売り出し開始2日で売り切れてしまいました。

私は、「安宅」の地謡と「道成寺」の鐘後見。
鐘後見はたいへん緊張する役です。

「道成寺」は能楽師の卒業試験とも言われる曲です。これを演じて初めて能楽師は一人前と認められます。
見どころは、何と言っても舞台に吊り下げられた鐘が落ちる中に、猛然と飛び入っていく鐘入りのシーン。
鐘の重さは60kgから80kgはあるといいます。一歩間違えれば演者の命すら危ない、たいへん緊迫するシーンです。
その鐘の上げ下げを執り行うのが、鐘後見です。
いわば、シテの命を預かる大切な役です。

鐘の扱いに関しては秘事口伝が多く、多くは語れませんが、その重圧は推して知るべしでしょう。
鐘後見5人が息を合わせて、鐘を扱います。誰か一人でも何らかの失敗をすると、鐘は正常には動きません。
全く気の抜けない重圧がのしかかります。
鐘後見は能のほとんどの時間は座っているだけで、謡は一言も発しません。ただ、たいへん疲れます。終わった後は、グッタリです。

重い物を持ち上げるので、重労働なのですが、能舞台の上で汗かいて踏ん張る訳にいきません。
あくまで、涼しい顔をして、舞台の雰囲気を壊さないように何気なく振舞います。
何気なくやるのが、また難しいんですよ。


能は一人では出来ない芸能と言われますが、それを一番思い知るのは「道成寺」ではないでしょうか。

心して、鐘後見を勤めたいと思います。


at 23:18|Permalink

2006年04月21日

高齢化社会

今日は、矢来で「のうのう能」でした。
この催しは、5月にNHK教育テレビで5月13日(土)に、「能狂言鑑賞入門」の番組内で放送されますので、是非ご覧下さい。

今日の催しは、とても若い演者によって行われました。若者のパワーを存分に発揮出来たと思います。

ところでこの前、面白い芝居を見ました。
去年の北欧公演でご一緒した女優さんの舞台です。

この芝居は、面白いことに老人ホームが舞台となっています。
当然、出てくる役者は老人だらけ。
といっても、みな名うてのベテラン大女優たちです。
とても元気に、ハツラツと演じていました。
私の知り合いの女優さん(若手の美人女優です)も頑張っていましたが、ベテラン女優たちの迫力にタジタジの様子。

能だと、大ベテランの熟練された舞台というのが最上のものとされます。
若者は、ハツラツと頑張ることが大切であり、芸の円熟ではベテランたちには逆立ちしたってかないません。

演劇界も、やはり同じなのでしょう。
ベテランたちの落ち着いた演技は安心して見ていられます。

楽しい芝居でした。


at 22:40|Permalink

2006年04月16日

福岡へ

今日は、福岡にて能の公演。日帰りです。

福岡まで日帰りというと驚かれますが、割と普通のことです。
羽田から飛行機に乗れば1時間半ですから、結構余裕があります。朝少しゆっくり出たって昼前に着きます。夕方まで舞台を勤めると、軽く食事して夜の便で帰って来ます。
航空網の発達により、全国どこでもコレでOK。
少し味気ないですけど。

ところで、博多の玄関口の福岡空港って、大好きです。
なぜって、近いから。

博多駅まで、地下鉄で5分。繁華街の中洲からタクシー乗っても15分あればラクラク着きます。

空港って騒音の問題とかで、全国どこでもだいたいは不便な所にあります。
それを思うと、福岡空港は異例に近い。
空港まですぐ行けるということは、その分長くとんこつラーメンとビールが楽しめます。
それが何よりです。


at 22:26|Permalink

2006年04月14日

お詫び

最近、迷惑コメントに悩まされています。

前回、9日の九皐会の記事を載せたところ、エッチ系サイトにつながる変なコメント(スパムコメント)がたくさん寄せられるようになりました。

どうも前回の日記に、この時期に日本中で話題になる、ピンクの花のことを記事に書いたのが良くなかったようです。
犯人は、そのピンクの花や、それを見ながら宴会をする日本の風習に反応してコメントを自動で送ってくるようです。

そんなこんなで、前回の記事は削除しました。
すると変なコメントは、今のところ入らなくなりました。
とりあえず、ホっとしました。また、この記事に変なコメントが付かないことを祈ります。

はからずも、この日記に寄せられた変なコメントに付いているWEBをクリックして、不快な思いをされた方、申し訳ございません。
また、今後怪しいコメントが入っていた場合、送信者をクリックしないで下さい。

変な書き込みがこれ以上続くようですと、何らかの対策を採ろうと考えています。(最悪、ブログの運営会社を変えたりとか・・)
普通のコメントは、ドシドシお寄せ下さい。お待ちしています。


at 23:38|Permalink