2005年09月

2005年09月10日

東京から

日本に戻って来て2日たちます。
取りあえず、無事に帰ってこれました。

ようやく、落ち着きを取り戻し、久々にパソコンを開けて、ロンドンで書いた日記を立ち上げました。

ロンドンに着いて以来、全く日記が更新されていませんでした。

一部では、大都会のロンドンで、日記なんぞ書くヒマなく遊びまわっていたんだろう。などとウワサされていました。

いえただ単に、ホテルにパソコンを接続する環境がなかっただけです。
送信はできなかったけど、書くことは書いていました。

まあ、毎日呑んだくれていたのは本当です。
というのも、缶ビールが400円位した北欧に比べて、ロンドンはビール天国。
ビールが主食の私には嬉しい限りでした。


今日はこれから、中野でロウソク能。
帰国そうそう、昨日から3日連続、舞台でのお仕事。
時差ボケとか、感じているヒマありません。


at 13:43|Permalink

2005年09月07日

ロンドンから 2

ロンドンでの公演が終わりました
スウェーデンのストックホルムから始まって、3カ国4都市を回ったツアーもこれでおしまいです。

長いツアーでしたので、いろんなことがございました。
特に今回は、能と現代劇との共演でしたので、演劇側のスタッフがたくさん同行していました。

普段の能の公演にはスタッフはほとんど存在しません。
そもそも能は、音響や照明は要りませんし、大道具や小道具、衣装などは自分達でやります。演出や舞台監督もいません。

今回の「ふたりのノーラ」ツアーでは、たくさんのスタッフに支えられ、そのおかげで、我々能楽師たちも舞台に集中できました。
もちろん、出演者以外だけで催しは出来ません。
能の催しもそうなのですが、その数が少ないだけに、つい、見過ごされてしまいます。

私たち能楽師も、一生懸命頑張りました。でも私たちは、このツアーに能楽師として雇われたに過ぎず、本当にこのツアーを企画し、運営してきた方々こそ、今日の公演を無事終えてホッとしていることでしょう。

また、今回のスタッフ達は、公演に関してだけに留まらず、長いツアー、夜な夜な飲み明かした呑み仲間でもあります。

この日の公演の千秋楽を、共にツアーの成功にむけて頑張った仲間に捧げたいと思います。

そして、留守宅を守ってくれた、それぞれの家族にも深く感謝いたします。


さあ、明日は日本です。


at 08:21|Permalink

2005年09月04日

ロンドンから

ロンドンに着きました。着いて第一声。
「う、暑い」

といっても最高気温は24度ほど。今まで、最高気温18度なんて所で暮らしていたもんで、えらく暑く感じます。日本に帰った時の暑さを想像すると恐ろしいです。
ノルウェーを発つ時に着ていたセーターは、速攻で脱ぎました。

演じる場所は、「Royal Academy of Dramatic Art」、まあ、つまり国立の演劇学校の中でもトップの学校の所有する劇場です。

そう聞いて、イギリスには国立の演劇学校がいくつもあることにまず驚かされます。
その中でトップ校だけあって、設備も一級品。
さすが演劇の街だなあと感心します。

ロンドン在住の知人と会って、中学生の息子と話していると、学校で演劇をやっているという。
演劇部にでも入ったのかと思って聞いてみると、イギリスには普通の学校でも演劇という科目があるそうです。

数学や国語、音楽なんかと並んで、演劇という授業をみな受けています。
演劇とは、自己表現を学ぶ手段として捉えられ、社会生活を送る上で不可欠とみなされている訳です。

さすが演劇の本場。
小さい時から、必ず演劇を学んでいるイギリス人。そのなかでも、世界中から集まってきている様々な商業演劇を見慣れているロンドン人は、演劇を見る目が世界一厳しいと言われているそうです。

その中での公演。身が締まります。


at 12:25|Permalink

2005年09月03日

ベルゲンから 2

ベルゲン公演、無事に終了いたしました。

狭い会場でしたが、満員の盛況。
毎日、同じ「ふたりのノーラ」を演じていますが、そこは人間がやること、少しずつ変わっています。

今回の劇場は、常設の劇場でないので声が響かないという特徴がありました。
謡や囃子が、生の音で聞こえるようです。

地謡を謡っていると、声の跳ね返りがないのでどうしても力み過ぎてしまいます。いつもより、地謡のヴォリュームが凄かったと言われました。
でも、そこはやはり百戦錬磨の役者達です。地謡がカカッテくると、上手く引いて演技していました。

全体のバランスとして、今までと毛色の違った「ふたりのノーラ」となったようです。

今日で、ノルウェーを後にします。次はいよいよ最終目的地、ロンドンです。


at 19:03|Permalink

2005年09月02日

ベルゲンから

今、ノルウェー第2の都市、港町のベルゲンに来ています。

第2の都市といってもこじんまりとした街で、周辺のフィヨルド見学の拠点となる観光都市です。
ただ、昔はノルウェーの首都でして、歴史的な建物が並びます。

ストックホルム、シーエンと、クラシカルな劇場でしたが、今回は近代的な建物でした。
そのなかで、昨日がリハーサルで今日が本番。

昨日も新聞社の取材を受けていました。
能でイプセン劇をあるのがよっぽどめずらしい(まあ、そうだろうな)ようで、連日新聞、TVから取材攻め。
シテの津村氏は、ノルウェーでちょっとした有名人かも。


昨日は、地元の日本人から聞いた、くじら料理の店へ行きました。

うーん、美味。くじらの刺身が絶品。

ノルウェーは日本と並んで捕鯨国で、世界中で2カ国だけ、捕鯨禁止に反対しているようです。

思わぬところで共通点を発見。


at 18:42|Permalink