2005年07月
2005年07月31日
狩野川薪能
昨日、狩野川薪能、無事に終わりました。
今回は、「鞍馬天狗」の前シテという大役を頂き、気合充分でした。
とはいっても、やはりその前に行なわれた創作子ども能「江間の小四郎」の出来が気になります。
「江間の小四郎」は、地元の民話を元にした子供用の能です。2月から、台本作りに始まって、ずいぶん熱心に取り組みました。同じく子供の稽古を担当した能楽師たちと、今年の子供能の方針を、話し合いを重ね、文字通り手作りのいい舞台になったと思います。
思い起こすと、子供たちと過ごした半年間、色々なことがありました。
小学生の頃って、半年もたてば全く別人のようになりますよね。
最初は、頼りなかった子供たちが、最後は頼もしく思えてきました。
十歳前後の子供なのに、プロの能楽師と一緒の舞台に立つという責任を真摯に受け止める子。大人の都合で決められた運営上の不備を上手く汲み取って私達をフォローしてくれる子。率先してムードメーカーとなって周りの子を引っ張る子など、様々です。
まず、挨拶から始まり、子供たちと身体をぶつけ合った稽古は、私にとっても良い思い出となりました。
当日の「江間の小四郎」の出来は、素晴らしいものでした。今まで稽古した中で、最高のものが出せたと思います。
子ども能で疲れ果てて、「鞍馬天狗」は、かえって自然体で出来ました。
私、シテの前は、緊張するのは当然として、いつもとにかく落ち着かないのです。
先週の「箙」など、そのせいか力みすぎたと反省しています。
今回は、変な力みはなく出来たと思います。
まあ、いつもながら精一杯させていただきました。
狩野川薪能、本当にいい催しだと思います。
この薪能は、大倉流大鼓の大倉正之助氏が主催となり、その趣旨に賛同した能楽師たちがお手伝いしております。
この催しに関われて、良かったと思います。
今回は、「鞍馬天狗」の前シテという大役を頂き、気合充分でした。
とはいっても、やはりその前に行なわれた創作子ども能「江間の小四郎」の出来が気になります。
「江間の小四郎」は、地元の民話を元にした子供用の能です。2月から、台本作りに始まって、ずいぶん熱心に取り組みました。同じく子供の稽古を担当した能楽師たちと、今年の子供能の方針を、話し合いを重ね、文字通り手作りのいい舞台になったと思います。
思い起こすと、子供たちと過ごした半年間、色々なことがありました。
小学生の頃って、半年もたてば全く別人のようになりますよね。
最初は、頼りなかった子供たちが、最後は頼もしく思えてきました。
十歳前後の子供なのに、プロの能楽師と一緒の舞台に立つという責任を真摯に受け止める子。大人の都合で決められた運営上の不備を上手く汲み取って私達をフォローしてくれる子。率先してムードメーカーとなって周りの子を引っ張る子など、様々です。
まず、挨拶から始まり、子供たちと身体をぶつけ合った稽古は、私にとっても良い思い出となりました。
当日の「江間の小四郎」の出来は、素晴らしいものでした。今まで稽古した中で、最高のものが出せたと思います。
子ども能で疲れ果てて、「鞍馬天狗」は、かえって自然体で出来ました。
私、シテの前は、緊張するのは当然として、いつもとにかく落ち着かないのです。
先週の「箙」など、そのせいか力みすぎたと反省しています。
今回は、変な力みはなく出来たと思います。
まあ、いつもながら精一杯させていただきました。
狩野川薪能、本当にいい催しだと思います。
この薪能は、大倉流大鼓の大倉正之助氏が主催となり、その趣旨に賛同した能楽師たちがお手伝いしております。
この催しに関われて、良かったと思います。
at 23:53|Permalink│
2005年07月25日
若竹能
若竹能、何とか終了いたしました。満員のお客様で埋まり、ただでさえ効かないと悪評高い矢来能楽堂の冷房が、機能せず、暑い思いをされたかと思います。
それだけ、熱気満々の舞台でした。
「箙」の前場は直面なのですが、本格的な直面物は初めてでした。
いやあ、緊張しました。当然ですが、キョロキョロできないし、まばたきもはばかられます。
私はあまり汗かきではないのですが、それでも昨日の暑さでは汗ダラダラ。汗だくの顔ながら、涼しい顔して舞台を勤めるのは大変なのです。
能舞台の観客席は明るいので、お客様の反応が直に感じられます。刺激的な感覚でした。
後場はいつものことなのですが、「あっという間に終わった」って感じです。
稽古でやったものを、そのまま精一杯やっただけ。
今日はこれから、今週末にある狩野川薪能の申合せです。
私は「鞍馬天狗」の前シテをさせていただきます。
またもや直面物です。
さあ、頭を切り替えて頑張ります。
それだけ、熱気満々の舞台でした。
「箙」の前場は直面なのですが、本格的な直面物は初めてでした。
いやあ、緊張しました。当然ですが、キョロキョロできないし、まばたきもはばかられます。
私はあまり汗かきではないのですが、それでも昨日の暑さでは汗ダラダラ。汗だくの顔ながら、涼しい顔して舞台を勤めるのは大変なのです。
能舞台の観客席は明るいので、お客様の反応が直に感じられます。刺激的な感覚でした。
後場はいつものことなのですが、「あっという間に終わった」って感じです。
稽古でやったものを、そのまま精一杯やっただけ。
今日はこれから、今週末にある狩野川薪能の申合せです。
私は「鞍馬天狗」の前シテをさせていただきます。
またもや直面物です。
さあ、頭を切り替えて頑張ります。
at 12:46|Permalink│
2005年07月20日
御用邸能楽サロン
昨日、19日は沼津の御用邸で第1回の御用邸能楽サロンが行なわれました。
御用邸能楽サロンとは、初心者のための能楽入門体験講座です。いつも行なっている「能に親しむ会 能楽講座」に体験講座をドッキングしてみました。これから半年に渡って、能の様々な魅力を語りつつ、能の謡と舞も体験してみよう、という講座です。
場所は、なんと沼津御用邸の東附属邸。
沼津御用邸は、今では記念公園となっておりますが、30年前まではその名の通り天皇家の別荘でした。中でも東附属邸は明治36年に、赤坂離宮東宮大夫官舎を移築した歴史的な建物で、皇太子の御学問所として使用されていました。昭和天皇も今上天皇もここで御学問をお修めになったそうです。
能楽サロンを行なっている第一学問所は、昭和天皇が皇太子時代に学ばれた部屋を当時の間取りのまま残してある由緒正しいお部屋。
「昭和天皇が学ばれたお部屋で、能の勉強をする・・・」
いい響きですねえ。講座の参加者は、そのシチュエーションも楽しんでいらっしゃいました。
当初は、少人数でゆっくりとサロンの雰囲気を味わいながら能の話と体験をする予定でしたが、思いのほか申込みが殺到いたしまして、部屋はギュウギュウ詰めでした。まあ、その分参加者の熱気が伝わり(実際に暑かったのですが)、白熱した講座となりました。
これから半年間、皇室の気分を少し味わいながら、優雅に楽しく、能の魅力を紹介できればなあと思っています。
講座の模様が、静岡新聞に紹介されました。一週間位は見れるようです。覗いてみてください。
http://www.shizushin.com/local_east/20050720000000000026.htm
御用邸能楽サロンとは、初心者のための能楽入門体験講座です。いつも行なっている「能に親しむ会 能楽講座」に体験講座をドッキングしてみました。これから半年に渡って、能の様々な魅力を語りつつ、能の謡と舞も体験してみよう、という講座です。
場所は、なんと沼津御用邸の東附属邸。
沼津御用邸は、今では記念公園となっておりますが、30年前まではその名の通り天皇家の別荘でした。中でも東附属邸は明治36年に、赤坂離宮東宮大夫官舎を移築した歴史的な建物で、皇太子の御学問所として使用されていました。昭和天皇も今上天皇もここで御学問をお修めになったそうです。
能楽サロンを行なっている第一学問所は、昭和天皇が皇太子時代に学ばれた部屋を当時の間取りのまま残してある由緒正しいお部屋。
「昭和天皇が学ばれたお部屋で、能の勉強をする・・・」
いい響きですねえ。講座の参加者は、そのシチュエーションも楽しんでいらっしゃいました。
当初は、少人数でゆっくりとサロンの雰囲気を味わいながら能の話と体験をする予定でしたが、思いのほか申込みが殺到いたしまして、部屋はギュウギュウ詰めでした。まあ、その分参加者の熱気が伝わり(実際に暑かったのですが)、白熱した講座となりました。
これから半年間、皇室の気分を少し味わいながら、優雅に楽しく、能の魅力を紹介できればなあと思っています。
講座の模様が、静岡新聞に紹介されました。一週間位は見れるようです。覗いてみてください。
http://www.shizushin.com/local_east/20050720000000000026.htm
at 19:13|Permalink│
2005年07月18日
大河ドラマ
いよいよ、若竹能まであと一週間となりました。
このところ、大河ドラマ「義経」が見逃せないです。若竹能の「箙」に合わしたかのごとく、ドラマでは「一の谷の合戦」が進行中。
以前、梶原景季はあまり有名な武将じゃないから、大河ドラマには出てこないかもといいましたが、どっこい出てきます。
小栗旬という、若手の二枚目俳優が演じています。
役どころもなかなかエエ役。かなり目立つ役回り。
きっと、一の谷の合戦では、生田の森で梅の枝を挿して華々しく戦うんだろうと期待して見ていますと、景季は生田の森でなんか戦いやしない。義経と共に一の谷のヒヨドリ越えしてました。
うーん、景季には平家物語通りに振る舞って欲しかったんですが・・・
まあ、よしとしましょう。
しかし、一の谷には他にも数々のドラマがありました。
能の中だけでも、忠度・通盛・経正・敦盛・知章の討ち死になど、たくさんの武将の悲哀が詰まってます。
しかし、大河ドラマはその全てを完全に無視。平重衡の生け捕りはかろうじて触れられてましたが。
まあ、主人公は義経だから仕方ないですね。
このところ、大河ドラマ「義経」が見逃せないです。若竹能の「箙」に合わしたかのごとく、ドラマでは「一の谷の合戦」が進行中。
以前、梶原景季はあまり有名な武将じゃないから、大河ドラマには出てこないかもといいましたが、どっこい出てきます。
小栗旬という、若手の二枚目俳優が演じています。
役どころもなかなかエエ役。かなり目立つ役回り。
きっと、一の谷の合戦では、生田の森で梅の枝を挿して華々しく戦うんだろうと期待して見ていますと、景季は生田の森でなんか戦いやしない。義経と共に一の谷のヒヨドリ越えしてました。
うーん、景季には平家物語通りに振る舞って欲しかったんですが・・・
まあ、よしとしましょう。
しかし、一の谷には他にも数々のドラマがありました。
能の中だけでも、忠度・通盛・経正・敦盛・知章の討ち死になど、たくさんの武将の悲哀が詰まってます。
しかし、大河ドラマはその全てを完全に無視。平重衡の生け捕りはかろうじて触れられてましたが。
まあ、主人公は義経だから仕方ないですね。
at 07:17|Permalink│
2005年07月12日
たまには書かなければ
タイトルで察しが突くと思いますが、随分日記の更新を怠っております。
ここのところ舞台が立て込んでおりまして、なかなか書けなかったのです。
その間にも、書きたいネタは山積みなのですが、いささか時期を逸してしまい、お蔵入りのネタもたくさんあります。うーん、書きたい。
一つだけ書きます。
先週の水曜日、地元江戸川区で、能に親しむ会の講演会がありました。やはり、「箙」の話しに大きく時間を割きました。
これで、「箙」関連のお話会を3度行ないました。そこで、決まって話した事があります。
「この能のシテの梶原源太景季は、源氏の中でも風流を愛し、雅やかな武将です。源氏一のイケメンだったとも言われています。
その景季を、私、直面(能面をかけない素顔の状態)で演じさせていただきます。」
すると3会場とも、大爆笑がおこりました。おかしいなあ、ギャグ言ったつもりはなかったんですが・・・
日曜日は、九皐会の定例会でした。
「七騎落」「水無月祓」「張良」と珍しい番組が続いた後、私達の師匠であります、観世喜之先生の、芸術院賞の受賞を祝うパーティーがありました。といっても九皐会のメンバーによる内々の小宴です。
なんといっても、芸術院賞です。芸術家にとって、頂点とも言える賞です。門下にとってもこの上無い喜びです。
先月20日に行なわれた授賞式では、天皇陛下直々に授与があり、その後宮中でのお茶会にも招かれたそうです。
本当におめでたいことであります。心より御慶び申し上げます。
ここのところ舞台が立て込んでおりまして、なかなか書けなかったのです。
その間にも、書きたいネタは山積みなのですが、いささか時期を逸してしまい、お蔵入りのネタもたくさんあります。うーん、書きたい。
一つだけ書きます。
先週の水曜日、地元江戸川区で、能に親しむ会の講演会がありました。やはり、「箙」の話しに大きく時間を割きました。
これで、「箙」関連のお話会を3度行ないました。そこで、決まって話した事があります。
「この能のシテの梶原源太景季は、源氏の中でも風流を愛し、雅やかな武将です。源氏一のイケメンだったとも言われています。
その景季を、私、直面(能面をかけない素顔の状態)で演じさせていただきます。」
すると3会場とも、大爆笑がおこりました。おかしいなあ、ギャグ言ったつもりはなかったんですが・・・
日曜日は、九皐会の定例会でした。
「七騎落」「水無月祓」「張良」と珍しい番組が続いた後、私達の師匠であります、観世喜之先生の、芸術院賞の受賞を祝うパーティーがありました。といっても九皐会のメンバーによる内々の小宴です。
なんといっても、芸術院賞です。芸術家にとって、頂点とも言える賞です。門下にとってもこの上無い喜びです。
先月20日に行なわれた授賞式では、天皇陛下直々に授与があり、その後宮中でのお茶会にも招かれたそうです。
本当におめでたいことであります。心より御慶び申し上げます。
at 02:48|Permalink│