2005年04月

2005年04月07日

ある母の物語

今日は、例のデンマーク語で地謡を謡わなければならない「ある母の物語」の日。

昨日から一日中、デンマーク語の地謡のテープを聞いてました。おかげで今でもデンマーク語が頭の中でリフレインしています。意味はさっぱりわかりませんが。
「ある母の物語」、デンマークのオペラ歌手との共演でどうなることかと思いましたが、終わってみれば上手くいった様に思います。能とオペラって、案外共通点があると感じました。
どちらも、大きな動きはなく、限られた所作と歌で表現しますので、噛み合わせがよいですね。
同じ文句を、オペラ歌手と地謡で謡う(歌う)ところが何ヶ所かでてくるのですが、いい調和だったのではないでしょうか。高音で華やかに歌うオペラ歌手と低音で力強く謡う地謡の対比は、聞きごたえあったと思います。

さあ、明日は九皐会の申し合わせで、そのまま沼津に行って明後日は沼津公演の当日。
頭を日本語に切り替えて頑張ります。
ああ、でも頭のなかはデンマーク語がリフレイン。

「お ぶろむすとぅ れねてぃみ あん」
「おどぅ でん ぎく。 めへ ねす ばん。いんいで うべ けんて。らん」


at 23:12|Permalink

2005年04月06日

デンマーク語

昨日、船弁慶の申合せ、何とか終わりました。いよいよ当日が迫ってきました。

あとは、良い舞台をつとめるため努力するだけなのですが、その前に厄介なものがあります。
明日、梅若能楽学院で催される「ある母の物語」です。何が大変って、地謡がデンマーク語なんです。

この作品は、原作がかのデンマークが誇る童話作家のアンデルセン。今年は生誕200年ということで、各地で様々なイベントが行なわれてますが、その一環としてこの催しは計画されました。11月から12月にかけてデンマークで公演を行なうのですが、それに先駆けて日本でのプレ公演ってわけです。
デンマークでやることを前提に作られたから、地謡もデンマーク語なわけです。なんと言っても、節付けをした兄弟子のN氏には頭が下がります。
デンマーク語を、能の節に作曲したわけですから、並みの努力ではありません。
それにしても、謡う方も並大抵のことではありません。何せ、デンマーク語など全く分からない。デンマーク語を平仮名にした謡本が配られましたが、それが読めない。

だって、こう書いてるんですよ
「ぐらとう でむ うとうて まい」とか「ヴぉ どう でん ぼあお」とか。

これが浮いたり下げたり、能の節付けとリズムで構成されてるんですから、これを謡うのがどれだけ大変か、想像できるでしょう。

さあ、明日はいよいよ本番。どうなることやら・・・
お時間がある方、必見ですよ。4月7日、午後7時から、梅若能楽学院で行なわれます。


at 23:46|Permalink

2005年04月04日

週末

この週末はハードでした。

まず、土曜日は狩野川薪能でお世話になっている「飛天事務所」が主催の明野薪能に行って参りました。いろんな家から集められた混成メンバーで能「国栖」が演じられました。
九皐会からきてるのは私ひとりという寂しい状況。普段あまり仕事をご一緒しない方々でしたので、何かと気を使って大変でした。

もっとも、一番私を悩ませたことは、なんといっても、「寒い!!」
この時期に、茨城の山中(失礼)で薪能です。いやあ、寒かった。
私は何を隠そう、大変な寒がり。
紋付の下に、ありったけのものを着込み、ドラえもんみたいになって地謡に出ました。
手先が寒いので、袴の中にポケットカイロを仕込み、謡わない時はずっとカイロを握りしめていました。
この時期の薪能で、「あら、あの人しばらく見ないうちに太ったなあ」と感じたら、それは着ぶくれです。

日曜日は、いよいよ今週に控えた、沼津公演の事前講座を、沼津文化センターで行ないました。
当日使用する装束を見せながら、船弁慶の見どころや、当日の意気込みなどを熱く語ってきました。
会場には、多くの方にお運びいただき、かなりの盛り上がりを見せ、私といたしましても、お客さまの期待が直に感じられ、身が引き締まる思いでした。
公演の一週間前に、演者とお客さまが、触れ合うというのもなかなかない事だと思います。私にとっても、良い試みですので続けて行きたいと思っております。

明日はいよいよ、「船弁慶」の申し合わせです。気合入れるぞー!


at 22:55|Permalink