2017年11月

2017年11月24日

茉莉会 大会

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私の元でお稽古をしている能楽愛好者の方の発表会が、明後日開催されます。

今年は、矢来能楽堂で行われる二年に一度の大会です。
師匠の観世喜之師、観世喜正師を始め、観世九皐会の方々や能楽界の第一線で活躍されているお囃子方などをお招きして、上記の通り盛大に開催されます。

土屋能江様は素謡「隅田川」に、石原妙子様は素謡「実盛」に挑戦なさいます。
どちらも、大変に難しい習い物です。

舞囃子は、「小袖曽我」「難波」「猩々」「吉野天人」「天鼓」「高砂」「松風」「巻絹」「富士太鼓」「融」と10番も演じられます。
「高砂」は八段之舞という特別な難しい演出で演じられます。

他にも、仕舞・連吟と盛りだくさんの番組が発表されます。

この栄えある舞台で、良い成果をあげるため、会員一堂は一生懸命にお稽古に励んでいます。


我が家の子供二人は、大忙しです。

長男・潤之介は、舞囃子「小袖曽我」素謡「唐船」仕舞「邯鄲」

次男の大志郎は、舞囃子「小袖曽我」素謡「唐船」「隅田川」仕舞「嵐山」
に出演します。

また茉莉会最年少、小学6年生の菅生愛鈴ちゃんとウチの子供達で組んで、仕舞の地謡をそれぞれ謡います。

覚える事がたくさんあり、この一ヶ月位はかなり根を詰めてお稽古しました。

なんとか形になり、子供達はとても張り切っています。

今回、舞囃子「小袖曽我」と素謡「唐船」で兄弟共演をします。

どちらも本当に兄弟の役です。

「小袖曽我」は、兄の曽我十郎を長男が、弟の曽我五郎を次男が演じますが、「唐船」は兄弟の役柄を変えて、お兄ちゃん役を次男が演じます。

どうなることやら。


入場無料です。
多くの方々の御来場をお待ちしております。



kuwata_takashi at 12:10|PermalinkComments(0)

2017年11月15日

谷行 3代揃い踏み能

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とても珍しい能「谷行(たにこう)」が、県民能横浜公演で出ました。

能の役職の説明で、シテ(主役)・ワキ(ワキ役)なんて紹介をしますが、それは正しくない認識です。
「谷行」は、完全にワキが主役の能です。

この能のワキは、ワキツレを6人も引き連れて前半後半共に大活躍です。

今回、ワキを演じたのは森 常好師。そしてワキツレに森 常太郎師、子方に森 颯真君。
森家3代揃い踏みです。

「谷行」というのはひどい能です。
山伏を慕う子供が、山での修行に同行します。
しかし、子供は山の中で風邪をひいてしまいます。
山の中で体調を崩した者は、谷から落とすという、山伏の固い決まりに従って、その子供は谷から落とされてしまうのです。

結果的に、山伏の行力によってこの子供は蘇生するのですが、なんと悲惨な物語です。


因みに、冒頭に本物の山伏さんが、この「谷行」という風習を説明して下さいました。

今は当然この風習はありませんが、明治時代の始め位までは行っていたそうです。
ただ「谷行」といっても、谷へ突き落とすのではないそうです。
病気になり、これ以上山を登るのが困難な人を、最低限の水と食料を持たせて置き去りにすることだそうです。

それなら納得出来ます。


ともあれ、能では風邪をひいた子供を谷に落とすという悲惨な行為をします。

師匠の山伏が、森 常好師(おじいちゃん)。弟子の子供を演じるのが颯真君(孫)。そして、病気の子供を谷から突き落とすのが、森 常太郎師(父親)という、完璧な配役で演じられた今回の「谷行」は、見所満載でした。

終演後、おじいちゃんの常好さんは、孫との共演にとにかく上機嫌でした。 微笑ましいですね。

一方、父親の常太郎さんは、とにかく疲れ果てた様子。
その気持ち、とってもよく分かります。


kuwata_takashi at 20:19|PermalinkComments(0)

2017年11月08日

またもや青森へ

先週、旅回り公演の話を書きましたが、今週も旅に出かけています。

金曜日の深夜に帰って来ると、土曜日日曜日と都内で仕事して、日曜日の夜にはまた新幹線に飛び乗りました。

今週も青森公演です。

今月の移動距離はどうなっているのでしょう。

青森は寒いと思って、たくさん着込んでいったのですが、思いのほか暖かかったです。
今日の最高気温は20度を超えたようです。

さらに北国の常で、室内は暖房が入っていてたいへんに暑い。。。
舞台設営などの作業は、Tシャツで行っている者もおりました。

暖かく、心地よい気候の中で3日間の青森公演を終えて、新幹線に乗って家路に急ぎます。


kuwata_takashi at 15:14|PermalinkComments(0)

2017年11月03日

岡山後楽園 能舞台

長期遠征の最後は、岡山後楽園にて岡山後楽能です。
この催しは、今回でなんと47回目を迎える伝統ある公演です。

岡山後楽園には、このように趣のある能舞台があります。


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昔の大名屋敷の能舞台の形がそのまま表れます。

上演されたのは、「竹生島 女体」
岡山では初の上演です。

本来、後シテは龍神なのですが、「女体」の小書(特殊演出)がつくと、後ツレの弁財天女がシテになります。

観世流には本来ない小書なのですが、最近は観世流でも行われるようになりました。

私は、前ツレをさせて頂きました。
良い雰囲気の舞台で、楽しく演じられました。


終演後は、岡山に住む小学校時代の同級生と待ち合わせ、高校時代の同級生がやっている店に行きました。

同行の友人とは小学校の話で盛り上がり、店のマスターとは高校時代の話で盛り上がるという、不思議な飲み会でした。

20時36分岡山発東京行きの最終の新幹線まで、大いに盛り上がりました。


それにしても、、、、、長い旅でした。

日曜日の昼間の公演が終わるや否や、新幹線に飛び乗り、

八戸→青森→函館→福山→岡山
と、5泊6日の旅回り公演。

大荷物をかかえ、新幹線にバスに飛行機で大移動。
その間に、「小鍛冶」のシテと「竹生島」のツレと、二つお役をさせて頂きました。

さすがに疲れました。



kuwata_takashi at 23:30|PermalinkComments(0)

2017年11月01日

善知鳥神社

文化庁学校巡回公演では、いつもはなかなか行くことのないところに行きます。

今回来ております青森県もそうです。月曜火曜日と青森を回り、北海道新幹線に乗って函館に移動です。

新幹線に乗る前に、「善知鳥神社」に寄りました。
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能楽師のグループなので、行くところはもっぱら能にゆかりの地となります。

「善知鳥神社」はその名の通り「善知鳥」の舞台となったところです。
3週間前に「善知鳥」を演じたばかりの私にとって、何ともタイミングの良い訪問でした。

舞台が無事終了(いくつか失敗もありましたが)したことを、報告して感謝しました。

今日は函館の戸倉中学校にて公演でした。
何だか趣のあるたたずまいの学校でした。
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全国の学校を回ると、公立の学校なのに洒落た学校が結構あります。

北海道はもう紅葉も後半戦のようです。
紅葉のじゅうたんがたいそうきれいでした。

函館公演を終えると、函館空港から羽田へ飛びます。
同行の能楽師たちとはそこで別れて私は、国内線乗り継ぎカウンターへ向かいました。

明日からの岡山公演に備えて福山の実家へ帰ります。
実家で用事があるので、前日からの現地入りです。

ふと気が付きましたが、飛行機にはしょっちゅう乗っていますが、国内線を乗り継いだのは初めてです。
海外へ出かけるときは度々乗り継ぐのですが、国内線同士というのは記憶にありません。
東京に住んでいると、国内ならどこへも直行便で移動できます。
このように、地方から地方へ移動するときしか乗り継ぎはしないですね。

なんか、エリートビジネスマンになった気分でした。



kuwata_takashi at 23:52|PermalinkComments(0)