2011年01月

2011年01月29日

国立能楽堂から国立劇場へ

今週は大変な週なのですが、ことさら今日は大変な日でした。

まず、午前中は国立能楽堂で「大般若」の申合。
復曲能「大般若」はスペクタル満載の曲です。
私は龍神のお役を頂戴いたしました。

「大般若」を復曲なさった梅若玄祥師が地頭に座っています。下手は出来ません。
ツレもたくさん登場し、お互いの動きが結構ややこしいのに、事前の稽古は一切ありませんでした。

今日がぶっつけです。

こんなに、あまり上演されない復曲能でも、ぶっつけでやってしまう能って、スゴイ芸能だなあと思います。

周りの人は結構余裕の心持ちでしたが、私は緊張一杯。
終わった後、やはりいくつか課題が見つかりました。
それをお互いに口頭で修正しておしまい。後は当日頑張りましょう。

これで終わり。能って、スゴイ芸能ですよ。

実は、昨日師匠に「野守」のお稽古を見て頂きました。
「野守」の本番は来週の日曜日。
師匠に見てもらう稽古と、申合と当日。

私が通しで「野守」を舞うのは三回しかありません。
そのうちの一回の、大事なお稽古です。
昨日までは頭の中は「野守」で一杯でした。

昨日のお稽古が終ると、にわかに頭の中を「大般若」に切り替えます。
今日の申合が終わって、少しホッとしました。

申合終了後、急いで町田のお稽古場に駆けつけ夕方までみっちりお稽古。
町田のお稽古が終ると、今度は三宅坂の国立劇場に向かいます。
明日のバリ舞踊の公演のリハーサルです。

町田から三宅坂までに道中、頭の中をバリ舞踊に切り替えます。

能とバリ舞踊は、構えも歩き方も全て違うので、全く別物として取り組まなければなりません。
体を一回再起動させます。

国立劇場に楽屋入りするころは、すっかりバリ・ダンサーです。
バリスグデという戦士の踊りを、あれよあれよという間に踊ってみました。
かなり目茶目茶でしたが、勢いはあったと言われました。

明日は、とにかく勢いだけです。
相変わらずチンプンカンプンなのですが、勢い良く元気に踊りたいと思います。


それにしても・・・・

国立能楽堂で能の申合やったあと、国立劇場でバリ舞踊のリハーサル。
こんな掛け持ちは、珍しいでしょう。



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2011年01月24日

舞い、踊る獅子たち

1月29日、「舞い、踊る獅子たち」http://www.ntj.jac.go.jp/member/pertopics/per101216_1.html
という公演に出演します。
場所は、国立劇場です。
そうです、国立能楽堂ではなく三宅坂の国立劇場です。

「舞い、踊る獅子たち」といっても、能の公演に出るわけではありません。
上記のHPをクリックしていただければ公演の詳細が分かるかと思います。

私は、バリ島に伝わるバロンダンスを演じるグループ「深川バロン倶楽部」のメンバーとして公演に参加します。

ほほう、今はやりのコラボレーションか。バリ舞踊と能のコラボってどんなだろう?

そうではありません。私はバリ舞踊ダンサーとしてバリ舞踊を踊ります。

この日記を熱心に読んでくださっている方は、私が「深川バロン倶楽部」でチンプンカンプンながら富岡八幡宮の例大祭に奉納出演していることをご存じとおもいます。

詳しくは、過去記事をご覧ください。
2008年8月16日の記事
2010年8月21日の記事

今週末は、大忙し。
29日(土)は、国立劇場にてバリ舞踊公演。
30日(日)は、国立能楽堂にて能公演。

29日は、バリスグデという戦士の踊りを踊り、
30日は、のうのう能「大般若」にて龍神を舞います。

28日の金曜日は、午前中は国立能楽堂にて、能の申合。
昼から町田でお稽古して、夜は国立劇場にて、バリ舞踊のリハーサル。

最近は、バリ舞踊・「大般若」龍神・能「野守」
これら三つの猛稽古です。


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2011年01月23日

緑泉会「野守」

来る、2月6日(日)に、緑泉会にて能「野守」を勤めます。
場所は、目黒の喜多能楽堂です。

「野守」は、世阿弥作といわれる鬼の能です。大和猿楽は元来、恐ろしい鬼の能を得意としていましたが、世阿弥は単なる恐ろしいだけの鬼を、力動風(りきどうふう)の鬼であると嫌い、人間的感情や哲学的思考を表す、砕動風(さいどうふう)の能を作り上げました。

この能のシテは鬼神ですが、人々に危害を加える存在というよりは、人間に幸福をもたらす鬼です。

 

前半は、万葉集の和歌を引きながら洒落た歌物語が語られます。

勢いよく鷹を捕る様を見せたかと思うと、一転して静かになり和歌の謂れを物語ります。このコントラストは音楽的にとても優れ、豊かな響きを奏でます。こういった構成は、世阿弥がよく用いる手法で、他に「屋島」「鵺」など多くの能に見られます。

 

音楽性豊かな前半から、後半は一転して鬼神の豪快な舞が見どころとなります。

大きな鏡を手にした鬼神は、鏡で森羅万象を映してこの世を寿ぎます。そして大地を踏み破るごとく、多くの足拍子を踏みならし、爽快に暴れまわります。

 

今は当たり前にある鏡ですが、古来はとても貴重な物でたいへん神聖視されてきました。神社の御神体に鏡が安置されていることは珍しくありません。また、皇室の三種の神器の一つも、八咫鏡(やたのかがみ)です。

 

「野守」の鬼神は、鏡という御神体を手に持ち四方八方を曇りなく映しだします。そうして、人々に幸福をもたらすという、祝言性の高い演目です。

 

その場に立ち会ったお客様が、心が洗われたように感じられる。

 


そう舞いたいなあと思います。


チケットご希望の方は、桑田貴志公式HP
http://www.geocities.jp/kuwata_company/

よりお申込み下さい。



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2011年01月20日

ニッセイ松戸アカデミー

先日、ニッセイ松戸アカデミーというところで講演をしてきました。

ここは、松戸ニッセイエデンの園という老人施設の一画にあるカルチャーセンターです。

施設内には、老人ホームから病院、薬局、美容院など揃い、さらにカルチャーセンターやフィットネスクラブまであるという充実ぶりです。

アカデミーでは、定期的に教室が行われているほか、今回のような単発の講演やコンサートなどがたびたび開かれています。

私の講演は、大盛況でした。

高齢化が叫ばれる世の中ですが、お年寄りの方は本当に元気で知的好奇心旺盛な方が多いですね。

まあ能楽界も、とてもお年寄りが元気な業界です。
60超えるとやっと第一線みたいなところがあります。

30代の私は、まだ若手以下です。


kuwata_takashi at 21:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年01月05日

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

今年も宜しくお願い致します。

今年決まっております能のシテは

2月6日(日) 「野守」   緑泉会   喜多能楽堂
5月21日(土) 「海士」 桑田貴志 能まつり   宝生能楽堂
8月6日(土) 「船橋」   九皐会   矢来能楽堂
8月15日前後   富岡八幡宮例大祭 能奉納

こんな感じです。

今年もひとつひとつの舞台に全力投球で頑張りたいと思います。


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