2009年07月

2009年07月23日

最高の勉強

先日、海の日は「神遊」。
私は、「玄象」の地謡を勤めました。

「玄象」の地頭は、なんとお家元の観世清和師。
お家元の地頭で謡わさせていただいて、とても勉強になりました。

一噌隆之師、柿原弘和師、観世新九郎師、観世元伯師、観世喜正師で構成される「神遊」は、能楽界で超注目のグループです。
「神遊」では、これら能楽界の若き実力者たちが、様々な企画や大曲に挑み、むというスタンスで、大変な人気を集めています。

私は、観世喜正師の門下ということで、発足時より色々お手伝いさせていただき、大変光栄です。

また「神遊」では、今回のお家元をはじめ、梅若玄祥師や観世銕之丞師など、能楽界を代表する方々と度々地謡を謡わさせていただいております。

私たち玄人にとって、先生や先輩から直接受ける指導はもちろん大事なことなのですが、それだけでは絶対的に修業が足りません。

先生、先輩の芸を盗むということが大切です。
一緒に謡うということは、芸を盗む上で、絶好の機会です。

実際、上手な方と謡うととても気持ち良く、自分も上手くなった気がします。
そういった中で学ぶことは沢山あります。

今回は、観世流のトップであるお家元と謡わさせていただいて、最高の勉強をさせていただきました。


at 23:17|Permalink

2009年07月22日

コメント休止のお知らせ

最近、画像認証をくぐり抜けて、変なコメントが書かれることが多くなりました。

もともと、ほとんどコメントの寄せられない日記ですので、しばらくコメントの書き込みを休止したいと思います。

あしからずご了承くださいませ。


at 00:48|Permalink

2009年07月18日

富岡八幡宮例大祭 能奉納

先日、近所の知り合いの所にお邪魔したら、幼稚園児の息子が何やら工作をしています。

「何作ってるの?」
「ん・・・ 子供神輿。。。」

そうです。また夏がやってきます。
幼稚園児が、工作で神輿を作るほど、深川の人間は夏祭りを楽しみにしています。
そのために生きていると言っても過言ではないでしょう。

様々なお祭りが企画されていますが、その中のハイライトは何といっても富岡八幡宮の例大祭でしょう。
通称、深川八幡祭りとも言われるこの祭りは、江戸三大祭りの一つに数えられ、たいへんな熱気の中、行われます。

深川八幡祭りの期間中、深川っ子は気もそぞろ、仕事も手に付かず、町は祭り一色になります。

この祭りの期間中、富岡八幡宮では様々な奉納行事が行われます。
和太鼓や舞踊など、色んな芸能も奉納されます。

去年は、バリ舞踊の奉納に出演させていただき、大興奮だったことを思い出します。
その時、思いました。

「いつかこのお祭りで、能を奉納したい・・・」

もともと深川に引越したのも、富岡八幡宮とその門前町に一目ぼれしたからです。
その憧れの地で、能が演じられたら何と素晴らしいことでしょう。


何と、その夢が早くも叶いました。
今年の八幡祭りで、能奉納をさせていただけることになりました。

こんなに嬉しいことはありません。

能奉納が、深川の祭りの新たな見どころと言われるよう、頑張っていきたいと思います。

日時  8月13日(木)17時30分~18時30分
場所  富岡八幡宮境内 特設舞台
    (雨天時は、富岡八幡宮本殿で行われます)

番組  舞囃子「弓八幡」桑田貴志
     舞囃子「菊慈童」小島英明
     舞囃子「船弁慶」観世喜正
     「神歌」観世喜正 桑田貴志

私は、八幡様にちなんだ能「弓八幡」の後半部分を、能面・能装束を着けて演じたいと思います。

入場は、無料です。
夕涼みがてら、お祭り見学も兼ねてお運び下さい。


at 12:59|Permalink

2009年07月17日

深夜の特訓

先日、若竹会の稽古能がございました。
この稽古能の特徴は、稽古用の装束を着けて行われる点にあります。

演者にとってみれば、能面と能装束をつけて、より本番に近い形で演じられるので、良い機会であることは当然ですが、我々若い者にとっては、他にも素晴らしいことがあります。

それは、装束着けの勉強が出来るということです。

若い者は、なかなかシテの装束を着ける機会はありません。
能では、だいたい後見が、装束着けを担当します。

若いうちは、装束着けの責任者の主後見の役割を頂くことはまずありません。
だから、のほほんとしていると、いざ主後見を頂いた時にあたふたいたします。

装束着けは、とにかく「慣れ」が何よりも大切です。
装束を着ければ着けるだけ、上手くなれるといっても過言ではありません。
ただ、実践で若い者がなかなか装束を着けさせてはもらえません。
やはり、演者はキレイに着けてもらいたいですから、どうしても手なれた人にお願いすることになります。

そういう意味で、若竹会は装束着けの稽古の絶好の場といえます。


さて、先日の稽古能「屋島」で、私は後見が付き、装束着けをさせていただきました。

「屋島」の装束で厄介なのは、尉髪という、時別な髪の結い方をすることです。
ちょんまげみたいな型に結う、能独特の髪形でしょう。

最初に束ねられた尉髪は、頭のてっぺんでポニーテールのように根元を縛って土台をつくります。
その時、特別な結び方をするのです。

稽古能の前夜、ふと不安になりました。

「あれ? 尉髪ってどう結ぶんだっけ?」

よし、練習しよう。何か、ポニーテールみたいに、細いものが直角に上にあがっているものないかな・・・

目に入ったのは、子供の消防車のおもちゃ。

これは良い。
消防車のハシゴをメイイッパイ伸ばし、その根元を、麻紐で結び始めました。

「えっと、こうしてこうやって・・・」
「あ、こうやるんだっけ」

消防車を使っての、大特訓です。


すると、そこへ息子がやってきました。
自分が大事にしている消防車は、父親によって麻紐でグルグルに縛られています。

一瞬の静寂のあと、息子の大号泣・・・

「いや、これは尉髪を結う練習をしているだけなんだよ。。。」

当然のことながら、3歳の息子にはいくら言っても無駄でした。。。

息子よ、いつかわかる時が来るぞ。


at 01:30|Permalink

2009年07月06日

休暇

先週、スケジュールを無理矢理遣り繰りして、一週間の休暇をとって南の島へ行ってきました。

ビーチに隣接した絶好のホテルだったのも関わらず、ほとんど海には入らずひたすらボーっとしていました。

持っていったパソコンも、到着早々壊れてしまったので、色々持っていった事務仕事も全く手つかず。
おかげで、本当にボーっとしていました。


この旅行は、ずいぶん前から計画していたのですが、素晴らしいタイミングでした。

最近ずーっと喉の調子が悪いので、先日行きつけの耳鼻科で内視鏡検査をしてもらいました。
すると、喉に小さなデキモノが出来ていました。

これが圧迫して高音が出ないのだろうと言われ、とりあえず飲み薬とステロイド系の吸入薬を飲んで様子を見ようということになりました。

その後、計ったように旅行へ行き、一週間全く謡わずに過ごしました。

それが良かったのか、帰国して再び検査してもらうと、デキモノはかなり小さくなっていました。

悪い腫瘍でないことは確実です。

結果的に、喉にとっては絶好のタイミングの休暇でした。


昨日から、仕事復帰です。
喉の調子は絶好調かと思いきや、全然声が出ません。。。

何故????

まあ、一週間も謡わなければ、声が出ないのは当たり前なのですが。。。


at 23:08|Permalink